第06話-3 文化祭3 コスプレ衣装の手配は?
集中して勉強してるとママが夕飯が出来たって呼んでる。もうそんな時間か。
美亜ちゃんも今日も食べていくことになってる。美亜ちゃんのお父さんが何かの集まりに参加してるから。いろいろ忙しいみたいなんだよね。
ダイニングに行くとパパがもうスタンバイしてる。今日も早く終わってるんだね。ちょっと心配。仕事は大丈夫なのかな?
「もう文化祭の時期だろ?みんなのクラスや部活の方は何をやるんだ?」
「うちのクラスはメイド&執事喫茶だよ。私も美亜ちゃんもメイド服を着ることになってるの」
「サッカー部は練習試合だな」
「男バスも練習試合ですね」
「女子バスケ部はコスプレしてお客さんと1on1や3on3をする予定です」
「女子の方は華やかそうだね。衣装の方は大丈夫?」
「クラスの方の分は咲良ちゃんが準備してくれるって。卒業生の知り合いから処分する分を借りれるんだって」
「女子バスケ部の方は?」
まだ決定していないんだよね。美亜ちゃんの父さんの知り合いとかに古い巫女服なんかを借りることが出来ればいいんだけど。
「……まだ、決まってない。美亜ちゃんのお父さんの知り合いとかに古い巫女服とか借りれるならいいんだけど。ね?美亜ちゃん」
「そうなんですよね」
「……そうか……じゃあパパにも伝手があるから聞いてみようか?」
「え?そんなのあるの?山田のおじさん?」
「あいつはそっち方面にはほぼ知り合いがいないから無理。
この間も世話になった人ならどうにか出来そうだけど?この間そろそろ文化祭だろう?って聞かれて、衣装が必要なら貸せるぞって言ってたよ」
「「「「……?……??…………瑛太大伯父さん?」」」」
「そうだよ」
え?大伯父さんってそういう衣装を持ってるんだ?男の人だよね?LGBTの人?
IT企業に勤めてるとしか聞いたことはなかったけど、意外にハードなオタク趣味な人?
「古い作品の衣装ばっかりとかって一応リストはもらってるから、英子のスマホに送っとくよ」
「ありがとう。でも、バスケだから破れたりするかもよ?」
「もう処分しようかと思ってたって言ってたからいいんじゃないか?一応その話はしておくけど。
ただな、ハロウィンの時期に英子と三条さんに頼みたい事があるって。それをOKしてくれるならだって。特に変なことはないからね?」
「どうする?美亜ちゃん」
「英子のお父さんが変な話を持ってくることはないと思うからいいんじゃない?」
どんな頼み事なんだろう?大叔父さんに会ったことはないからどんな人かは知らないけど、パパは料理やマンガ、パソコンとかの師匠だからよく知ってる。
普段から変なことをしているようだったらパパや英代おばあちゃんが警戒してるか……
「パパ、いいよ。で、何をするの?」
「一応聞いておいたけどコスプレして欲しいんだって。衣装は準備してくれるから大丈夫。やってくれるんなら仕上げをするって言ってた」
「瑛太大叔父さん、どれだけ力入れてんだよ」
「まぁ、ちょっと思い入れのある衣装らしいから」
という事で夕飯を食べ終わってから美亜ちゃんと衣装のリストを確認する。確かに古い作品からちょっと古い作品の衣装ばっかり。
○ー○ー○ー○とか○リキュアシリーズとかカー○キャ○ターさ○らとかラブ○イブとかア○ドル○スターとかウ○娘プリ○ィ○ービーとか……
ゲームのキャラなんかもあるけどアイドル物とかも多い。可愛いのが多いけどね。
一応サイズも確認したけど背の高い先輩でも切れるサイズの衣装もある。これなら全然問題は無い。
……ただみんなが恥ずかしがらなければだけど……
女バスの衣装は先輩達の了解が得られたら心配はなくなるので、後はクラスの方の料理について。
一応大まかな所は決めたけどパパに相談に乗ってもらうことにした。未だ塗り替えられない記録をたたき出したパパに。
「パパ、クラスの喫茶店で出そうかと思ってるメニューと作り方なんだけどこんな感じでどう思う?私達も部活の方もあるからずっと料理を作ったりは出来ないんだけど」
「オムライスが一番ネックだな。サンドウィッチやカレーはあらかじめ作っておけるけど、オムライスの卵の部分はすぐには出来ないからな。
茹でて作るのはいい案だけど、しっかり確認して温度と時間を決めないと失敗しやすいだろう。あまり半熟過ぎるのも衛生面で問題が出るから、どの程度半熟にするかしっかり見極めが必要だろう」
「やっぱり卵が一番のネックだよな。平たく茹でられれば火が通りやすいし、チキンライスに被せるだけに出来るんだけどな」
「ジッパー付きのビニール袋は高いからな。使い捨てにするのは無理があるな」
「実際試作して考えてみるよ、父さん」
「まぁ、頑張れ」
うう~ん、まだ研究する必要がありそうね。パパはすぐに問題点を見つけるなぁ。私達よりいっぱい経験があるからなんだろうけど。
まだ日にちがあるからみんなで頑張ろう。
あっ、そうだ。パパの時はすごかったって聞いたけどどうなんだろ?
