第24話-4 1年の球技大会-4 1日目お昼ご飯と女子バスケ2
サッカーも3組の勝利で終わり、後はもう昼休みを待つだけ。
他の試合はもう午前中にはないから昼ご飯を食べる準備をしましょうか。
直くんと大ちゃんに中庭の芝生の所に場所取りをしてもらって、私と美亜ちゃんはお弁当を持って来よう。
「もうお昼ご飯にしようか?みんな」
「そうだね。もうお昼休みまでにうちのクラスの試合はないし」
「大ちゃん、直くん、場所取りしてて、みんなの分」
「英子ちゃん、分かったよ。お弁当の方よろしくね」
一旦教室に戻ってお弁当とパウンドケーキを持って中庭の芝生のとこに勉強会メンバー+アルファで戻って来た。
大ちゃん達が場所取りしてくれた芝生に集まってお弁当を出して食べ始めた。
今日はいつもより豪勢な御重仕様のお弁当を美亜ちゃんと作ってきた。みんなも多少つまめるくらい多く作ってきてるよ。
「直くん、あ〜〜ん」
「あ〜〜ん、英子ちゃんの唐揚げ、いつも美味しいよ」
「でも、直くんが作ってるのとそんなに変わらないよ」
「英子ちゃんが愛情を込めて作ってくれてるから美味しいんだよ」
「英子、目の毒だから学校でそんなにイチャつかないで」
「咲良ちゃん、せっかくピクニックのつもりでお弁当作ってきたんだからいいじゃん」
御重には唐揚げ以外にハンバーグや鶏つくねなどの茶色いおかずに、卵焼きやポテサラやブロッコリーなどの彩りを考えたおかず、サンドウイッチやおにぎりやナポリタンの主食を詰めてきた。
私達の4人分以上の結構な量があるからみんなにお裾分け。
「バスケとサッカーはいいところまで行きそうだよね?」
「そうだね。いい感じに試合が進んでたから。咲良ちゃんのバレーはどう?」
「次は厳しいんじゃない?次の対戦表見たけどバレー部員2人いるって聞いてるし」
「そのバレー部員がどのくらい上手いかだよね。ラリーが続けられるほどボールが拾えてなかったからアタックとかジャンプサーブとかされたら厳しいか」
「英子が入ってくれればいい勝負になるかもね」
「それだと誰か出れなくならないとだけど、ケガとかしないで欲しいなぁ」
予備要員だから誰かに何かあって出れなくならないと交代出来ない。勝ちたいからってそういうのを望みたくないんだよね。本当に偶然ケガしたのなら仕方ないけど。
ただ、パパの時もなぜかケガ人が出るんだって。2年の時も3年の時もケガ人が出たからパパが出て優勝してる。
多分今回もケガ人が出るんだろうなぁ……
「おや、英子ちゃんのお弁当、美味しそうだね」
「えりす先輩、食べていいですよ。たくさん作ってるから」
「それじゃあ、いただこうかな」
いつの間にかえりす先輩が近くに来てた。先輩は人気があるから女子に囲まれてお昼ご飯を食べてるのかと思ってたけど。
つまんでいくだけなのかと思ったけど、河合くんの隣に座ってゆっくりしてくみたい。サッカーの試合の時も少し気にしてるみたいだったけど……
「河合くん、この間は世話になったね」
「えりす先輩。いえ、特に何もしていませんよ。それにアレについては誰にも話していませんから」
「それは助かるよ」
「でも、気絶してる先輩も人気でしたから、気にすることはないと思いますけど?」
「それでも面子というものがあるんだよ」
えりす先輩と河合くんが仲よさげに話してる。何か気になるなぁ。
咲良ちゃんも美亜ちゃんも気になるのかな、聞き耳立ててるよ。
でも、面白そうだよね?
