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第05話-1 GWの巫女のアルバイト1 バイト編

この物語は当然フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

オカルトなどの内容についても、世間での通例の解釈でないこともありますのでご了承ください

 まだゴールデンウイーク中。

 美亜ちゃんの家美の神社でバイトを頼まれてる。神社で巫女さんをするの。

 年末年始とか年に何回か美亜ちゃんのお父さんにバイトを頼まれてる。最初は人手が足りないからって手伝ったんだけど、なんかご利益があったっていう話が多かったとかで、時々頼まれるようになりました。

 多分、神ちゃんが私の中にいるからご利益があったんだと思うけど。


 それから時々バイトをするようになったら、また徐々に参拝客が増えたとか。私が来る時は特に増えるらしい。

 お守りの授与をしてる時に並んでる人が……


「ここの巫女さんレベルが高いな。美人、美少女ばかりだ」

「そうだろ?でもな、それだけで来てるんじゃないんだよ。

 ここのお守りは本当にご利益があるんだよ。この間も事故りかけたけど助かったしな」

「この間言ってたやつか。たまたまじゃないのか?」

「おみくじもその時引いたんだけどな。あまり良くなかった上に事故を予見する様な事が書いてあったんだよ。それで気を付けてはいたんだけど、その事故にあったんだ」

「へぇ~、確かにここのおみくじやお守りに何かありそうな感じだな」

「だろ?それで時々来てるんだよ。特に一番左の子がいる時に」


 と、そんな話が聞こえた。その回りにいる人もうんうんと首肯いてるし。

 そんな感じで参拝客が増えていってるって。


 大ちゃんと直くんもバイトをしてるけど、社務所の方ではなく休憩所のカフェの方がメイン。キッチンとホールを美亜ちゃんの叔母さんの指揮下でやってる。

 元々私が心配で見に来た時やっぱり人手不足で手伝いを頼まれ、2人共料理も出来ると分かって頼まれるようになった。

 私のせいで参拝客が増えたからみたいだからごめんね?

