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第06話-6 文化祭6 文化祭当日1 教室の出し物1

 大ちゃんが朝のバイトを済ませて、急いで朝ご飯を食べてた。

 私と直くんはもう準備を済ませて大ちゃん待ち。美亜ちゃんもそろそろうちに来ると思う。


「おはようございます」

「美亜ちゃん、おはよ。もうちょっと待っててね。大ちゃんが御飯食べてるから。

 美亜ちゃんはちゃんと朝ご飯食べた?」

「うん、食べたよ」

「じゃあ、はい、パウンドケーキ」


 今日は忙しくなるから多分カロリー不足になりそうだから、美亜ちゃんにパウンドケーキを食べてもらっとこう。

 昨日も学校に食材を持って行った後、パパはパウンドケーキを作ってくれてた。学校に持って行きなさいって。途中でお腹も空くだろうからみんなで食べれるように。




 大ちゃんの準備が整って学校に来たけど、まだ他の調理班のメンバーは登校していなかった。

 でも、家庭科室移動し、鍋など調理道具を準備し作り始めた。

 とりあえず午前中分足りる程度に作っておきたいね。午後は部活の方に行くから手伝えないし。


 カレー用に玉ねぎとニンニク、生姜のみじん切りを油を敷いた鍋に投入し、玉ねぎが十分柔らかくなるまで炒める。飴色になるまでに炒める時間はない。

 そこに鶏肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎのスライスを投入して炒め塩こしょうしていく。じゃがいもとにんじんはあらかじめ電子レンジである程度火を通して時短出来るようにしてある。

 炒めたらお湯を入れ、コンソメ顆粒を適量入れてからしばらく弱火で煮る。その後、カレールウを投入して溶けたらしばらく煮込んだ後冷ます。


 サンドウィッチのポテサラも、じゃがいもやにんじんはあらかじめ電子レンジである程度火を通す。じゃがいもはその後しっかり串が通るまで茹で、にんじんは玉ねぎと炒め塩コショウで下味を付ける。

 柔らかくなったじゃがいもは完全にマッシュにせず、少しじゃがいも感が残るようにしてる。

 炒めたにんじんと玉ねぎを混ぜ、塩こしょうとマヨネーズを適量入れ混ぜたら完成。

 タマゴサンドの方は堅茹でのゆでたまごをスライサーで粗みじんにカットして、塩こしょう、マヨネーズに和えるだけ。

 出来た具を人海戦術で食パンに挟んでからラップに包んで、重石を乗せてしばらく置いてからカットする。

 後は一皿分ごとラップに包んで冷蔵庫に保管。


 オムライスのチキンライスは、炊飯器に研いだ米と鶏肉、玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム、ケチャップなどの調味料、適量の水を入れて炊くだけ。


 これで大体準備OK。後は教室で温めたり、盛り付けたりして出すよ。

 後は休憩。みんなでパウンドケーキを摘みつつみんなで確認。この後の流れをみんなで話をした。



「これで必要な分だけ教室に持っていけばいいな」

「そうね。足りなくなる前に作ればいいわ」

「……服部くん達がいなくなった後は大丈夫かな?」


 やっぱり心配に思ってる人が多いな。ちゃんと作れるように練習したんだけどね。

 本番となると緊張してくるんだと思う。ダメだって言われたらどうしようかって。


「いっぱい練習したから大丈夫だよ。作り方のマニュアルも渡してあるし、落ち着いてやればいいから。みんな自信を持って」

「そうだよ。文句を言ってくるような客がいたら、河合くんが黙らせてくれるよ。

 それに服部家のレシピなんだから、まずいとか言うなら服部家に言いに行けって言ってやって」

「「「「「「あははは、だよね」」」」」」


 みんなも落ち着いたようだね。サンドウィッチは具をたくさん作り置きしてあるし、カレーは大鍋2杯分作ってあるし、チキンライスは2つ目の炊飯器がセッティング済みで始まれば炊飯開始する予定。

