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遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?  作者: EPO
第03章 高校1年 2学期

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第22話-1 調理実習-1 特訓中

この物語は当然フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

オカルトなどの内容についても、世間での通例の解釈でないこともありますのでご了承ください

1週間以上準備に時間がかかった肝試しも掃除まで終わり、今日は美亜ちゃんの家に2泊3日でバイトしながらお泊りすることに。

 お泊りの本来の目的は神ちゃんの力のチャージなんだけどね。

 シルバーウィークで参拝客も多いので元々バイトの予定も入ってたんですよ。


 で、現在バイト中。神ちゃんは大人しくチャージしてる最中。

 私は社務所で御守りの授与をしてるけど、ゴールデンウィークと同じでいろんな御守りがたくさん出てる。私と美亜ちゃん、いつもの巫女のお姉さん達とで大忙し。

 ただ、今回は咲良ちゃんが手伝ってくれてる。掃除や御守りの追加など雑用を。

 咲良ちゃんも一緒にお泊りしてるから暇で仕方ないからと手伝いをし始めたんだよ。ついでに巫女服も着れるのも嬉しいらしい。


「英子、美亜、巫女服いいね?」

「コスプレじゃないからね。足元気を付けてよ」

「咲良ちゃん、巫女なんでお淑やかにね」

「は〜い」


 と、まぁバイトも午前中が終わり、3人で併設されてるカフェの休憩室に入って注文を直くんにして待ってることに。

 今日も直くんも大ちゃんのカフェのバイトに入ってるの。だからカフェの方もお客がいっぱい入ってるんだよね。


「英子、美亜、肝試しのダイジェスト編集終わったよ」

「出来たんだ。でも、河合くんの希望通りになってるの?」

「う〜ん、せっかくえりす先輩の可愛いシーンがいっぱいあったのに」

「河合くんもこっち側のスタッフだったから内容は全部知ってたからね。全然驚いてないのは不自然だから」


 河合くんの方からえりす先輩の情けない所はダイジェストに入れないで欲しいってお願いされてるから、咲良ちゃんの方で全部削ってくれた。

 でも、えりす先輩の可愛い所をみんなに見てもらいたかったなぁ。えりす先輩の違う魅力が知ってもらえたのにね。


「後で内容を確認してよ」

「じゃあ、夕ご飯の後で大ちゃんと直くんと一緒に観ようか」

「美亜、リビングの大きいテレビ使っていい?」

「いいと思うよ。お父さんも夕ご飯の後は特にテレビ観てないから大丈夫」

「あっ、そうだ。英子と美亜に調理の特訓のお願いが……」


 そういえば調理実習が次の家庭科の授業であるんだっけ。私達は全然きにしてなかったけど。

 一応夏休みの後半から料理出来るように教えてはいたけど、まだ自信がないのかな?

 それなら


「じゃあ、2泊中の夕ご飯は咲良ちゃんメインで作ってもらって、大ちゃんと直くん、美亜ちゃんのお父さんに評価してもらおうか」

「えっ、マジで?下手な料理食べさせてお腹壊させられないじゃん」

「そんな料理は作らせないから。夏休みの時だって大体出来てたでしょ?そんなに問題はないと思うけどな?」

「それでも気になるんだよ、自分のスキルレベルが」


 そんなに気にしなくても大丈夫だよ?



▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

 連休前の家庭科の授業の時間に戻って……


 家庭科の授業といっても基礎は調理以外にもいろいろあるんだけど、裁縫とか実習は好きだなぁ。基本的な所はパパに仕込まれてたりするから裁縫も上手いよ?


「来週の家庭科の時間は調理実習になるからね。レシピは配布しておくから家で練習してもいいから、マンガみたいに食べられないものを作るなよ」

「「「「「は〜い」」」」」

「班分けもしてるから協力して作ってちょうだい。

 ただし、服部兄妹、宮崎、三条は1人で自分の分を作ってね。同じ班の分は直接手伝わないように。

 自分の分で見本を見せたり、説明する分にはOKよ」

「「「「「え〜、手伝ってもらえないんですか?」」」」」

「それだと4人が全部作ってしまうでしょ。それじゃあ実習にならないのよ。

 班の他の人が再実習になるけどそれでいいなら」


 ははは、確かに私達自分一人で全部作っちゃいそうだよね。

 それじゃあ先生の言う通り実習にならないよ。いくらなんでも授業の邪魔はしないから。


「「「「「分かりました!」」」」」


 みんな納得してくれたみたい。

 でもなんで私達は別に評価するのかな?調理実習は今回が初めてなんだし、先生に調理の腕は見せてないんだけど。

 文化祭の調理担当してたくらいは知ってるかもしれない。


「先生、私達1人1人なんですか?」

「そのくらい1人で時間内に出来るだろ?」

「作るのは肉じゃがに野菜炒め、お浸し、味噌汁でしたよね。そのくらいなら大丈夫ですね」

「そうだろ?服部先輩の子供達なんだから、それくらい出来るはずよね?」


 服部先輩?

