第13話-1 1学期終業式1 打ち上げの前に打ち合わせ
この物語は当然フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
オカルトなどの内容についても、世間での通例の解釈でないこともありますのでご了承ください
三者面談も終わり、短縮授業の間は部活をいつもより長く練習出来た。
次の大会に向けて、スタメンの3年生と組み合わせを替えての連携や他の1年生のスキルアップを行っていった。
私も美亜ちゃんもすでに主戦力として数えられてるから、いろんなフォーメーションに慣れるべく集中的に3年生と組んで練習していた。
それに夏休みも初日から合宿なので楽しみだったりする。
そして、1学期終業式の日……
中学時代と変わらず教室に集まってから体育館へ移動。そこで終業式をする。
明日から夏休みだけど私達は女子バスケ部の合宿だ。咲良ちゃんが「出る」所に泊まると言ってたことを考えてると、いつの間にか式が終わっていた。
校長先生の長いつまらない話がほとんどだし、後注意事項だから毎年あまり代わり映えしないから聞いていなくても関係はないかな。
終業式も終わって教室に戻るけど、ホームルームも夏休みの過ごし方や注意事項、宿題の説明くらいで、後は通知表をもらえれば終わり。
時間が余って雑談となったが、危ない所に行かないようにと過去の事例を話してた。特に夏だからエッチな事や心霊スポットには気をつけるようにと言われた。でも、心霊スポットには明日から行くんだけどね。
そしてチャイムがなりホームルームが終了。これで解散となった。
この後は試験勉強をしたみんなとファミレスに行くんだけど、その前に女子バスケ部の合宿の打ち合わせがあるから待っててもらう。
美亜ちゃんとバスケ部員じゃないけど咲良ちゃんと打ち合わせをする教室に移動する。
2年生の教室に移動中先輩達とすれ違うけど、男子の先輩が美亜ちゃんや咲良ちゃんのことを可愛いなとか言ってるのが聞こえた。美亜ちゃん達が可愛いのは確かだけどね。
指定された教室に行くと、残ってた人が先生に強制的に追い出されてぶーたれてた。そりゃあそうだよね、休み前にもう少し話してからと思ってたんだろうから。
女バスの部員が続々と入ってくれば、流石に出ていかざるを得なくなっていなくなった。
集まったところで顧問の先生の説明が始まる。
「みんな集まったな」
「はい。1人知らない子がいますけど」
「ああ、それはいい。じゃあ説明を始めるぞ」
「「「「「はい」」」」」
合宿は電車とバスを乗り継いで行った先にある湖にそばの廃業した旅館に2泊3日で泊まることになってる。そこの自治体で管理して貸しているとか。
見晴らしがいいので人気の物件だそうだ(ただし、格安だが)。
練習場所は近くの体育館を借りている。2日目には近くの高校との練習試合を組んでいる。レギュラーだけでなく、1年生主体の試合も組んでるから頑張るようにと言われた。
「集合は駅前に朝7時。遅刻しないように。遅刻したら自分で合宿場所まで来い。
行き方と住所は部活の共有チャットに上げておくから見てくれ」
「「「「「分かりました」」」」」
「まぁ、バスの本数が少ないから遅刻したら大変だからな」
「「「「「え?」」」」」
仕方ないよね。結構田舎の方みたいだからバスの本数が少ないなんて普通のこと。みんな遅刻しなければいいだけだよ。
「宿泊施設は自炊で掃除も自分達でやることになってるからな。
料理の出来るやつは?」
私と美亜ちゃん、後2年の先輩1人が手を挙げた。17人中3人だったよ。
「今年は全然マシか。前に合宿した時は誰も出来ない状態だったからな。
1年の服部と三条はどのくらい出来る?」
「私は和洋中華の家庭料理程度は普通にこなせますけど」
「私は英子のお母さんに習っている最中で、家庭でよく作る料理なら問題なく出来ます」
「はぁ、先生より出来るのかよ」
「おい、先生だってな先生だってな……頑張れば出来るよ」
「それで一昨年の合宿、食事が大変だったじゃないですか……」
「「「「「そうそう」」」」」
そうなんだ。でもカレーくらいは作れると思うんだけどな?それも失敗したとか?
