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第24話-7 1年の球技大会-7 1日目男子バスケ2

 バレーボールの試合で8組に負けたけど、えりす先輩や8組のバレー部員から勧誘を受けるほどの活躍をしちゃった。

 かなり点差を縮めたけど流石に逆転は難しかったよ。


 この後は直くん達の男子バスケの2回戦。体育館のバスケコートで行われるので現在美亜ちゃんや咲良ちゃん、バレボールのメンバーと移動中。


「英子ちゃん、凄かったね。2点差まで行ったのに惜しかった。負けたけど英子ちゃんが1番目立ってたよ」

「そう?ボールを拾いまくってなるべく点を取っただけなんだけどね」

「最初のジャンプフローターとジャンプサーブで向こうの度肝を抜いてたよ。バックアタックは打ってくるなんて誰も思ってなかったしね。

 ああ、格好良かった……」

「えへへ、そんなに褒めても何も出ないよ?

 でも、そのせいでバレー部に誘われちゃったんだよね。えりす先輩は無茶はしないけど、他の人はしつこいかも」


 バレーの話をしてるうちにすぐバスケのコートに着いた。

 直くんと大ちゃんが最後だったらしい。




▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷▷

直樹Side

「宮崎、服部、遅いぞ」

「ごめんごめん、バレーの試合で英子ちゃんが大活躍だったから」

「何?服部さんがそんなに活躍したの?」

「ジャンプサーブやバックアタックを決めてたからね!えりす先輩にバレー部に誘われてたよ」

「「「はぁ~、すげぇな」」」


 英子ちゃんの自慢話をしながらアップをしていると試合の時間になった。

 今回の対戦相手は1組。バスケ部員はいないけど、ちょっと上手いのが2人いるらしい。その2人がバスケに出て来てる。

 こっちはバスケ部員が僕1人で、後は体育の授業でバスケをしたくらいの人達だ。それでも練習で強化しておいたからいくらかは上手くなってるはずだ。

 予備要員に大輝がいるけど、ケガとかで出れない奴が出ないとな。


 センターラインに整列して挨拶。今回はバスケ部いないから絡まれなくて済みそうかな。

 と思ったら、リーダー格のちょっと上手い奴の1人、羽原に絡まれた。


「宮崎、モテるからって、バスケ部でレギュラーになったからっていい気になるなよ。ありす先輩に言い寄られやがって!」

「いや、こっちは迷惑なんで断ってるんだけど」

「贅沢なんだよ。ありす先輩なんだぞ、あのありす先輩なんだぞ、言い寄られたら付き合うもんだろ」

「やだよ、あの人。英子ちゃんの方が全然いいよ。英子ちゃん以外に魅力的な女の子なんていないって」

「くっ、ありす先輩の良さが分からないとはな!負けねぇからな」


 なんだろう、ありす先輩の信奉者か……面倒な。

 とにかくみんなで叩き潰そうか。


 みんながコートに散らばり、審判がトスを上げて試合がスタートした。

 ジャンプボールは1組に取られたけど、すぐにみんなフォローに入る。簡単に前にボールを運ばせないようボールを持った選手にうちのメンバーが張り付く。僕を含め他のメンバーはパスコースを塞ぐように配置に付く。

 僕は羽原とマッチアップになるから羽原のそばにいる。


 ボールを持った選手に張り付いてるメンバーが頑張ってくれたおかげで速攻は潰せた。このままこちらのコートに運ばせなければバイオレーションで3組のボールになるんだけど。

 通常の秒数では素人には厳しいから球技大会用に長めに設定されてるけど、そろそろ時間というところで無茶なパスを1組の選手は出した。

 当然うちのメンバーがスティールしゴール前へ運ぶ。

 まだ1組は戻りきっていないからそのままレイアップシュート!


 しかし、そこは緊張してたのか上手く入らずリングからこぼれる。

 1組の選手が下で落ちてくるのを待っていたけど、僕が走り込んでジャンプしリングに押し込んだ。


「直くん、ナイシュー」

「「「きゃあ~、宮崎くん、格好いい!」」」


 英子ちゃんが3組のベンチそばから応援してくれてる。英子ちゃんにいいところを見せたいだけで得点したわけじゃないけど嬉しい。


「宮崎、助かった」

「ナイスフォロー、宮崎」

「リバウンドはどんどん取っていくから、みんなはどんどんシュートして。

 どうせなら点を取って女子にいいところを見せような!」

「「「「おう」」」」


 「女子」という言葉に反応してやる気を出してくれた。みんなノリもよくて助かる。

 このままどんどん点を取っていこう。


「くっそ、宮崎、女子にいいところを見せやがって。

 おい、お前らこの試合絶対に勝つからな。宮崎に見せ場を作らせるなよ」

「「「おう!」」」

「……」


 向こうも更にやる気が出たらしい。まだもう1人の上手い奴が本気になってないみたいだから、今のうちに点を取って突き放したいな。


 次は1組からの攻撃。既にうちのメンバーはセンターライン辺りまで戻ってきてる。後は対戦相手の動きを見ながら戻る。

 速攻でくれば先ず僕がボールを持ってる選手を止めに行く。他の人はマンツーマンでパスコースを塞ぐ。

 女子の方と同じ戦法だ。


 今回、うるさい羽原がボールを持って速攻を狙ってきた。早く点を取りたいみたいだ。

 僕がマッチアップし動きを止める。上手いって言ったってうちの父さんや正直さんより全然上手くない。目の前までいってディフェンスするともう動けなくなった。

 パスコースに注意しながらスティールを狙う。まあ、簡単に取れないか。

 既にセンターラインを越えて来てるけど、こっちのディフェンスでジリジリと下がってしまっている。パスをするかドライブで抜くかしないとバイオレーションを取られてしまうよ。


