第16話-EX 田舎に帰ろう-EX 大人の話
短いのでもう1ページアップしてます。
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正直Side
今日も天気が良く雲もほとんどなかったから絶好の天体観測日和だった。
みんなで流星群を満足いくまで観てからオカルト話をしながらじいちゃんの家に帰ってきた。
秀樹がずいぶん眠そうなので直樹が背負ってる。こういう時でもないと兄貴らしいことは出来ないからなぁ。
家に戻って話をしながら順番にお風呂に入り、子供達は部屋の方へ行ってもう寝るようだ。
残った僕達と直、じいちゃんばあちゃん大人組は、僕が摘まみを作ってビールやお茶を飲んだりしながら話を始めた。
まあ大体話題はいつものことなんだけど……
「まーくん、京子さん、英子ちゃんはどう?一応高校生になってからの話は軽く聞いたけど、相変わらず心霊現象には遭ってるみたいね」
「ああ、そうだな。今のところ危険なのには近付いてはないようだけど。
橋本さんが話を持ってくるのも今のところ危険はないのを自分で確認してるみたいだしね」
「先輩の幽霊マンションのは別口だっけ?」
「あっちは先輩からの相談だってな。しかも呪いのビデオに出てた話。
行ってみたけど幽霊が通過するだけで特別何かしてるわけじゃなかったらしいな?
特別問題はないから手伝って解決したらしいけど」
「本当に危なくなかったの?」
直からすればそばに居るわけじゃないから心配なのは仕方がないか。
僕にしても問題ないか確認出来るから心配していないだけで、将来離れて暮らすようになったら心配するんだろうな。
「一応神様っていう安全装置があるからね。余程のことなら警告してくれる。英子を大事にしてるからな。
マンションの件は幽霊を呼び寄せてる印を処分すれば問題なかったし、まだヤバいのは来ていなかったらしい。
合宿の施設の幽霊も体育館の幽霊もそのままにしてるって聞いてるけど、それは神様も気にしてないからみたいだし」
「やっぱり、聞いてると心配になるよ……」
「その辺は大輝も直樹も一緒にいるし、視えてる三条さんも付いてるから」
直は英子を特に可愛がってたから神様が取り憑いただけでも凄く心配してた。
小さい頃は霊とかが視えるって言って気味悪がられたりしてたから、ちょくちょく来ては遊んでくれていた。結婚してないから自分の子供のように思って。
僕も京子さんもそれについては嬉しいんだけど、直自身自分の方はどうなんだ?って心配してる。
「大輝はまだ美亜ちゃんと付き合ってないんだよね?」
「そうなんだよなぁ。
あいつも三条さんのことが好きなはずなんだけど告ってないんだよ。三条さんはどう見ても大輝のことが好きだって分かるよな?京子さん」
「そうなのよね。スポーツとか試験とかの勝負時の度胸はあるのに、告白する度胸はないのよね。誰に似たのかしら?」
「僕は告白は京子さんが先だったけど、結婚しようって言う話をしたのは僕の方が先だったはずだけど?」
「だから誰に似たのか分からないのよね……後からの性格なんだけど」
「大輝!早く美亜ちゃんをゲットしろよ!」
直、大輝には厳しいな。まぁ、僕達もそう思ってるけど。
小さい頃から大輝にはちょっと厳しい。別にいじめてるってわけじゃないけど優しくない。出来ないことはさせてないけど、ちょっとハードルが高かったりしてた。
それが直の男の子の可愛がり方なんだと、大輝も直樹もそう理解してるから文句は出てないが……
「まーくん、早く大輝に美亜ちゃんと付き合うように言い聞かせて」
「言い聞かせるくらいはするけどな。実行するのは大輝の意思に任せるからな」
「え〜、どうしてぇ?」
「直、無茶言うんじゃないよ」
「そうじゃ、大輝のいいようにさせればええ」
「う〜〜」
### 続く ###