 先生の言うことには、先生もここのOGで真琴おばさんや葛西さんの同級生で友達だったって。真琴おばさん達と試験勉強の時にパパがお昼ご飯を作ってるのを見てたしご馳走になってたとか。

 パパはママや直くんのお母さん達にも料理を教えてたし、文化祭のこともあってしっかり教えてるのは分かってるんだね。


「じゃあ、班分けはこの通りにしてね。服部兄妹達は他の班の人にも教えてあげて」

「「「「はい」」」」




◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁

 バイトも終わって夕ご飯の準備をしてる。ついでに咲良ちゃんの調理スキルの確認も私と美亜ちゃんでしてる。

 私は実習の分くらいは問題ないと思うんだけどね。

 課題の肉じゃがを作ってもらってるところ。咲良ちゃんに食材のカットをしてもらって確認しながら肉じゃがを作る。

 味付けは学校のレシピ通りに調味料を入れていくを見守りつつ、要所要所で指示して上手く出来上がった。

 面倒だと全部混ぜ合わせて、「合わせ調味料」にして入れてもいいんだけどね。


「ふう、なんとか出来たよ」

「上出来上出来。一旦冷まして味を染み込ませるといいよ」

「調理実習でそんな時間があるの?」

「鍋ごと水に浸けたり冷蔵庫に入れたりして冷ますとかね」

「ほうほう」


 大ちゃんと直くんもバイトが終わったみたいで、美亜ちゃんの住まいの方のリビングに美亜ちゃんのおばさんと入ってきた。仕事の終わった美亜ちゃんのお父さんも遅れて来た。

 肉じゃが以外は私と美亜ちゃんで仕上げて夕ご飯の準備が出来たから、リビングの方へ持っていってみんなで食べ始めた。


「今日の肉じゃがは咲良ちゃんが作りました。美味しいかな、どうかな?」

「そうなんだ。調理実習の練習かな」

「見た感じはいいな。味は……問題ないな。じゃがいもはもうちょっと時間があれば味が染みるだけど、まあ十分だろ」

「大輝、厳しいな。でも、確かにそうなんだけど」

「ううう、やっぱり味が染みてる方がいいですよね?でも、そうなると時間が……」


 調理実習の課題としては十分だと思うけど、大ちゃんが厳しいことを言っちゃって咲良ちゃんが気にしちゃってるんだけど。

 これが美亜ちゃんの作ったのだったらここまで言わないよね?。


「長く煮るといっても沸騰するような温度で長く煮ても意味はない。じゃがいもが煮崩れるだけだろう。

 冷める過程で味がしみるとはいえ何度も繰り返す時間はない」

「で、どうすれば?」

「味の染みやすい温度をキープするんだ、60度辺りを。

 ぐつぐつ沸騰させた状態で煮るんじゃなく、泡が出る前くらいの状態で煮るんだ。火加減の調整が重要だな」

「なんとか……やってみます」


 そこまでしなくてもいいんだけどなぁ。少ない時間でやる調理実習なんだから。

 そんなことを言ってるから、美亜ちゃんもやらないととか思ってるみたいなんだけど。

 美亜ちゃんのお父さんもそんな娘の様子を見て苦笑いしてるし。


「そういえば、大輝くん、うちの美亜と付き合い始めたんだって?この先、よろしく頼むよ」

「え?え?はい、こちらこそよろしくお願いします」

「何なに?美亜ちゃんと付き合ってるんだ。これなら将来カフェの方を任せられるね」

「何を言ってるんだ。将来は宮司をやってもらうんだからな」


 美亜ちゃんのお父さんは本当のところを知ってるんだろうけど、2人共好きあってるのを知ってるから大ちゃんを逃さないつもりでわざと言ってるんだろうね。

 みんなで大ちゃんを追い詰めて告らせようね。


 その後は和やかに夕ご飯を食べ、この間の肝試しのことでお寺の方からお礼を言われたって聞いた。霊園が随分落ち着いた状態になってたとかで。


「肝試しやったんだ。どんな感じでやってるの?今時」

「今時っていってもそんなに変わらないですよ。うちの肝試しは特殊ですけど」

「特殊メイクするとか?」

「いえ、本物を使うんですよ」

「……え?」


 信じてもらえなかったようなので、食後に肝試しの時の映像を流して観てもらった。本物の幽霊や人魂が画面に映り、参加者を怖がらせてる。

 最近の心霊映像みたいな合成っぽい幽霊ではなく、ちゃんと周囲の明るさなんかに溶け込んでるエキストラ達は心霊映像とは見えないかもしれない。一応輪郭とかは参加者と比べてかなり不鮮明なんだけどね。


「うわぁ~、これが肝試し?マジの心霊現象だよね?

 これならお客さんいっぱい来るお化け屋敷になりそうだよ」

「流石にやりませんからね?」

「もったいないなぁ」


 当日参加しなかった人でもこれで肝試しがどうだったか分かる内容になってるみたいだね。

 その内上映会もしよう。


### 続く ###


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