 でも、神職服を着てウェイターをしてる美少年がいるって話題になって、それ目当てに女性客が増えてもきてるんだよね。

 社会人のお姉様が時々ちょっかいをかけてて、私も美亜ちゃんも心配してるんだよ。




 ゴールデンウィークの間の平日に学校に行くと、この間の釣り堀の話が拡散されてた……咲良ちゃんに。もう。

 咲良ちゃんの机のそばに女子が集まっていて、私と直くん、大ちゃんが教室に入った途端に大騒ぎになっていた。

 ……美亜ちゃんはまだ来てない。


「どうしたの?」

「服部さんがGW中に宮崎くんとキスしたとか?」

「さ~く~ら~ちゃん」

「ちゃんと救命活動で人工呼吸したって言ったよ?」

「でも、口づけしたんでしょ?」


 直くんの方も他の男子に囲まれていろいろ言われてるみたい。

 「口づけ」自体はしてるしね。間違いではないけどやましいことをしてるわけじゃないし。


「直くんが心肺停止したから大ちゃんが心臓マッサージ、私が人工呼吸したんだよ」

「「「え?心肺停止?橋本さん、それは聞いてないよぉ」」」

「言ってなかったっけ?」

「すぐに蘇生したから大丈夫だったけどね。今日も来てるし」


 私と直くんのキスより直くんの心肺停止の方が気になり始めたようで、話は有耶無耶になってくれた。良かったぁ。

 直くんの方は男子にあの日と同じように「何度もキスしてる」って言ったみたい。それで男子が「うらやましいなぁ、こいつ」とか言ってた。


 話が落ち着いたところで咲良ちゃんが美亜ちゃんのところでのバイトの話をしてきた。


「GW後半、美亜の所でバイトするんでしょ?」

「うんするよ。美亜ちゃんのお父さんに頼まれてるし。

 どうかしたの?」

「ちょっとね。友達のお父さんがお祓いしてもらう予定だから、念入りに頼んでおこうかと」

「いやぁ、お祓いのメインは美亜ちゃんのお父さんだよ?美亜ちゃんと私はサポートというかおまけだし」

「いやいやいや、聞いてるからね?英子と美亜の中学時代の話は」


 なんとも答えられず、ちょうど美亜ちゃんが来たのでそのまま笑って誤魔化しました。

 超能力者とか特殊能力者じゃないからそんな凄いことは出来ないんだけどなぁ、神ちゃんが中にいるけど。




 そして、今日はバイトの日……

 咲良ちゃんがあんなことを言うから気になって仕方が無い。

 いつものように美亜ちゃんと他の先輩の巫女のお姉さんと社務所でお守りの授与をしている。お祓いとかあると私と美亜ちゃんが優先的に手伝いに行く事になってるの。私達がいない時は先輩の巫女のお姉さん達なんだけど。

 しかし、やっぱり今日も参拝客が多い。ゴールデンウィークだから余計に多いなぁ。

 そうでなくても美亜ちゃんとなぜか私が美少女巫女として話題になっているんだよね。美亜ちゃんは確かに美少女だけど。

 それに先輩の巫女のお姉さんも皆美人だから、元々男の参拝客が割と多かったらしいんだけど(別に美亜ちゃんのお父さんが美人さんばかり選んだわけじゃないって言ってた)。

 更に最近は女性の参拝客も多くなった。誰のせいかは分かってるけど多くなった。


 お守りは恋愛成就と学業成就・合格祈願を授かりに来る人が多い。次に安全祈願と健康祈願かな。

 安全祈願と健康祈願は神ちゃんの御利益があるかもしれないけど、恋愛成就と学業成就は難しいよね。神ちゃんもそう言ってるし。

 おみくじも結構な数が出てる。これも最近よく当たるとかで人気があるよ。これも神ちゃんの影響みたいだけどね。そのせいで忙しくなって専門で担当する先輩巫女がいるようになったの。


 そして……その後は休憩所のカフェに流れるのが女性参拝客の定番。カフェはもうお客さんで一杯だ。

 美亜ちゃんの叔母さんが切り盛りしていたけど、大ちゃんも直くんも2人共ホールもキッチンも出来るから重宝がられてる。

 そこで神職服の大輝と直樹を愛でてるんだって。2人共かっこいいもんね。直くんの方がかっこいいいけど。

 でも、みんな直くんと大ちゃんの容姿だけに目がいってるんじゃなくて、出される料理も大人気なんだよ、美味しいって。

 2人共パパの教育のおかげで料理がいろいろ出来るんだよね。パパの料理の方がまだ美味しいけど、すぐに追い越せるってパパが言ってた。


 そんな感じで社務所の方も休憩所のカフェの方も人がいっぱい来ててみんな忙しいんですよ。


「美亜ちゃん、今日も忙しいね」

「ごめんね。いつも参拝客が多くて。前はそんなに多くなかったのに」

「そうだよね。最初の時はこんなに多くなかったもんね。忙しいけど楽しいよ?」

「実際は英子のせいで参拝客が増えたんだけどね」

「え〜、そんなことないよ~」


 私だけでこんなに増えたりしないよ。美亜ちゃんや大ちゃん、直くんがいるからだよ。

 神ちゃんがいるからちょっとお守りやおみくじで運勢とか良くなったりしてるかもしれないけど、それだけでこんなに来ないって。


「美亜ちゃん、英子ちゃん、そろそろお祓いの時間でしょ?行ってらっしゃい」

「「はい」」


 そうだった。

 今日は咲良ちゃんの友達のお父さんがお祓いをしてもらうために来るんだった。

 バイト中にお祓いをすることはそんなにないんだけど、本当に邪気とか穢れで悩んでお祓いに来た人は私達がいると効果があったってお礼に来るそうなの。神ちゃんも確認してくれるから、本当に祓えたか分かるのが良かったんだろうけど。


 お祓いの相談に来られたのは小林さんという人。うちのクラスにいる咲良ちゃんの友達のお父さん。

 なんでも随分悩んでいたらしくて、それを咲良ちゃんに言ったらここでお祓いを受けてみたらどうかって言ったらしい。その友達の小林さんも私達のことを知ってるみたいで、私達がバイトをしてるタイミングでお祓いの予約を入れてきた。

 今日も小林さんのお父さんと一緒に咲良ちゃんも付いて来てる。


### 続く ###


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