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第06話-8 文化祭8 文化祭当日3 部活の出し物

 体育館に美亜ちゃんと直くんと向かった。大ちゃんは委員長 河合くんとサッカー部の試合をするグランドの方に行った、女子を引き連れて。

 それを美亜ちゃんが心配そうに見てたけど、大丈夫だから。大ちゃんはそんなのにたぶらかされないから。


 私と美亜ちゃんは更衣室に行って、瑛太大伯父さんに借りた衣装に着替える。衣装にはウイッグや必要なアクセサリーも入ってたけど、シューズは自前のバッシュを使う。

 履き慣れていないコスプレ衣装のシューズではケガをするかもしれないから。


「英子、どうかな?これで」

「うん、バッチリだよ。私のはどうかな?こういうの初めてだし」

「可愛いよ。いつもは巫女服ぐらいだもんね。こんな可愛い格好もいいね。宮崎くんが惚れ直すんじゃない?」

「そうかなぁ?えへへ」


 すでに着替えてるキャプテンとか先輩がコートにコスプレ衣装に着替えて待っていた。


「服部、三条、遅いぞ。もう何組か受付に来てるぞ」

「「すみません。教室の方が忙しかったんで」」

「教室の方もメイド服だったんだろ?いいなぁ」

「着たいなら頼んでみますよ。処分するらしいし、明日ならゆっくり着れますよ、多分」

「頼む、服部」


 そんなにメイド服が来たかったのかなぁ?ミニスカメイドが好きだったり?


 バスケのコートはそれぞれ半々のハーフコートで2組対戦出来るようにしてる。

 ゴールはストリートバスケに合わせて高さを下げてるよ。少し入れやすいようになってます。中学生くらいの子にも楽しめるように。


 1戦目は小学生の女子達が3人。私と美亜ちゃんの2人で対応する。

 私達が○リキュアの衣装だったのでご指名。

 当然女の子達が喜ぶように決めポーズでスタート。ボールは女の子達からで本気を出さないで、時々パスしてシュートさせてあげる。

 本気で試合してるわけじゃないから楽しんでもらう。決めゼリフなんかも入れたら女の子達も笑ってくれた。


 そんな感じでコスプレバスケを参加してくれた人に楽しんでもらう。


「服部、三条、良かったよ。これで将来あの子達がうちに来てくれると嬉しいな」

「そうですね。中学でもバスケやってくれるといいですね」

「そんなの気にしないで楽しんでもらえばいいんじゃないいですか。キャプテン、美亜ちゃん」

「まあな」


 他の組も楽しんでもらってるようでなかなか好評だ。となりの男バスの練習試合の対戦相手のチームもこっちを見てる。

 直くんがこっちに手を振ってくれたから振り返すと、対戦相手の選手に詰め寄られて何か質問攻めにあってるみたい。




 一般の人が多く見に来てくれてる中、前に練習試合に来た学校のキャプテン達が来た。


「あははは、佐藤、コスプレかよ」

「うるさいな、鈴木。こういうの着たかったんだよ」

「キャプテン、この衣装すごく出来がいいですよ。布地もかなりいいし。そこらのパーティーグッズレベルじゃないです」

「おい、どこで借りたんだよ。高かったのか?」

「服部の大伯父さんって人に借りたって、無料ただで」

「いいですね。キャプテン、うちも文化祭でこんなの着たいですよ」

「いいだろ?」

「ぐぐぐ」


 練習試合の対戦相手のキャプテンをうちのキャプテンが煽ってるみたい。

 でも仲がいいよね。わざわざ文化祭にも来てくれるし。そのうちまた練習試合をしてくれるかな。それで勝たないとあの子が成仏してくれないんだよね。


 キャプテンがちょいちょいと呼んでるから行ってみる。


「服部、衣装はまだあったよな」

「ええ、一応お客さん用に予備がありますよ」

「じゃあ、こいつらに着せてやって。それで3on3やるよ」

「へ?誰が出るんです?スタメンの先輩は教室の方に行ってますよ」

「服部と三条は次のお客さんは決まってないだろ?」

「佐藤、うちも私以外はスタメンじゃない奴らだからそれでいいよ」

「え〜、私達1年ですよ」

「余興だからいいだろ。負けるつもりはないけどな、鈴木」


 ということで期せずしてまた対戦となりました。

 うちのキャプテンもプリ○ュアシリーズの衣装ということで、相手のキャプテン達は○イカツ!の衣装を選んだ。あの衣装も可愛いのが多いよね。

 動きやすいミニスカの衣装が多かったからかも。


「いいね。うちの文化祭でも使いたい」

「うちだと伝がありませんから、別の企画を考えましょう」

「そちらの文化祭っていつなんですか?」

「9月の終わりにやるよ。多分試合とかやる予定だから来てくれると嬉しいね」

「う~ん、衣装は大叔父さんが処分するって言ってた物だから借りることは出来ると思いますけど?どうします?

