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第02話 とある日曜日 (登場人物紹介のような回)

この物語は当然フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

オカルトなどの内容についても、世間での通例の解釈でないこともありますのでご了承ください。


 こっくりさんを教室でした次の日。

 日曜日の午前中は特に出かける予定もないから家でみんなゴロゴロする。ニチアサの番組を観てから恒例の心霊動画の真贋品評会となる。心霊動画の新作がレンタルDVDに入荷したから。



「美亜ちゃん、直くん、いらっしゃい」

「「おはよ」」


 美亜ちゃん……三条 美亜。中学の時からの私の親友。同じクラス。

 私と違ってちゃんと霊感がある子。家が神社で、手伝いで巫女さんをしてたりして、その姿が超可愛いです。

 見た目スレンダーでちょっと背が高めで、実は結構お胸が大きいです。うちに泊まりに来た時に何度も確認しました。

 勉強もスポーツも出来て、いつも私の勉強に付き合ってくれるんだよね。

 そして、将来の私の義姉になる予定。私の兄、大輝 大ちゃんが好きなんだ。


 もう一人、直くん……宮崎 直樹。私が生まれたときから一緒の幼馴染。私の大好きな男の子。直くんも同じクラス。

 パパとママの親友、宮崎おじさんおばさんの子供。おじさんもおばさんも忙しい事が多くてうちによく泊まりに来てて、小さい頃は曾祖父さんの所にも一緒行ってた。

 美形で背の高いおじさんとおばさんの息子らしく背も高くて格好いい。みんなイケメンって言うけど、その辺はよく分からない。

 美亜ちゃんと同じく勉強もスポーツも出来て、今は男子バスケ部で期待されてるんだって。

 パパの弟子で料理とかサッカーやバスケを大ちゃんと一緒に教え込まれてるんだよ。だからパパもママもおじさんもおばさんも私と直くんを結婚させたいと思ってる。私も直くんも多分結婚するつもりでいるんだけどね。



 2人をいつものようにリビングに案内した。

 パパは借りてきた有名心霊動画のDVDをセットして準備してる。

 テーブルにはパウンドケーキや大福、団子や飲み物等をところ狭しと置いてある。パウンドケーキはパパのお手製だよ。よく作ってくれるんだ。


 テレビの正面は直くん、私、美亜ちゃん、大ちゃんの順に並んで、横にはパパの膝にママが座ってくっついて観てる。いつも仲が良い。


「パパ、ママを膝に乗っけてて重くないの?」

「英子!ママは重くないわよ」

「ははは、重くないよ?学生の時と変わらないよ、軽い軽い」

「正直くんったら、もう」


 相変わらずラブラブです。学生時代からこんなことしてたの?

 男バスの顧問の先生情報でもそんなこと言ってたしなぁ


 パパ……服部 正直。

(「お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか」の主人公)

 IT関連の会社に勤めてます。料理やサッカー、バスケ、コンピューター関係が得意。料理でママとおじいちゃん、おばあちゃんの胃袋を掴んで、高校卒業の日に結婚したとか。

 うちの高校にいろいろ逸話を残してるんだって。


 パパの膝に座ってるのがママ……服部 京子。旧姓:岡田

(「お家デート?いえ、彼女の家で僕は料理を作ってます、なぜか」のヒロイン)

 おじいちゃんと葛西さんの事務所の事務員をしてる。事務仕事はパパがいろいろ手を加えててかなり楽になったとかで、最近は秘書的な仕事もしてるって。

 それに家事もしてるから大変だ。前はおばあちゃんも手伝ってたけど、今は私と美亜ちゃんが手伝ってる。料理はパパの料理の方が美味しいけどママの料理も美味しい。高校生の頃からパパに習って出来るようになったって言ってた。




