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遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?  作者: EPO
第03章 高校1年 2学期

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第21話-2 肝試し?-2 開催当日1

 ついに肝試しをする日が来た!みんな耐えられるかな?

 夕方お寺の境内に集合する事になっていたので、みんなどんどん集まって来た。

 主催者である私と美亜ちゃん、咲良ちゃん、大ちゃん、直くんはもう先に来て準備が終了している。一緒に来ているパパは住職と雑談中。

 一応スタッフの河合くんはゆっくり来ることになってるからまだ来てない。


 参加者はサッカー部とバスケ部、2年生、3年生が多い。

 1年生は中学時代の肝試しの噂が流れてたためそんなにいない。サッカー部とバスケ部の1年生以外では怖い物見たさの心霊マニアぐらいかな。

 咲良ちゃんが出欠を確認してくれてる。参加者には騒ぎ過ぎないように注意をしてもらってる。

 大ちゃんと直くんが組み合わせを決める準備をしてくれてる。もうカップルで来ていてペアが決まってる人達もいるから、決めるのにちょっと時間がかかるかな。

 私と美亜ちゃんは暗くなってから先に霊園に移動するから、今のところ本堂の縁側に座ってゆっくりしてる。


 そうしてると境内で皆がザワついた……

 なんだろう?


「やあ、英子ちゃん、美亜ちゃん。今日は肝試し楽しませてもらうよ?」

「えりす先輩、藤井先輩、こんばんは。ありす先輩も一緒ですか?」

「アレは置いてきた」

「服部、ありすは元々肝試しとか怖いのダメなんだよ。恐怖で顔が崩れて可愛くなくなるからとか言って」

「なら良かった。来たらどうしようかと思いましたよ」

「どうするつもりだったのかな?英子ちゃん」

「最初から主催者特権で参加させないつもりでしたし、どうしても参加しようとしたんなら徹底的に怖がらせるつもりでしたよ」

「いいねぇ」


 えりす先輩って結構ありす先輩に厳しいよね。嫌ってるわけじゃないけど扱いが良くないよ。私的には嬉しいけど。

 でも……ありす先輩がそんなので肝試し来ないと言うのもちょっと信じられないかな。「こわ~い」とか言ってペアの男の人に思いっきりくっつきそうなんだけど。

 そういうのを喜ぶ男子もいるからやってるんだろうけど、私は好きじゃないなぁ。


 さっきザワついたのは、えりす先輩が単独で参加するから。

 カップルで来てないということは、まだペアが決まってないわけで……そうなると単独参加した男子にペアを組めるチャンスが転がり込んできたのだ。

 学校で一番人気のある女子と一緒に回れるかもしれないとなれば、それはザワつきたくもなるでしょう。

 でも、もし突然女子と組むとか言ったらどれだけ落胆するかな?それはそれで面白そう。


 全員集まったということで、ここらで肝試しの始まりの宣言をしましょうか。


「参加者の皆さん。これから肝試しを始めます。

 先ずは単独で参加してる方はペアを決めてもらいます。えりす先輩が参加していますが男子はケンカしないでくださいね」

「「「「「は〜〜い」」」」」

「その後は暗くなるまで待ってもらってから、各ペア毎順番に霊園の方に移動してもらいます。

 待ち時間の間は本堂に方で写経も出来るようになってますので、興味があれば参加してみてください。

 おやつも用意してますのでご自由にお食べください」

「「「「「は〜〜い」」」」」

「じゃあお化け役の服部英子と三条美亜はこれから霊園の方に行きますね。

 参加者は服部大輝、宮崎直樹、橋本咲良の指示に従って出発してください。

 では」


 ということで私と美亜ちゃんは霊園の方に移動します。

 薄暗くなった霊園の中の道を美亜ちゃんと歩いていく。

 霊園内は当然寂しい所で、そこが薄暗く更に寂しくなってきた。そして日が沈んだために徐々の気温が下がり始めた。


「美亜ちゃん、去年と同じ感じでよろしくね」

「うん、指示するだけだから問題はないよ。ただ、怖がり過ぎて気絶したりしないといいけどね」

「もう2回はやってるからね、そこまで怖くないように指示してるし加減してくれるよ」

「……ほんとに肝試しじゃなくて度胸試しだよ。

 でも、男子は私達がコスプレして怖がらせるんだと期待してる人が多いみたいだけど」

「あははは、そこは本物の恐怖を味わって涼しくなってもらわなきゃね」