 多分うちのキャプテンが笑いにいくことにもなると思いますけど」

「借りれるなら借りたい。佐藤が笑おうが文化祭を盛り上げられるならコスプレしたい」

「じゃあ相談してみますね。多分大丈夫だとは思いますけど」


 コスプレ衣装が借りれそうだからなのか、相手校のキャプテンは随分ウキウキしてる。もうノリノリって感じで。

 一緒に来ていた人も着てる衣装の出来の良さをいろいろ褒めてくれた。




 今回は3on3で10分の試合となる。相手はこの間の練習試合をした強豪のキャプテンとスタメンではない選手2人。スタメンではないと言ったって強豪の選手なんだから当然上手い。

 うちはキャプテンと美亜ちゃんと私。後なぜか並んでいる体育館の幽霊さん。こちらもなぜかプリキ○アシリーズのコスプレをしてる。


「美亜ちゃん……あの幽霊ちゃんが……」

「ぷっ!何でコスしてるの?」

『あいつも好きだったのじゃろう。随分やる気になっておるようじゃぞ』

「「え~」」


 さあ、相手チームのボールからスタートだ。

 先ずはマンツーマンでマークに付く。ボールを持っている相手キャプテンはうちのキャプテンが付いた。

 マンツーマンだとお互いの力が物をいうわけで、更にはいつもと違うコス衣装でのプレー。キャプテン同士の勝負ではうちの方がやや劣る。

 それでも抜かれる程の差はなく、私がマークしてる人にパスが来た。パスコースを潰しながらチャンスを待つ。

 しかし、流石は強豪校の選手、なかなか隙を見せないしスタミナのあるっぽい。バイオレーションが取れないからこのまま時間切れってことにもなりかねない。


 動きにくい衣装のはずだけどみんなよく動いてる。さて、どうしようか?


「お〜い、こっちに回せ」

「この子、やっぱり上手いですよ」


 そうかなぁ?パパや大ちゃん、直くんよりは下手なんだけど。


 マークしてた選手が苦し紛れに出したパスを美亜ちゃんがスティールした。

 すぐに私が2ポイントラインの外に出てパスを受けて、オフェンスに切り替える。ドリブルでゴール下に向かうけど、相手チームの選手が迫ってくる。

 しかし、美亜ちゃんがスクリーンになって、その裏を駆けてゴール下に入ってレイアップ。


  ゴーーール


 美亜ちゃんとプリキュ○の決めポーズをすると、回りから大きな歓声が聞こえた。直くんも手を振ってる。


「英子、ナイスシュー」

「美亜ちゃん、ナイススクリーン」

「やっぱりその子達うちに欲しかったよ。佐藤、ちょうだい」

「やだよ。うちの主力になる子達なんだからな」


 これで1ポイント先取。美亜ちゃんやキャプテンとハイタッチで喜ぶ。

 奇襲が成功しただけなんだけどね。まだまだこれからだよ。


 攻守が交代して相手チームボールでスタートラインから再開。向こうもスピードが重要だって分かって速攻で来た。先に美亜ちゃんが抑えに行って、私とキャプテンでパスコースを潰す。

 速攻は止められたけど、身長差を生かされジャンプシュートを決められてしまう。ただ、その代償として相手選手のミニスカが際どい所までめくれてしまった。


『『『『おおおおおお』』』』

「ん!」

「スパッツ履いてるんだから見えたって大丈夫だよ」

「キャプテンは見えそうになってないからそんな事が言えるんですよ」


 私のもミニスカだからジャンプシュートすると恥ずかしい目にあいそうだ。気をつけないと。


 お互いコス衣装のデメリットに気付いたようで、無闇にジャンプシュートは撃てなくなった。リバウンドも厳しいかも。

 今度はこちらのボールで再開。マークが付かれる前に速いパス回しでゴール下に切り込む。

 相手チームはゴール下でゾーンディフェンス。キャプテンがその隙間に身体をねじ込んでレイアップに持っていこうとしたけど、相手チームのキャプテンがブロックしてくる。

 しかし、キャプテンのレイアップはフェイントで、2ポイントラインにいる美亜ちゃんにパス。美亜ちゃんがそこからジャンプシュートを決めた。

 観客の男子が期待の歓声をあげるけど、美亜ちゃんの衣装は膝下まであるスカートだからふわっと広がっただけ。


『『『『ああ~』』』』


 残念そうな声に変わった。


 そこからはお互い点を取ったり取られたりで白熱した試合になった。

 10分経ったところで試合終了になったけど、同点で決着はつかなかった。

 コートの回りで見ていた観客から大きな拍手が贈られた。

 ちなみに体育館の幽霊ちゃんは勝てなかったけど、コスプレ出来て嬉しかったみたいでまだ興奮してる。


「くっそ~、勝てなかったか。これなら勝てるかと思ったのに」

「私以外スタメンじゃないったってうちで鍛えられた選手なんだから、簡単に勝たせるかよ。

 それよりもそっちの1年どんだけすごいんだよ。こっちの2人に負けないくらいだったんだけど」

「今年は無理かもしれんけど、来年はこの2人が主軸になって鈴木のとこに勝つからな」

「「キャプテン、ハードル上げるのやめて」」


 その後は相手チームの選手も手伝ってくれて、お客さんと1on1や3on3をやった。

 それ以外に小さい子と一緒に写真を撮ったりパスし合ったりもして遊んだ。大きく宣伝はしてなかったけど、意外に人が来てくれて嬉しかったよ。

 年下の子がこれでバスケを楽しんでくれて、キャプテンも言ってたけど将来バスケ部に入ってくれるといいなぁ。


 女バスの出し物は成功だったけど、隣で練習試合をやってた男バスの部員がまたスカートがめくれないか期待しながらこっちを見てた。

 顧問の先生が軽く頭をはたいて止めさせてくれたんだけど、女バスの部員からはしばらく軽蔑されていたんだよね。


### 続く ###


バスケの用語はストリートに合わせてあります。

1ゴールは2ポイントではなく1ポイントで、3ポイントではなく2ポイントです。

ゴールも入れやすいように少し低くなっています。それでもそれなりに高いですが。


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