 今日のDVDは「本当にあったかもしれない呪いのビデオ203」。

 小さい頃から観ているシリーズでたまに本物があるから面白いんだよ。


 流し始めると偽物だけど怖がらせる動画が流れる。そんなのが何度も連続で。


「きゃあ~!きゃあ~!」


 ママはこの手の動画は怖くてきゃあ~きゃあ~言いながら、いつも通りパパにしがみついて観てる。これもイチャイチャなんだろうか?私にはできないんだろうなぁ。

 私と大ちゃん、直くんは小さい頃から観ていて、ある意味英才教育を受けてるから全然怖くもなんともない。特に私には神ちゃんが取り憑いてるし、何も心配はないから。


「パパ、これって偽物だよね?」

「そうだと思うよ。山田達がこんな仕事をしてるのを見せてもらった事があるしな」

『そうじゃな、偽物だぞ』

「儲かるの?こんなの」

「どうだろな。そんなに力入れて作ってないって言ってたから、コスパは悪くないんじゃなかな?」


 将来的にこんな動画を作って売った方が儲かるのかな?それともWeTubeで神ちゃんと組んで本物を流したら視聴数稼げそう?

 その方が儲かるかな?

 神ちゃんと美亜ちゃんで組んでやれば……成功するよね?



 その先も別の心霊動画が流れていく。ほとんどは偽物で、中には本物もあったけどそれは大して怖くはないものだった。

 しかし……最後に本物が、しかも結構ヤバい奴が流れた。どこかの墓荒らしをしてる動画で、荒らしてる奴の回りを突然何かが7体現れ囲んだものが……


『7人ミサキの類かの?』


 美亜ちゃんはかなりビクッとしながら観てる。美亜ちゃんがビクッとしてる時は大体本物の心霊動画だったりするんだけど、今回はそのビクつき具合が半端なかった。

 あまりヤバい動画っぷりに美亜ちゃんが大ちゃんにガバっとしがみついた。

 大ちゃんはあまりにしっかりしがみつく美亜ちゃんに大慌てだった。美亜ちゃんの柔らかい出てるとこが大ちゃんの身体にポニョンと当たって、顔が一気に真っ赤になっていた。

 その時の大ちゃんの慌てた顔が凄く見ものだった。直くんも苦笑してた。


 大ちゃん……服部 大輝。私の双子の兄。やっぱり同じクラス。

 直くんと親友というか兄弟のような間柄。私とは兄だけど同格、でも一応妹として面倒を見てくれる。

 私より成績が良くて、スポーツも得意。サッカー部に入ってるけどバスケも上手い。パパの影響だと思う。よく大人に混じってフットサルやバスケやってたもんね。後、料理も教え込まれてて、ママの代わりに作ることもあるんだ。

 そして……実は美亜ちゃんが大好きなんですよ。早くコクらないものかと神ちゃんと見守ってるんだ。


「7人ミサキ?」

『7体で現れる祟り神みたいなもんかのう。自分達が成仏するために呪い殺して入れ替わっていくんじゃ』

「なんで呪われるの?」

『いろいろな話がある。その動画に出てくる奴がなんで呪われるようになったのかは分からん。たまたま行き当たる事もあるらしいからな』

「それ怖いんですけど」


 そんなの怖すぎる。私は神ちゃんがいるからなんとかなるのかもしれないけど、美亜ちゃんとかはどうなるか分からない。

 美亜ちゃんとは中学の時にたまたま心霊現象に行き当たってしまって、その時私達が助けたのが縁で今一緒にいるようになったから。

 もうそんな事が起きないで欲しいけど、いつまた起きるかと思うと怖いよ。


「美亜ちゃん、大丈夫?あと、大ちゃんも」

「なんとか大丈夫。動画だから今直接ここにいるわけじゃないし」

「あんまり大丈夫じゃない。三条さんの柔らかい所が当たってたから我慢出来なくなりそう」

「ははは、大輝も男なんだな」

「うるせぇ」


 美亜ちゃんが真っ赤になってて可愛いなぁ。大ちゃんはなんかエロいこと考えてるし。

 でも、こういう事に敏感な美亜ちゃんが心霊動画にあてられて具合が悪くなってないならいい。具合が悪くなったら神ちゃんに出てきてもらうけどね。


「美亜ちゃん、具合が悪くなったら言ってね。英子の中の神ちゃんに頑張ってもらうから」

『神使いが荒いのう』

「英子のお母さん。皆さん、何でそんなに神様を受け入れてるんです?」


 そこは私も気になる。普通マンガなんかだと気味悪がるよね。


「それはね、元々正直くんが小さい頃から何度も神隠しにあってたらしいし、私と葛西さんも気に入られたのか神様の声を聞くようになったのよね。何度も聞いてるの。

 英子達が生まれて5歳頃に正直くんがまた英子達と一緒に神隠しにあってね。それ自体は気にならなかったけど、その時に神様が英子に降りちゃったのよ。びっくりしたわ、その時は」