「ママ、パパ達の文化祭はすごく売れたって聞いたけど」
「そうよ、正直くんの仕切りでカレーがいっぱい売れたのよ。おじいちゃん達も絶賛してね」
「カレーってうちのカレーと違うの?」
「普通のカレーとキーマカレーはだいたい一緒ね。それ以外にスープカレーを出したのよ。美味しかったわぁ」
「食べたことない……」
「そうだな。俺も直樹もないな」
「じゃあ、今度久しぶりに作ろうか。三条さんも食べに来てね」
スープカレーだって。楽しみだなぁ。
でも、文化祭でタイプの違うカレー3種類作って出すとか、いろいろ考えてたんだ。
「それに混み合う時間になる前に別の教室も押さえられたから、あまりお客さんを待たせなくてね、どんどん販売出来たのよ」
「たまたま上手くいっただけだよ。昼前にもう結構行列になってたからね。
お客さんを待たせて逃さないように別の空き教室を確保しただけだよ。みんなあまり待つのは好きじゃないしね」
「支店を作ったわけか。まあ、うちのクラスはそこまでにはならないよな?直樹」
「どうだろ。うちの場合料理目当てに来るんじゃなくて、大輝や英子ちゃん、三条さん目当てに来るんじゃないの?
それなら待たせても問題ないだろうし」
「それなら待たせてる間も接客してるスタッフが見えるような風にした方がいいな」
流石パパ。イベントだもんね、みんなが楽しんでもらえるようにしないと。でも、私達が見られるというのは恥ずかしいかな。
文化祭の話をしながらの夕飯だったので随分長くなってしまった。でも、大叔父さんから衣装が借りれるのは助かるな。
美亜ちゃんとどれにするか先にチェックしておこうかな?
美亜ちゃんのは大ちゃんが好きそうな衣装にした方がいいかな?それとも私とセット?2人で合わせるなら○リキュアがいいよね?
美亜Side
「三条さん、文化祭の調理はあんな感じだけど出来そう?」
夕飯も食べ終えしばらくゆっくりして、いつものように大輝くんに家まで送ってもらっている最中。
大輝くんと2人だけになる時間。英子が遠慮して作ってくれてる。
「チキンライスは具材は切って炊飯器で作ればいいから私でなくても出来るし、問題は卵だけど実際やってみないと分からないわ。
大輝くんはビニール袋でオムレツを作ったことはあるの?」
「ないな。フライパンで作る方が確実だな」
「だよね。直樹くんも英子もそんな感じだと思うけど。逆にクラスの人からすればビニール袋で作る方が楽かもしれない」
「だといいんだけどな。試作とか協力よろしくな」
「うん」
クラスの文化祭の準備の間も大輝くんの近くにいて、それから家に帰り着くまで、しばらくゆっくり話ながら歩いた……
本当は手を繋いだり組んだりしたいなぁ。
### 続く ###