表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/126

第15話-1 水着を買いに1

この物語は当然フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

オカルトなどの内容についても、世間での通例の解釈でないこともありますのでご了承ください

 合宿から帰ってきて数日後……

 女子バスケ部の部員はみんな未だに宿泊施設女の子の幽霊のことを気にしていた。特にキャプテンは心配なのか上の空で、練習に身が入っていないのがよく分かる。

 心霊スポットとして有名な宿泊施設で恐怖体験をするだけなのかと思ったら、座敷わらしのような女の子の幽霊がバルーンアートやぬいぐるみで遊ぶ光景にみんな心が温かくなってしまった、キュンって感じに。

 結局帰る時にはまたここで合宿しようということになった。


 咲良ちゃんが撮った心霊映像恐怖バーションとほのぼのバーションの2種類は動画サイトにアップされ、急激に再生回数が増えて、ちょっとした収益が部に入ってきた。

 今後も女子バスケ部で起きた心霊現象は動画にしてアップすることになった。どれほどの収益になるか分からないけど、いくらか部費の足しになればということで。

 本来ならバスケの練習講座や試合の解説みたいなのアップすべきなのかもしれないけど、それだと部員が晒されることになるからみな嫌がったんだよね。




 そして次の日曜日、夏休み中に行くプールのために水着を買いに行くことになった。

 直くん達男子は学校指定の水着でもいいかもしれないけど、女子はスク水は可愛くないから恥ずかしい。マニアな人には受けるかもしれないけど直くんにはそんな趣味はないから。

 可愛い水着姿を見せたいよね、みんなも。


 みんなと駅前で待ち合わせ。

 駅前や東の繁華街のショップで水着を買ってもいいんだけど、今日はちょっと離れた所にある大きいショッピングモールに行くことになった。

 水着以外にも服を買いたいし、フードコートでいろんなスイーツを食べたいから。


 で、今私と美亜ちゃん、大ちゃん、直くん、そしてパパとママがいる。

 元々一緒に行く予定じゃあなかったけど、急にママがパパに一緒に行こうっておねだりしてこうなってる。向こうでは別行動するって言ってたけど。


「正直くん、バスでショッピングモールに行くって高校の時以来だね」

「そうだね、京子さん。あそこが出来た頃はバスでみんなと行ってたね。今は車で行っちゃうけど、たまにはこういうのもいいね」

「ほんと、高校時代を思い出すね」


 パパとママが高校の頃を思い出しながらイチャイチャし始めた。ま、いいけどね。私は直くんと手を繋いでほどほどにくっついてるし。

 美亜ちゃんは大ちゃんの隣にいるけどまだ手を繋いだりはしてない。大ちゃんが勇気を出してれば手を繋いだり腕を組んだり出来るのに。パパ達を見習って欲しいね。


 しばらく待ってると咲良ちゃん達が来た。いつもの勉強会メンバーで買い物に行くことになってる。

 けど、委員長がまだ来てない。大ちゃん曰く迷ってるか何かトラブルに遭ってるんだろうって。

 委員長、河合くんは動物に嫌われる呪いをかけられてるらしいけど、方向音痴の呪いもかけられてるのかな?駅なんか何度も来てるはずなのに。トラブルに遭うってのは初耳だけど。


『あやつは動物の呪い以外はないはずじゃ。天性の方向音痴なんじゃないかの。何か面倒事に遭うのは動物の呪いの影響かもしれんが』

『動物の呪いなのに?』

『人も動物じゃろ?たまに相性の良くないと面倒事になるんじゃろ』

『へぇ~』


 神ちゃんと話してたら委員長が走って来た。ゼェゼェ言ってる所を見るとかなり走ってたよう。

 何でそんなに走ってるの?