 午後に部活の方に行く前にチェックはしていく予定だからなんとかなるよ。




 私達4人は教室に出来た料理を持って行って、メイド服や執事服に着替える。

 全員来てる接客班のメンバーと打ち合わせをして、後は時間になるまで待つだけ。

 教室の外には別のクラスの人達がメイドさんや執事を見に来てるけど、窓を閉めて見えないようにしてある。美亜ちゃんや直くんを見たいんだろうな。でもまだ見せないよ。


 ……開場の時間までしばらくみんなと打ち合わせをしたり雑談したり。

 雑談は、後夜祭に誰を誘うかとか、休憩時間にどこ回ろうかとか話してた。

 それを聞いていた男子がなぜかそわそわしてる。

 私は直くんとダンスするけどね。


「英子は宮崎くんとダンスするんだろ?美亜は」

「うん、私は直くんと。美亜ちゃんは大ちゃんとじゃないかな」

「ほう、そりゃあまた悔しがる男女が増産されますな」

「そうなの?」

「そうなのそうなの。1年だから相手がいないだろうと思ってた先輩達がね」


 中学時代から付き合ってる子達もいたけどね。

 私は直くんと付き合ってるまではいってないけど、昔から許婚みたいになってたからね。それでもお互いに好き合ってるのは知ってる。今のところ他の人は考えられないよ。

 それに他にもいい子はいっぱいいるのにね。美亜ちゃんばっかりに目がいってても仕方ないのに。


「他にもいい子いるよ?」

「先輩達には見えてないのよ。ここにもいるのにねぇ?」

「あははは、咲良ちゃん、自分で言ってるよ」


 咲良ちゃんがちょっとせくし〜ポーズを取りながら、おバカなことを言ってると開場間際のアナウンスが校舎内全域に流れた。


『後10分で開場となります。皆さん、最終確認をお願いします』


 もうすぐ始まるよぉ。


「さあ、後10分だ。調理班はもう温まってるか?接客班は身嗜みは整ってるか?内装班はさっさとどこかに行ってこい。緊急の場合、呼ぶからな」


 パパとママ、おじいちゃん達も来るって言ってたからね。

 カレーとお湯が温まってるか確認確認。うん、大丈夫。

 お皿やカトラリーも準備出来てる。うんうん、大丈夫。

 お客さんが来るのを待つだけね。


『開場します。文化祭の開始を宣言します。来場のお客様、お楽しみください』


「さあ、お客さんが来るぞ。売って売って売りまくるぞ」

「「「「「「「はい!」」」」」」」


 そこまで本気でやってないんだけどなぁ。みんな結構本気になってるけど、美亜ちゃんも私と一緒に笑ってる。


 教室のドアと窓を一気に開け、廊下から中が見えるようになった。

 廊下にはまだ生徒だけだけど、男子が3女子が2といった感じで待っていた。しかももう行列になってる。

 入口は大ちゃんが仕切り、男の客には執事を、女の客にはメイドを割り当て席に案内させてる。お客さん的には逆の方が喜ぶと思うんだけど、変なトラブルが開場した瞬間から起きても困るからこうなった。

 私も女子の先輩達を席に案内してメニューを手渡しました。


「なんで執事が案内してくれないの?」

「開場したばっかりなのにあの行列ですから、ご要望通りにしてしまうと混乱する可能性があるとうちの筆頭執事が申しておりまして」

「ああ~、それなら落ち着いてからくれば良かった」

「誰がご希望でしたか?」

「入口で仕切ってるあの子よ。サッカー部でもうレギュラーになりそうって話だし、好きな人以外の女には目移りしなさそうで格好いいじゃない?」

「筆頭執事でしたか。彼は午前中だけですし調理の方も担当してますので、もう一度来ても対応出来ないかもしれませんね」

「ああ~、やっぱりゆっくりくれば良かったわ。ありがとうね」


 大ちゃんはそんな感じで先輩に人気があるのかぁ。まあ、実際そうなんだけど。

 しかし、サッカー部でレギュラー目前なんてね。レギュラーになったりしたたら人がいっぱい寄ってきそう。美亜ちゃんが泣いちゃうかも。


 お客の先輩はサンドウィッチと紅茶を注文してくれた。


 その後、すぐに席がいっぱいになり、大ちゃんよりお客さんにゆっくり食事出来ないことが告げられた。ブーイングの中、特に男子に冷たい視線を送り、異様な迫力で黙らせてた。

 大ちゃんは先輩とか関係なく強気で対応しているのを、女子のお客と一部妙な男子のお客がうっとりして見てた。女子はこういうのが好きなのかぁ。


 しばらくは開場早々ということでお客さんはゆっくり出来ず、ろくに話も出来ないで食べたら次のお客と交代していった。

 それでかなり行列が片付いて、その頃には外部のお客さんが入ってくるようになった。

 みんなもだいぶ緊張が解けたみたいでうまく笑顔が出来るようになってた。


### 続く ###


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