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遊園地デート?いえ、心霊スポットで私は除霊師みたいなことをしています。なぜか?  作者: EPO
第02章 高校1年 夏休み

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第16話-10 田舎に帰ろう-10 SLGとガールズトーク

 昼ご飯も終わり、パパと大ちゃんと直くんはSLGを隣の部屋に移動してやってる。

 このSLGとは昭和の頃に作られたボードシミュレーションゲームで、昭和にロボットアニメのメカのデータを使って攻撃して対戦相手を倒すゲーム。

 パパが高校時代に持ち主の山田さんと遊んでいて、その時点でも絶版だったみたいなんだけど、今は有志がネットに上げているデータと追加ルールを使って新しいロボットアニメのメカでも遊べるようになってるんだって。

 今回は「鉄血のオルフェンズ」のデータで遊ぶらしい。データと追加ルールのテストをするんだって。


 ちなみに山田さんというのはパパの高校時代からの親友の一人。奥さんはママの親友 (旧姓:渡辺)。この山田さんは実はパパと非常に深い関係がある人で山田さんの義兄さんや叔父さんも服部家と関係と関係があったりするんだよ。




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

正直Side

 今じいちゃんの家に泊まってるけど、これから大輝と直樹と「鉄血のオルフェンズ」のSLGをやる。

 ボードやユニット、データシートは山田に借りて持って来た。

 ボード自体はZガンダムの時の地上戦のボードで、ユニットは画像をかなり縮小して印刷し、データシートはネットで有志が作ったものを利用している。

 今回はこのデータシートと追加ルールのテストプレイを頼まれて、これから始めるところだ。


「父さん、なんで今頃オルフェンズ?」

「さあな。データシート作った人の都合だろ。水星とかGQuuuuuuXとか好きじゃないのかもしれんし」

「それでも遅いですよ、正直さん」

「まあいいだろ。なんでもいいじゃんか」


 ということでオルフェンズのMSの中から使うのを選んだ。

 3人共ガンダムフレームから、大輝がバルバトスルプスレクス、直樹がグシオンリベイク、僕がバエルに決定した。


「さあ、始めようか」

「「おう」」


 丘陵地帯という設定で、丘の上には推力を使ったジャンプでの移動となる。当然ホバーリングも推進剤を消費するので注意が必要だ。

 最初にみな離れた場所からのスタートにしたので戦闘にはまだ早い。


「オルフェンズの機体ってホバーリング用のバーニアって見えにくいよね?」

「確かにね。アニメでもバルバドスが長く移動してるシーンって覚えがないけどバーニアとか吹かして多様な気がしない」

「量産機はたまにバーニア噴かしながら移動してるシーンがあったけどな?」


 正史のガンダムみたいに脚部にバーニアがよく見えるデザインじゃないから、ほんとにホバーリングしてるのかよく分からん。

 バルバドスの戦闘中はそれこそ飛んでいくような勢いで敵機に向かって行ってるからな。


 いくらか近付いたところで直樹のグシオンがロングレンジライフルをこっちのバエルに向けて撃ってきた。


「距離20の相対速度が8で……命中率は13。ダイスは……8だから−5」

「距離20の回避率に−5……で10だから……4が出た。回避成功」

「ロングレンジライフルって遠距離でも命中率はいいけど、相手の回避率も高いからこっちがいい数字を出さないと当たらないですよね」

「普通に遠距離射撃はスナイプだから、こっちが気付いてるかいないかの判定がないこのゲームだと簡単に当たらないよな」

「その分パイロットポイントを攻撃と回避の配分具合で再現するんだろ。

 実際、大体攻撃時でも半々くらいに配分するけどな」


 パイロットポイントはパイロットがどちらに専念してるかを示す。敵機に攻撃を当てたいなら攻撃に多く配分し、回避に集中するなら回避に多く配分する。

 まあ、大体戦闘中は攻撃も回避もするから大体半々分配する。一か八かの勝負をするなら攻撃に全振りするが……普通にやらないな。


「次のターン、行くぞ」

「「おう」」

「バエルはF4RF2の後、グシオンに電磁砲」

「バルバトスはF5LF2。確認出来たらグシオンにテイルブレイドだ」

「グシオンB3。またバエルにロングレンジライフルを撃つよ」


 確認はみんな出来た。でも、まだ格闘戦のレンジじゃない。レクスネイルもまだ届かなかった。


「距離18で相対速度は3……電磁砲の命中率は8か、厳しいな。サイコロ振って……−2だな」

「グシオンの回避は……13。振らないで良いですよね?