後は、最悪ホットプレートでも持ち出してBBQにすればなんとかなると思うんだけどってぼそぼそ呟いてたら……
「それすらダメだったんだよ」ってお手上げポーズをしながら語ってくれた。
「そこ、うるさいよ。
とにかく食事は服部と三条中心に作ってもらうから。食材のリストはこれだから、見て他に欲しい野菜とかあれば言ってくれ。肉はしっかりといいのを調達してるぞ。
調味料も大体揃ってるけど必要な物があれば持ってきてくれると助かる。レシートを出してくれれば支払うから」
「分かりました。これからチェックしてみます」
「お昼は仕出し弁当を頼んでるから、朝と夕方はよろしく。
それから掃除は調理班以外がやる事になるからな。お風呂は温泉が引かれてるから綺麗に洗えよ」
「「「「「はい!」」」」」
温泉かいいなぁ。どんな泉質なんだろう?楽しみだなぁ。
でも、綺麗にしないと雑菌が繁殖して具合が悪くなるから、しっかり清掃してもらわないと。
「後最後に、一番後ろにいるのは新入部員じゃなくて今回の合宿の手伝い要員だ。」
「服部さんと三条さんと同じクラスの橋本咲良です。先生の従姉妹なんでよろしくお願いします」
「こき使っていいからなぁ」
「すみませんがほどほどにお願いします」
事前に聞いてたけど本当にやるんだね。掃除なんかをやってもらわないといけないし、体育館の方でドリンクを作ったりもしてもらえるかな。
洗濯はしないからそんなにきつくはないはず。
ただ……事故物件である事を先生からはまだ公表されていない……
今知ってる人は私と美亜ちゃん、咲良ちゃんに先生の4人だけ。どうなるのかな。
「先生、食事のメニューですけど決めました。
1日目の夕食はキーマカレーにして、ご飯、パスタ、うどんにかけるようにします。お米もパスタも乾麺のうどんも大量にあるのでちょうどいいでしょう」
日持ちもするし、レトルトなんかと合わせればどうにかなるからかな、大量に準備してあるのは。
後、ジャガイモやニンジン、玉ねぎは近所の農家さんの提供だって。
「2日目の朝食フレンチトーストにサラダにしようかと。レタスやジャガイモが結構あるし、肉が足りないならカリカリベーコンでも付けますけど。
食パンはダブルソフトでお願いします。普通の食パンでもいいですけど」
食パンも大量に準備することになっていたけど、食パンにジャムやバターを塗って食べさせて牛乳飲ませとけってつもりだったんだと思うけど。
結構雑なんだけど、私達がいなかったらブーイングの嵐だったろうな。
これが3年の先輩達に聞こえたのか「おおお、神だ」とか言って私を崇め始めた。なんでしょうね?
「2日目の夕食はしゃぶしゃぶにしようかと思います。豚肉とレタスをメインに、ネギやキノコなどの野菜を茹でるだけでなので。タレはポン酢やゴマダレとかをとりあえず準備すればいいかな?
先生、お肉は良い肉より豚肉でしゃぶしゃぶ向けのをなるべく多く買ってください」
大根と鷹の爪でもみじおろしを添えておいて、途中味変すればいい。
レタスもネギもキノコも近所の農家さん提供してもらえるみたいだから、お肉以外でもお腹いっぱいになるよね。
「お肉、お肉、お肉」ってみんな言ってる。
でも、ちゃんと野菜も食べないとね。豚肉は疲労回復に効果があるけど、レタスもいろいろ効能があるからね。
「3日目の朝食はパン粥にオムレツ、サラダって感じで。
パンを大量に買うみたいだからちょうどいいでしょう」
「……お店の朝食みたい……」
「こんな合宿、夢のようだよ。服部がもっと早く入学してればあんな悲惨な合宿はなかったのに」
「今回も諦めてたのに……神は見捨てなかった」
そんなに喜んでもらえるとは。そんなに大した料理ではないんだけどなぁ。
まぁ頑張って作りましょうか。
これで打ち合わせが終わったけど、3年の先輩から神とか天使とか言われてしまいました。いいのかな?
同じ1年の子達からも「よろしくね」って。特にやっかまれたりはなさそうで良かった。
食材の確認を先生と美亜ちゃんとして、これで終了となった。
先生からも「お前達がいて良かったよ」って言われてしまった。
向こうで咲良ちゃんが笑ってる……
### 続く ###