 パスをすることにしたようだ。

 苦し紛れにパスしたボールは、既にうちのメンバーでパスコースを塞いでいた。スティールし、だれもいない相手コートに雪崩込む。

 ドリブルが上手くないからすぐに追いつかれるけど、すぐに他の人がフォローに入り、パスランで一気にゴール下へ。

 落ち着いてレイアップを決め4点目だ。




 その後は羽原も無理に1人で攻め込んでこなくなった。うちのメンバーの戻りも早く、僕が抑えに行ったら抜けないことが分かったから。

 落ち着いてほどほどのスピードで攻めてくるようになり、お互い体力温存となった。当然得点も伸びないけど。

 試合時間が1/3過ぎた頃に、ようやくもう1人の上手い奴がやる気を出した。

 こちらのディフェンス、ボックス1のためゴール下まで入れないと判断して、離れた所からのジャンプシュートを打ってくる。

 元々得意なのか成功率が高い。

 こちらとの点差があまり開かなくなった。

 羽原の方は僕が抑えたり、パスが行かないようにパスコースを塞いでボールを持たせないようにしたりで活躍出来ないようにしてやった。


「宮崎!何で俺にボール回さないんだよ」

「いや、敵のチームの人間に言うことじゃないよね?」

『『『『うんうん』』』』

「俺活躍出来ないだろ!」

「そうしてるんだからそうなるだろ。その分もう1人の方が点取ってくれてるから、チームとしてはなんとかなってるんじゃないの?」

「高田ばっかり活躍してるとかつまんねえよ」


 もう1人の上手い奴は高田っていうのか。それはまあどうでもいいけど。

 とにかくミドルレンジからのシュートなんて半分も入ってないからそんなに脅威じゃないし、勢いのある羽原を潰しておいた方が体力的に楽になる。

 羽原がドリブルで僕を抜こうとあっちに行ったりこっちに行ったり。なかなかパスを出さない。やっぱり自分で僕を抜き去りシュートを決めたいのだろう。


 しばらく3Pライン上をうろうろとしていると……突然高田がいた。スクリーンか……

 羽原は高田のフォローで僕を置き去りにしてゴールを目指した。

 ゴール下辺りにはうちのメンバーの4人がボックスを作ってディフェンスしてくれてる。1組の他の選手もゴール近くまで来たけど、こっちも4人の内の1人がチェックしてる。


 羽原はゴール下まで行けそうにないと思ったみたいで、出来るだけ近いところでジャンプシュートの体勢に入った。

 僕はスクリーンで邪魔された高田を避けて羽原の方に向かう。

 ジャンプしシュートを放った直後に後ろからボールにタッチして弾き、エンドラインを超えて出て行った。


「宮崎、せっかくのチャンスを邪魔すんな!もうちょっとで点が取れそうだったのに」

「入るかどうか分かんないだろ」

「「「「そうだそうだ」」」」

「うるせぇ。俺は入るって言ったら入るんだよ」


 高田の方はともかく羽原はなかなか愉快な奴だった。まぁ、シュートは入れさせないけど。


 その後も何度も羽原のドライブと高田のスクリーンで得点しようとしたけど、もうワンパターンになってきたので僕以外でも止められるようになってた。

 最終的に高田が更に点を追加したけど、みんなのシュートと時々僕の3Pシュートで点差を維持したまま試合が終了した。




「くそっ!宮崎のせいで負けちまった!ありす先輩にいいところを見せる予定だったのによぉ!」

「いや、僕のせいで負けたわけじゃなくて、羽原が僕より下手で自分の味方を上手く使えなかったからだろ。

 うちのチームのメンバーはしっかり点を取ってくれたし、ディフェンスも上手くやってくれてたからな」

「俺が目立ってありす先輩が見てくれないと意味ないだろ!」

「だからみんな力を貸してくれなかったんじゃあ?」


 こんな奴のためにみんな頑張りたくないよな。それでも勝ちたいから高田にボールを集めてたみたいだけど。

 まあ、こっちは結構楽に勝てたからいいか。


『宮崎く〜〜ん、格好いい!!』

「宮崎ぃぃ!」

「僕はあの人嫌いだから、そっちでどうにかしてよ」


 最後の挨拶もそこそこに僕は英子ちゃんと教室に逃げた……


### 続く ###


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