第19話-2 夏休みの終わりの花火大会-2 花火大会に行こう
花火大会の開場に行く時間まで軽くサンドウィッチなどみんなで食べてると勇おばさんが旦那さんの勲さんと娘の麗ちゃんを連れて遊びに来た。
花火大会が目的なんだけど。
毎年花火大会に行く前の休憩所として服部家に来る。そして帰える前に家でパパやママ、直くんの両親、おじいちゃんおばあちゃんと飲み会をしてく。
「やあ、ま〜くん。来たよ。今年もよろしくね、京子」
「ま〜くん言うな。まあいいけどな」
「勇さんいらっしゃい。麗ちゃんと勲さんもいらっしゃい」
「京子おばさん、おじゃまします。英子お姉ちゃん達どこですか?」
「麗ちゃんいらっしゃい。早速浴衣に着替えようね」
一緒に来てる小学3年生の麗ちゃんは私や美亜ちゃんに懐いてくれてて、今日は麗ちゃんの浴衣の着付けは教えてもらったばかりの私が美亜ちゃんとすることになってるの。
勇おばさんが持ってきた浴衣を持って勉強部屋で着付けを始めた。
本当は勇おばさんがここに来る前に着付けてあげれば喜ぶと思うんだけど、ママ達に丸投げするために来てるんだよね。
麗ちゃんの着付けを終えて戻ってくると、山本さん達女子は男子と仲良く話をしてた、咲良ちゃん以外は。
咲良ちゃんは秀くんがいないから拗ねてるけど、河合くんがなだめてくれてた。河合くんってそういう気配りが卒なく出来て助かるね。
「英子、さっきのえりす先輩みたいなお姉様は?」
「前にショッピングモールで話した勇おばさん。パパの婚約者候補だった人だって」
「「「「「は?英子のお母さんがいるよね」」」」」
「ママと会う前の話だけどね」
出かけるまでまだ時間があるから前に話すと約束してたパパと勇おばさんの話をして時間を潰すことにした。
「興味ある?
勇おばさんはパパの幼なじみなんだって。私や直くんと同じようにお互いに両親が友達でね。両親は結婚させるつもりだったみたいだよ」
「「「「「え〜〜??」」」」」
「中学時代までの話らしいよ。
パパのことを凄く好きだったのに勇おばさんがその時にやりすぎてね、いじめとまではいかないけどパパに迷惑をかけ過ぎたらしいよ」
「「「「「「それから?」」」」」」
「それで高校の時に、勇おばさんはお父さんに県外の全寮制の女子校を受験させられて放り込まれたそうだよ。だから、うちの高校の卒業生じゃないんだよ」
勇おばさんがうちの高校の卒業生だったらパパより逸話を残してそう。王子様系美少女で全校を掌握してるはずってパパも言ってたし。
それはそれで見てみたい気もするけど、そうすると私も大ちゃんも生まれてなかったかも。
「で、勇おばさんがいない間の高2の時に、ママが告って付き合うようになったんだて」
「逆NTR?」
「英子のお母さんが出し抜いたんだ?」
「あははは、まあそんな感じだよね。元々パパは勇おばさんと結婚するつもりはほぼなかったて言ってたけどね」
「こっちもやっちゃったって感じだね」
「「「「だね」」」」
大ちゃんみたいなこと言われてるよ、勇おばさん。
勇おばさんの方もパパにちゃんと告ってれば……違った運命になってたかもしれないのにね。
『わし的には勇より京子の方が相性が良かったしな。都合が良かったよ』
『神ちゃん、もしかして勇おばさんの運命の操作したの?』
『そんなことはしとらんぞ。京子だってそんなことはしとらんしな。
ひとの運命を操作したところで長い目で見たらいい結果にはならんよ』
『ならいいけどね』
勇おばさんとパパの話も終わって花火大会に出かけることに。
今日はもう男女の組み合わせも決まってるみたいだし、並んで花火大会の会場の河川敷まで歩いていく。
出かける時に麗ちゃんも一緒に来ようとして、勇おばさんに止められる一幕もあった。でも、それは私や美亜ちゃんにくっついてではなくて、河合くんについていこうとしてたんだよ。リビングで面倒を見てたからみたい。
河合くんって小さい子にモテたりするのかな?