「悪い、遅くなった」

「大丈夫だ。女子達もちょっと前に来たばっかりだ。そんなに遅くなってねえよ」

「いやあ、犬が追いかけてきてさ。飼い主さんの手を振り払って来たみたいだから、なんとか捕まえて飼い主さんを探してたんだよ。

 すぐに見つかったけど、犬がぶつかってこようとするから大変だったよ」

「相変わらずだな。親切なのはいいけどさ」


 やっぱり動物の呪いのせいで遅れたみたい。

 それでも犬の飼い主を探してあげるのは優しいのかお人好しなのか……




 さあ、みんな集まったからショッピングモール行きのシャトルバスに乗りましょう。

 パパとママは2人離れた席に座って子供だけで楽しめるようにってしたみたいだけど……実際は2人でイチャイチャしたかっただけみたい。

 そういえばシャトルバスでショッピングモールに行くのは20年ぶりぐらいって言ってたなぁ。

 私は直くんと、美亜ちゃんと大ちゃんと座るようにして、委員長が女子に挟まれるように一番後ろの席に座ることになった。ちょっと居心地が悪そう。


 しばらくバスに乗っているとショッピングモールが見えてくる。

 市街地から離れ、山間部のちょっと開けた平地に20年ほど前にショッピングモールは建てられた。

 時々改装しながらお店が入れ替わり、今もこの辺りではよく服などを買いにくる場所として賑わっている。

 ここ数年は何回か家族+直くん、美亜ちゃんと来ている。そして、ママが美亜ちゃんのコーデを選ぶのを楽しんでるんだよね。


 でも、今回始めて友達とだけで回るんだよね。みんながどんな水着を選ぶのか気になるなぁ。際どいのとか露出が多いのとか選ぶのかな?

 ということで、パパとママと別れて水着を売ってるショップを回ることにした。私は直くんと手を繋いで。

 みんなはいつも通りだなぁと、呆れたり羨ましいかったりといった顔で見てる。


 まず手近な買いやすい値段のショップにまで来て、中には私達女子と直くん達男子で分かれて入る。流石に男子の直くんにまじまじと見られるのは恥ずかしいし、直くん達も女子向けの水着売り場にいるのは恥ずかしいみたい。

 咲良ちゃん達は居てもいいのにって言ってたけどね。




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

大輝Side

 俺達は男性用の水着売り場に移動した。流石に女子が行った女性向けの売り場に行くのは恥ずかしい。

 ほとんど下着と変わらない水着は見るのもやっぱり恥ずかしい。水着なんだから見ていいはずなんだけどな。


「直樹、潤、どんなのにするんだ?」

「ここにあるのは大体、ロングトランクス、サーフパンツ、ブーメランだけど……」

「ブーメランはやだな。後、肌にフィットしすぎてるのも」

「それだとサーフパンツしかねぇだろ、潤」

「やっぱそれしかないよな。じゃあ、どれにするかなっと」


 直樹も潤もサーフパンツを見始める。ブーメランは論外だが、ロングトランクスもぴっちり張り付いて、女子の水着姿、特に三条さんの水着姿を見るとアレが目立ってしまいそうだからこれもダメだ。

 サーフパンツ以外あり得ないよな。


 俺もサーフパンツを見ていくけど、派手なのよりは落ち着いた感じがいい。

 無地とかラインが入ってる程度で。派手な柄物は個人的に好みじゃない。


「なあなあ、これにしようぜ」

「どれだよ」

「これ。サイドにラインがあるだけで、色が量産型ザク、シャアもしくはジョニー・ライデン専用、グフの3色」

「潤、確かに色はそれらしいが、ただの薄いくすんだ緑と赤と青だろ」


 狙ったカラーリングなのか、それっぽい色の水着がある。それ以外にも白、青、赤のトリコロールカラーや黒に紫のラインのもある。流石にサーモンピンクのはないけどさ。

 特にコラボ商品ではないようだけど、色だけじゃあ著作権とかないんだっけ?


「いい感じに近い色だよね。これで合わせようか?」

「じゃあ、大輝が赤で、直樹が青でいいだろ?」

「いや、俺が緑で、直樹が赤、潤が青でいいだろう。派手な赤より緑の方がいい」

「相変わらず目立ちたがらないよな、大輝は」

「これ以上目立つ必要はないよね、大輝は。三条さんだけに目立てばいいんだし」

「そっか、そうだよな。

 っていうか、さっさと告れよ、ヘタレが。絶対OKしてくれるって」

「そんなの分からんだろが」


 そんな気はするけど、実は違って振られたなんてことになったら立ち直れない。

 あんなに可愛い三条さんなら俺よりもっといい男、阿部先輩みたいなのが好きなのかもしれないし……

 もしくは父さんくらいの落ち着いた男が好きかもしれない……

 余計なことをいうから悩むだろ。


 結局、他にこれといってピンとくるものがなかった。

 派手な柄物じゃないし、さっきのジオンのMSを意識したような色の水着を3人で揃えることにした。


### 続く ###


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