 途中のお墓にいるエキストラを起こしていきながら準備を整えていく。

 ボスキャラには折り返し地点の奥にいてもらい、エキストラの損壊状態によってランク分けして、先に進むほど幽霊と分かりやすいエキストラを配置しておいた。

 よし、これでもう少しで私達は配置につけそう。




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

大輝Side

「さあ、そろそろ十分暗くなってきました。お化け役の2人も配置についたとの連絡がありましたので、これから順番にスタートしてもらいます」

「服部の妹ちゃんと彼女ちゃん達、どんなコスで怖がらせてくれるんだろうな?楽しみだぜ」

「阿部くんったらもう、彼女がそばにいるのに『ドガッ』」


 阿部先輩がお化け役の英子と三条さんのお化け姿を期待するような発言をしたばっかりに、彼女に肘鉄を入れられうずくまっていた。

 三条さんにエロいコスを期待していたからだろう。ざまあだ。


 お化け役の2人が霊園の準備をしている間に単独参加した男女のペアをくじ引きで決めておいた。

 河野えりす先輩が単独で参加していたため、潤以外の大半の男子が目を血走らせてくじを引いてた。そんな状況を女子があきれて見ていた。


 そんなのだとせっかく女子と2人っきりで回れるのに嫌がられてしなうだろうに……


 彼氏彼女とかのカップルで参加している人達の方は、一部阿部先輩のような馬鹿なことを言って怒られている人もいたが準備は出来ているようだった。

 くじ引きで決まったペアも男女で一緒になり準備が出来たようだ。

 えりす先輩と幸運にもペアを組めたのは意外にも潤だった。下手に他の男子と組ませるよりはえりす先輩も良かっただろう。落ち着いて肝試しを楽しめると思う。


「霊園の中をぐるっと回って行ってください。1番のペアの方達スタート!」


 先ずは1番のペアが霊園の方に向かって行った。次は1組ずつ時間を開けてスタートだ。




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

1番目のペアSide

 1番最初のペアになってしまった。これだと全然情報がない。

 一緒になった1年下の女子と霊園内の道を歩いていたけど、回りが暗く渡されたライトの灯りしかなくて離れると見えなくなる。

 といっても霊園なんで道以外はお墓しかない場所だけど。

 そばにいる女の子とはぐれてしまったりすると危ないからなるべくすぐ横をキープして歩くことにしている。


「大丈夫?」

「まだなんとか。先輩の方は大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。まだ暗いだけだからね」


 移動中悲鳴以外騒がしくしないようにと言われてるからなるべく近くで話している。

 これはペアの子とくっつけさせるために決められたのか?

 主催の1年、よいいことを考えたな。近くにいれば親密になりやすいだろう。もしかしたらこれを機会に付き合えるかも?


 とか考えてると、歩いてる道の向こうから人が歩いて来たみたいだ。足音がする。幽霊なら足もないし実体もないのだから足音なんかしないだろう。

 これはお化け役の1年の美少女だろうか?ならどんなコスプレしてるんだろうか期待したい。

 相手が見えるくらいに近くまで来たらただのスーツ姿のおっさんだった。

 な〜んだ。おっさんかよ。

 しかし……こんな時間にこんな所を歩いてる人がいるのか。忙しくて夜に墓参りに来てる人なのか。真面目な人なんだろうか。

 でも、普通来ないよな?


 向こうから歩いてくるおっさんを不思議に思いながらも、もう目の前まで来ていた。

 女の子もなんとなく不思議に思っているようだけど、挨拶をしてすれ違うことにした。

「「こんばんは」」

 相手からの挨拶はないけど道も狭く、2人横並びで歩くとすれ違えないから女の子が俺の後ろ来るように位置を替えすれ違う。


 ……つもりがおっさんは避けもせずこっちに向かってくる。

 おっさん、見えてないのかよ。

 俺がぶつかることを覚悟して体勢を崩さないように力を入れていると、スーツのおっさんが俺の、そして後ろの女の子の身体をすり抜けて行った……

 は?なんだ?

 後ろを振り返ると女の子も「何これ?」って顔をしてる。

 そして……2人同時に悲鳴を上げた……


### 続く ###


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