花火大会の会場は市内の1級河川の河川敷。河口近くなっているので野球やサッカーのグラウンドがあったりするくらい広い。
そんな所に屋台がたくさん出ている。夜店の屋台より数が多いんじゃないかな?開始時間までまだ1時間くらいあるけど人がいっぱい来てる。
花火は対岸の発射場で打ち上げる。そっちも広くてナイアガラの滝の仕掛け花火が準備されている。
私達は会場近くの土手まで来て、一旦会場から離れた場所にスペースを確保してレジャーシートを広げる。
「みんなで買い出しに行くか。組み合わせは……もう決まってるからいいな?」
「最初は俺と橋本さんが残ってるよ。」
「潤、橋本さん、よろしくな」
「咲良ちゃん、よろしくね」
一応ナンパ対策で男女は同数にしてすでに組み合わせは出来てるから、咲良ちゃんと河合くんを残して男女6組で屋台の方へ別れて歩きだした。
私は直くんと、美亜ちゃんは大ちゃんといつもの組み合わせ。
今回の男の子4人は、篠岡さん達の浴衣とセットした髪型の魔法にまだ魅了されてて、それぞれいい感じで話をしながら隣り合って歩いてる。このままうまくいってくれればいいんだけどね。
私は直くんの腕に自分の腕を絡めて隣を歩き、美亜ちゃんは大ちゃんと恋人繋ぎで手を繋いでいた。付き合ってる体でということなんだけど2人共まだまだぎこちない。見てた咲良ちゃんも笑ってた。
さあ、何を買おうかな?
屋台はたこ焼きや焼きそば、お好み焼き、イカ焼き、クレープ、ベビーカステラ、お焼きなどの食べ物とラムネやタピオカミルクティーなど飲み物が売られていて、他にも金魚すくいや射的などゲーム系の屋台もあった。
みんな適当に遊びながら屋台を回って買い物をする予定。
咲良ちゃん達もそれでいいからゆっくり回ってきてねって言ってた。まあ、咲良ちゃんは秀くんがいないし夜店で楽しんだからね。
直くんとたこ焼きやベビーカステラを買った後、射的の所で遊んでく。
銃のレバーを引いてから弾を銃口に詰めて、台に片手をついてギリギリまで身体を前に乗り出し、銃口をターゲットに向けて突き出す……
プルプル震える身体を一瞬だけ強制的に止めて引き金を引いた!
バシュ
ぬいぐるみに当たりようやく墜ちた。もう4発当ててたからね。
これで麗ちゃんのお土産が出来たかな。
直くんが手をハイタッチで私の偉業を称えてくれた。やったぁ。
次の瞬間、直くんが私を背中から覆い隠すように抱きかかえ、通りに背を向けてる。私としては嬉しいけどどうしたのかな?
「おいおい兄ちゃん、ここでイチャつくのは遠慮してほしいねぇ」
「シッ」
「ヒィ」
屋台のおじさんが直くんのただならぬ雰囲気に押されて黙り込んだ。
私も大人しくしてたら、しばらくして直くんの手が緩んだ。
「どうしたの?直くん」
「河野先輩が後ろを通ったから……」
通りの方を見ると藤井先輩とえりす先輩が見えた。その2人の前をありす先輩が歩いてた。やっぱり来てるよね。
えりす先輩と藤井先輩はパンツスタイルで普通の装いで、ありす先輩だけ浴衣だった。
「英子ちゃん、見つからないように買い物をして戻ろう」
「だね」
「なんだ兄ちゃん、二股かけてる子でも通ったのかい?」
「言い寄って来るですよ。拒否してるのに理解してくれなくて、どんどんしつこくなりそうで嫌なんですよ」
「そりゃあ世の中の男からしたら贅沢悩みだな。まあ、頑張れや。ほれ嬢ちゃん、ぬいぐるみだ」
「ありがとうございます」
ありす先輩達と十分距離を取ってから次の屋台に移動する。その間に直くんが大ちゃんに連絡してありす先輩に見つからないように指示してた。
それから数軒屋台を回ったけど、その行く先々でありす先輩に遭遇した。
なんとか隠れてやり過ごしたんだけど……なんか怖い。
途中えりす先輩達の会話が聞こえたんだけど、それも凄かった。
『ありす、まだ屋台を回るのかい?』
『私の宮崎くんレーダーに反応があるのよ!この辺にいるはず』
『そのレーダーは精度が低いんじゃないのかい?もっと的確に見つけてほしいもんだね』
『ありす、服部の家はここからそんなに遠くないから家で観てるんじゃないのか?』
『そうだね。英子ちゃんの部屋で2人しっぽりとしながら花火を観てるんだろう』
『姉さん、オヤジくさいよ、その言い方。それにそんなエロマンガ的な展開、あのちんちくりんと宮崎くんがするわけないじゃない』
『服部は結構背も高いし出るとこ出て引っ込むとこは引っ込んでる。お胸は私達より大きいと思うぞ』
『そうだぞ。ありすの方がよっぽどちんちくりんだと思うぞ』
『うるさいわね。次行くよ』
何度もすれ違ったけど結構最初からえりす先輩は私達の事に気付いてこっちに笑いかけてたりする。藤井先輩も何度目かには気付いてたけどね。
ありす先輩だけがいつまでも気付かない。宮崎くんレーダーとやらも本当に精度が低いみたい。
これで買い物も終えたからみんなの所に戻ろう。
ちなみに確かにうちから花火はよく見える。ここに来なくてもいいんだけどね。
今日も屋上にテーブルとか置いて、昼からパパや大ちゃん達が作ってたおつまみを出して、パパ達はお酒片手に花火を観る予定です。
### 続く ###




