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そんな私のクラスには先ほど言った通り能力値の高い者が多く、その中の一人である彼は魔力量が多いことからクラスの中心にいることが多い人物だった。
実力がすべてのこの場所は、元から持っている力というのは魔法の地盤でありとても重要になる。それが無ければ使える魔法も限られてしまう。
生まれたときからある変えることのできない才能”を持ち、かつ実力を認められた者たちが集まったクラス。
そんなクラスの中で、魔力の量が高く昔から周囲に褒められ期待されてきた彼は、学園でも多くの者たちに人気だった。そんな彼に対し私は全く興味を見せず話しかけることもなかったため、その様子が彼は気に食わなかったようだった。
魔法の実力が絶対のこの学園では、彼のような才能の持ち主は国からも期待され、国の貴族と同じように学園内で高い立場を得ることにもつながる。
私にちょっかいをかけることも多かったが、それを気にすることもなく受け流していて、それはさらに彼の機嫌を損ねることになっていたようだった。
私は魔力ではクラスで一番になることは決してなかったが魔法の扱いに関してはそれなりの成績で、学習面では彼に勝っていたため彼も私を認めざる負えず、悔しそうな様子を見せていた。
クラスの中でも彼の学力はとても高いわけでも、低いわけでもなかった。
それでも彼は諦めることはせず、私に競争心を燃やし勉強に励んでいる様子だった。
私は目立たず誰かに興味を持たれずに過ごしたかったため、クラスで一番を取ることはなく必要なとき以外クラスの人と話すこともほとんどなかった。
自分に関するうわさも流れないようにしていたが、れでも私に突っかかってくる彼に対し、私は特に何も思わなかった。
強いて言うなら、彼の向上心のある行動に対して少し不安感があった。予測の域を出なかったため何もできることはなかったが、その予想が外れることを私としては願っていた。
学園にはとある噂がある。学園に通っている者の中で、ある一定以上の実力を持つことが認められた者は研究所から声を掛けられ、特別な場所に配属されるという長年続いている噂。