それ以外にも山本さん達女子4人も、花火大会以降大ちゃんや直くんに紹介されたサッカー部やバスケ部の男子と仲良くしてる。
小林さんには、お父さんがその仲のいい男子のことが気になってよくいろいろ聞いてくるから困るって相談されたんだよ。あまりうるさく聞いてくると亡くなったお姉さんの霊障があるってことにしてくれないかなぁとも言われた。
どこのお父さんも娘のことは気になるんだよね。美亜ちゃんとこも最初はそうだったよ。でも、大ちゃんがカフェのバイトに入るようになって、すぐに気に入られたんだっけ。
山本さん達4人の近況を話しながらお昼ご飯を食べ終わり、デザートに持ってきたパウンドケーキを食べつつ更に深く話しを聞いた。
学生だしお金もそんなにないからお家デートをして、親にバレちゃったとか料理を作ってあげたとか、なかなか関係が進んでるらしい。
私と直くんは生まれた時からお互いの両親が知ってるから、相手の両親にバレるとかそんなドキドキ感はなかったもんね。そういうのちょっと羨ましいかも。
昼休みもそろそろ終わりになり、午後の試合が始まる。
うちのクラスは午後すぐの試合はないからゆっくり片付けて準備することにした。
午後の2試合目がうちの3組と4組の女子バスケの試合。
4組はバスケ部員1人と少し上手い人が1人。体育の授業が一緒だからどの程度上手いかは分かってるんだよね。多分負けないと思う。
午後の試合はグラウンドの方のコート。土のコートだから準備に手間取ってる。その間に作戦会議。
今回も私と美亜ちゃん以外の人にシュートを狙ってもらって、点を取っていく作戦。私と美亜ちゃんはフォローやリバウンドをしながら、負けそうなら3Pシュートで点数調整の予定。
4組のバスケ部員の平井さんとのマッチアップは美亜ちゃんに任せて、私はバスケのちょっと上手い人とのマッチアップをしながらポイントガードとしてゲームメイクする事に。
コートのラインの引き直しも終わって、センターラインに整列して挨拶。
「服部さん、三条さん。勝ちに行くよ!」
「平井さん、こっちが勝つからね」
「みんなで勝つから、平井さん」
コートにみんな散らばって審判のジャンプボールのトスを待つ……
審判がボールを上に投げ上げた。
平井さんとうちのメンバーが投げ上げられたボールに飛びつき、平井さんがタップする。ボールは4組が抑えた。
ボールを持った人がドリブルでゴールに向かっていく。3組のメンバーがすぐ抑えるためにマーク入って、他の人もそれぞれ担当の人にマークについてくれた。美亜ちゃんは平井さんのマークについた。
すぐにみんなマークについたから4組のボール運びが遅くなる。速攻をさせないようにしたから急いで戻らなくてもいい。その分体力を温存できる。
タイミングを見てパスのスティールを試みるけど無理はしない。無理して隙が出来ても仕方がないし。
3Pラインまで来たところでフォーメーションをトライアングル2に変更した。美亜ちゃんが平井さんをマークしたまま、私がボールを追いかける。
平井さんとちょっと上手い人は落ち着いてプレーしてるけど、その他の人はプレッシャーに勝てず無理にシュートして外れるのを待つ。
リバウンドのボールを確保して攻めに転じた。
前の試合ではカウンターで速攻を決めたけど、今回はゆっくりと攻めた。
相手のディフェンスはもう既にゴール前に戻ってゾーンディフェンスを敷いてる。
でも……美亜ちゃん3Pラインからジャンプシュートを沈めた。
ゴーーール
「三条さん、なんでもっとゴール下の方まで来ないの?」
「ちょっと点を取るならここでいいかなと。それにリバウンドは英子が取ってくれると思ってたし」
「なんでそんなに信頼してんのかな?もう」
う〜〜ん、私達が将来姉妹になるから?
冗談はさておき中学時代から一緒にやってるからね。それに付き合いがバスケ以外でも深いから。
4組ボールで再開するけど、すぐにマンツーマンで全員にプレッシャーをかける。前に運ぶために上手い人にボールを回すだろうから、美亜ちゃんと平井さんともう1人を手分けしてマーク。
ボールを持ってもドリブルで前に行かせないし、パスも簡単には出させない。ボールをこちらのコートに運ぶことが出来ない状態になってる。
8秒ルールとかの秒数のバイオレーションは素人の球技大会だから厳密に取ってはいないけど、あまりに長いと取られることになってるからね。それでも3組側のコートまで運べなくて8秒ルールでバイオレーションが取られた。
「くそ〜、服部さんも三条さんもディフェンス上手過ぎ。パスも出せない」
「下手なパス出すと他のみんながスティールするからね。気を付けて」
「どんな練習させたのよ!」
「普通にパス練だよ。ディフェンス入れたり、男子と一緒にチーム単位でやったり」
私達のボールになりスローインで私にボールが回ってくる。
4組はゾーンディフェンスでゴール下付近に集まってる。うちのメンバーにパスを回し落ち着いてシュート!
ボールはリングに当たり、半周リングの上を転がって……入った。
「「「「ナイシュー!」」」」
「服部さんや三条さんじゃなければ入らないって思ってたのに」
ゴールにまで届けば確率的に何回かは入るんだよ、私や美亜ちゃんじゃなくても。いつ入るかは運次第。それが今回は1回目にきただけ。
これでゴール下ばっかり守っていれば大丈夫じゃないと思ってくれるかな?
### 続く ###