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第10話-3 フットサル3

 フットサルも午前中2試合終えて、早めのお昼ご飯になった。

 ちょうど近くの公園で食べようと移動を始めたところで小林さんがワンコを連れてきた。


「おはよ、小林さん。ワンコ可愛いね」

「おはよう、服部さん、三条さん。ついでに橋本さん」

「私はついでか!」

「もうフットサル終わったの?」

「まだ終わってないけど、早めにお昼にしてるの」

「タイミング悪かったなぁ。また後で来るよ」

「一緒にお昼を食べようよ。余分にいっぱい作ってるから大丈夫だよ」


 ということで小林さんも無理矢理お昼ご飯に誘い、公園に向かってみんなで移動した。

 近くの公園は昔から芝生が植えられていて、パパやママが高校時代にもここでお昼を食べてたんだって。


 芝生の上にでっかいレジャーシートを敷いて、作ってきた料理を広げてみんなで食べ始める。

 今日のお弁当には、おにぎりやサンドウィッチ、唐揚げ、卵焼き、キィッシュ、春巻き、餃子をかなりたっぷり作ってきた。大ちゃんや直くん達育ち盛りの男子4人がいても大丈夫なくらい。

 他にもパウンドケーキやフレンチトーストなんかも作ってきてる。疲れた身体には甘い物が必須だもんね。


「「服部、いつも悪いな。お昼作って来てもらって」」

「今日は6人で作ってるからそんなに手間じゃないよ。三条さんも料理が上手いから助かってるよ」

「大輝の嫁候補か?で、どうなんだ?」

「大輝が頑張ればな。あいつ次第だな」

「宮崎んとこの直樹は素直に言葉にしてるんだろ?大輝も岡田さんみたいに素直に告ればいいのにな」


 パパ達男親グループが離れて大ちゃんのことを話してるみたい。

 パパ達にもバレてるんだよね。だから早く……ねぇ?


「服部さん、いつも美味しいお昼ご飯ありがとね」

「いいのよ、みんな好きで作ってるし。私も将来の大輝のお嫁さんと料理が出来て楽しいしね」

「京子はいいよな。うちの直樹の嫁はあたしより料理が美味いんだよ?教えることないよ」

「直樹くんも料理が上手いからいいんじゃない?」

「うちの輪も料理くらい出来るようになってくれるといいんだけどなぁ」

「うちの子供達は正直くんの料理をする姿を見て育ったからね。みんな魔法みたいって言って始めたんだよね」


 ママ達は子供の将来のお嫁さんやそのお嫁さんと料理したいとか言ってる。

 ママが言ってる大ちゃんのお嫁さんは美亜ちゃんだし、直くんのお母さんが言ってるお嫁さんは私のことなんだけど。

 料理が出来るって言っても直くんの家の味が出せるわけじゃないから、教わることはいろいろあると思うんだけどなぁ。


「英子、このキッシュ美味しいよ。どうやって作ってるんだ?」

「今日のは数作ったから冷凍のパイ生地使ってるけどね。

 後はベーコン、粗みじんの玉ねぎ、茹でたほうれん草をバターで炒めて塩こしょうで味付けして、空焼きして卵黄を塗ったパイ生地に乗せてチーズをばらまいて、卵、牛乳、生クリーム、粉チーズ、塩こしょうで卵液を作ってパイ生地に流し込んで焼けば出来るよ。

 そんなに難しくはないよ」

「聞けば簡単そうに言うけど、実際作ると違うよね?橋本さん」

「そうだそうだ」

「え〜、落ち着いて作れば、本当に難しくないって。小学生の頃に教わって作ったよ?美亜ちゃんもすぐ出来るようになったし」

「「流石服部家」」


 そりゃあ一回で美味しく出来るとは言わないけどね。後は何回か作れば美味しくなるよ?

 他の料理もそうなんだけど、慌てたりしないで落ち着いてゆっくり作ればそんなに難しくはないんだけどな。


「英子ちゃん、この唐揚げ美味しいです」

「ああ、その唐揚げは直くんが作ったのだよ。美味しいよね?」

「……くっ」


 どうしたんだろう?輪くん。なんか悔しそうだけど。

 それに直くんを睨みつけてるけど、唐揚げに何か紛れ込んでたのかな?


『美亜、あれってもしかして?』

『そうなのよ、咲良。無自覚に輪くんの想いをぶった切ってるから、英子は』

『あの子、可哀想にね』


 美亜ちゃんと咲良と小林さんがこそこそとなんか話してるけど。どうしたんだろう?

 まあいいか、私は直くんに卵焼きをあ〜〜んしてあげた。


「直くん、私の作った卵焼き、美味しい?」

「うん、美味しいよ。僕の好みの味付けだし、焼き加減も中央がちょっと半熟で最高」

「良かった。いい焼き加減にするの難しいよね。流石に全部同じには出来ないし」

「半熟になってなくても英子ちゃんが作る卵焼きは全部美味しいから」

「そう?ありがと」


 気付いたら回りがし〜〜んとして呆れた顔でこっちを見てる。

 え?何かした?

 輪くんは直くんを更に殺そうかってくらいの怖い顔で睨んでるし、咲良ちゃんと小林さんは「リア充爆ぜろ」とか言ってるし。

 美亜ちゃんは大ちゃんの方をチラチラ見ながら顔が真っ赤になってる。

 なんだろう?何か変なことしたかな?あ〜〜んしたくらいだよ?




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

美亜Side

 英子、こんな所であ〜〜んなんて……

 羨ましい。私も大輝くんにしてみたいけど恥ずかしくて出来ないよ、

 回りの英子や宮崎くんの両親すら呆れた顔をしてるんだけど。

 宮崎くんのお父さんと大戸さんが英子のお父さんに「流石お前の娘。高校時代を思い出すな」とか言ってる。

 英子のお父さん達もあんなことをいつもしてたのかな?

 いいなぁ。




◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁◁

英子Side

 そんな雰囲気もしばらくしたら落ち着いて、みんなあまりしゃべらずどんどんご飯を食べていった。

 どうしたのかな?特に輪くんが食べたらすぐにどっかに行っちゃった。


「英子、やり過ぎだよ。輪くん泣いてたみたいだよ」

「へ?泣かせるような事しちゃった?」

「「あ~~あ、小悪魔だよ、英子は……」」

「無意識にやってましたもんね、服部さん」


 わざとやったわけじゃないんだけどなぁ。

 家じゃやらないけど外だとちょっとテンション上がっちゃうみたいなんだよね、今日なんか特に外でピクニック気分だし。だから、直くんにあ~~んとかしちゃうけど。




 そのまま輪くんが戻ってこなくて、お昼休憩も終了して午後の部を始めることに。

 大戸さんの奥さんからは「輪のことは気にしなくていいからね。英子ちゃんは直樹くんと仲良くしててくれていいんだからね」って言われた。

 けどなんでなんだろう?


 私達の2試合目は大戸さんとのチーム。ちょうど輪くんもいる。向こうで直くんの呪い殺さんばかりに睨んでるなぁ。

 直くんを見ると苦笑いして片手で謝る様なポーズを取ってるんだけど。

 お互い礼をした後それぞれのポジションに散らばってスタートを待つ。


### 続く ###


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