 ロングレンジライフルは相対速度が減ったから命中率は14でダイスは……6だから−8」

「くそぉ、距離18の回避率が……6か。サイコロは……7か!当たっちまった」

「よっし。どこかな……左腕の……肩か。ダメージは2か。壊れてないですよね?」

「ああ、後ダメージ1で壊れる」


 ああ、危ない危ない。ソードは双刀だから片腕を失うと攻撃力反撃だ。

 まだ距離が離れてるから攻撃が当てられない。

 オルフェンズの機体は格闘戦が主体だから接近しないことにはどうにもならない。ただ、移動量もオーラバトラーより多いから接近が難しい。


「そうだ。直樹、英子とはどこまで進んでるんだ?人工呼吸のマウストゥマウス以上に」

「いくら直樹が英子と両思いでもそれ以上は進んでねぇよ、なあ?」

「まあそうですけどね。いくらなんでもその先までは出来ませんよ。

 英子ちゃんがそういうのをどこまで知ってるのか分かりませんし、子供が出来たりしたら英子ちゃんの人生が狂っちゃいますし」

「その辺は僕の高校時代の考えと一緒でいいけどな。でも、ちゃんとするならその辺は任せるからな。京子さんとの時もそうだったけど。

 後、大丈夫な日でも当分ちゃんとしろよ。あの神様の事だから無理にでも妊娠させかねないからな」

「父さん、それ怖いんだけど」


 ちっ、直樹を動揺させようと思ったんだが効果がなかったようだ。

 でも、大輝、実際にお前達が出来た時がそうだったんだからな。




◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁

英子Side

 パパ達が隣の部屋でSLGを始めた頃、私達はガールズトークに花を咲かせることに。

 パパが作ってきたパウンドケーキと私達が持ってきたお土産を出して、コーヒーや紅茶をすぐに飲めるように準備した。


「英子ちゃん、まだ祓い屋みたいなことやってんの?中学時代のような」

「直おばさん、積極的にはやってないですよ?

 相談されたりとか偶然だったりとか咲良ちゃんの仕込みだったりとかくらいしかやってないですよ」

「でもやってるんだ?」


 前みたいにやってるって程じゃないかな。中学時代は結構勝手に首を突っ込んでたからね。

 その話を直おばさんが楽しみにしてたから、夏に遊びに来るとどんなことしたのか聞いてくるんだよ。


「祓ったりはしてないけど、大輔おじいちゃんの友達とか練習試合に付いて来てうちの体育館に居着いた幽霊とか」

「ほうほう」

「この間の合宿の宿泊施設の子供とおばあさんの幽霊とか」

「ほんのちょっと前じゃん」

「後はマンションを徘徊する大量の幽霊とか。だよね、美亜ちゃん、咲良ちゃん」

「そうだね」

「高校に入って心霊現象によく遭えて嬉しかったですよ」

「いいなぁ、私も視てみたかった」


 そんなに面白いものでもないけどなぁ。マンションの話なんて住んでる人にはいい迷惑だったよ。

 幽霊とか基本的に居ていいものじゃないからね?


「直さん、これがその時の映像です。『本当にあったかもしれない呪いのビデオ204』の監視カメラの映像もそこのですよ」

「あれ、そうだったんだ!ゾンビみたいに幽霊がいっぱい出てきてすごかったよ。

 くぅ~、実際に見てみてぇ」

「直さん、あれマンションの人は結構調子の悪かった人がいましたからね。

 遊びであんなことされたらみんな困るんですよ?」

「そうだよね。美亜ちゃん、ごめんごめん」


 エレベーターの幽霊はもうとっくに解決して幽霊は集まってこなくなったって。幽霊は防犯カメラに映らなくなったし、住んでる人の具合も良くなってるそう。

 犯人は特定されて、それなりに責任を取らされたとか。心霊現象だから刑事事件にはならなかったみたいだけど。


「そういえば小林さんのお父さんはどうなったの?」

「京子さん、何それ?」

「心霊現象じゃないよ。『群発頭痛』って病気。

 病院に行ったけど時期が終わってるから具体的に分かってないよ。でも頭痛外来の先生が群発頭痛だろうって。一応痛み止めの薬を出してもらって、来年時期が来る前にまた受診するって」

「来年落ち着けばいいわね」

「心霊現象じゃないのかぁ」

「でも、毎年亡くなった娘の命日の前後に強烈に頭が痛くなったら、心霊現象って思いたくもなりますけどね」


 直おばさんもうんうんと頷いてる。

 亡くなった娘さんがどう亡くなったかは、私達は知らないような気がするんだよね。恨まれるような亡くなり方じゃなかったら、小林さんのお父さんの思い込みが激しいだけだけってことになるんだけど。

 でも、逆に言えばそれだけ娘さんが大事だったんだろうな。


「英子、向こうで英子のお父さん達がやってるのって何?」

「ああ、あれ?昭和の時代のボードゲームだね。ガンダムとかのロボットの戦闘シミュレーションゲームだよ。データは比較的新しい作品のだけど」

「なんでそんな骨董品が?」

「パパの親友のおじさんの持ち物だったんだって。パパとかうちの大伯父さんも高校時代に散々遊んでたらしいけど、物持ちいいよね?」

「いや、未だにそれで遊んでる人がいるのが凄いよ。」


 咲良ちゃんは珍しいものを見るようなキラキラした目でパパ達がゲームをしているところを見てた。

 私達家族には珍しくもない風景なんだけどね。


### 続く ###


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