「英子のお父さん自体が神隠しに頻繁に遭うほど、神様に気に入られていたってことですか……」

「予兆はあったしね。正直くんも気にしてないし、悪い事もしないから」


 それで普通に付き合ってられるって、ママは精神的に強いんだなぁ。そうじゃなきゃ私ってグレてたかも?

 パパも神様とかオカルトに耐性あったんだろうな。パパとママの娘に生まれて良かった。




 心霊動画のDVDも見終わり、お昼を食べる。休日はパパの料理が食べれる。凄く美味しいんだよね。

 今日はサンドウィッチだって。具が照り焼きチキンだったりタマゴだったりいろいろ作ってくれた。私はポテサラサンドが好き。


「午後はみんな美亜ちゃんの神社でバイトだったよな。サンドウィッチたくさん作っておいたから、美亜ちゃんのお父さん達に持っていってあげて」

「ありがとうございます、正直さん。お父さん達もいつも楽しみにしてるんです。何かお礼をしたいって言ってるんですけど、何がいいですか?」

「いいよ。好きで作ってるだけだから。みんなが喜んでくれればそれだけで嬉しいよ」


 そう、今日の午後は私達、美亜ちゃんの神社でバイトをするの。

 私と美亜ちゃんは巫女服を着て、社務所でお守りや絵馬、おみくじを授与してる。

 前にたまたま急にお手伝いすることになった時のお守りや絵馬で凄くご利益があったとか反響があって、それから頼まれて月2回程バイトをしてる。毎回参拝者が多くてお守りとかもいっぱい出るようになったって美亜ちゃんのお父さんが喜んでた。


 大ちゃんと直くんは社務所横にある茶店(ちゃみせ)風のカフェで神職服を着てウェイターをやってる。ちょっとしたコンカフェ状態。私達と同じ日にバイトのシフトが入るようにしてくれてる。私達の事が心配だから。2人共学校で人気があるようにカフェでも人気。特に年配のおばあちゃん達から人気で孫の婿にと言われることが多い。

 時々社務所とカフェの人員を入れ替えて組み合わせを変えたりもするよ。

 参拝に来る人が年配の方だけでなく若い人も増えたって美亜ちゃんのお父さんが更に喜んでた。


 今日も年配の方から若いお姉さままでいっぱい来てくれた。特にカフェにお客がいっぱいで厨房に大ちゃんが入ってフォローし、美亜ちゃんがウェイトレスに入って、私が社務所の方の残って参拝者にお守り等を授与してた。


「お疲れ、英子ちゃん。はい、ミルクティー」

「お疲れさま、直くん。ありがとう」

「こっちはどうだった?」

「参拝者さんが多かったけどみんな待ってくれたから何ともなかったよ。直くんの方は?」

「問題なかったのなら良かった。カフェは大輝が厨房に入ったし、三条さんがホールの方を手伝ってくれたから」


 大ちゃんも直くんも厨房で調理が出来るから、カフェの運営をしてる美亜ちゃんのおばさんが予想以上だったって喜んでた。厨房も出来るから少しくらい忙しくても今日みたいに調整すれば対応できるから。

 そして……特に美亜ちゃんのお父さんは大ちゃんを気に入ってるみたい。美亜ちゃんと好みが一緒で良かったよ。


 3時間程バイトをして今日は終了。

 この後は4人で駅前に買い物に出かけるよ。春物の服を買いに行くんだけど、直くんに見立てて貰うんだ。

 その後はパパとママと合流して夕飯をみんなで食べる予定。


 今日も美亜ちゃんや直くんと遊べて楽しかった。

 明日からまた学校だけど、もうすぐゴールデンウイーク。バイト、みんなで釣り堀に出かけるんだけど、もう一つどこか出かけたいな。


次回は3日に間の休みを取って、4日が日曜日なので、5日に更新となります。

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