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03-3

 私は6つになると学園に通い始めた。一般的に貴族は学園に通い、貴族として必要な教養や魔法について学ぶことになる。

貴族に限らず、魔法について学びたい者ならば誰でも通うことができるこの学園は、国中から様々な者が集まる。


 また、学園では魔法の研究をすることもでき、それが認められると卒業後に国が運営している魔法の研究所でさらに高度で専門的な魔法を、その分野専門の者と一緒に研究することができる。


 そんな学園に私がやってきた理由は、学園には自分の学びたい分野を選択して学ぶことができるため、自分の知らない魔法や見たことのない魔法を見ることができると考えたから。というのもあるが、一番の理由はさまざまな研究ができる環境が整い、そのための費用も研究所から出される、つまりひたすら研究ができる場所がもらえるというところに惹かれたから。


 本当は色々できる環境は整っていて、研究所への立ち入りもすでにできるので学園に行く必要はなかったけれど、国や親から学園でいろいろな者に魔法などを教えてほしいと頼まれたことと、学園に行かずに妙に目立ってしまうことを避けたかったからと言う理由があったから。


 研究をするなら静かな場所で目立たず自由にやりたかった。学園ならば実績があり認められれば研究用の部屋を借りることができ、たくさんの人が集まるため見たことのない魔法を知ることや特定の魔法を専門にしている先生などと会うことができる。つまり自分の好きなことをするために学園の環境は都合がよいと思ったため、私は学園に通うことにした。


 私は学園の中で一番上のクラスだった。このクラスは、鑑定の結果や現状の実力、入学時の試験の結果から平均的な能力値の高い者が集まったクラス。

私は鑑定の際に色々調整をし、実績も表に出していないため、能力値はクラスで一番ではなかったが、国王と学園長からの許可を得て自分用の研究室をもらい、時間があればそこで研究をしていた。


 両親たちからは、私の実力ならば飛び級で最低限必要なことを学びそれ以外は免除でもいいと言われたが、自分で好きなように研究がしたかった私は、目立つことを避けたかったため必要な授業は普通に受け、その代わり選択の授業を取らなくても卒業できるようにしてもらった。


 貴族として出席しなければいけない場所以外にはあまり行かない私は、仲の良い知り合いがあまりいない。国に住んでいる貴族の名前と顔はすべて覚えていたが、顔を会わせたことがある程度で話したことも一言二言ほどしかなかった。

 そのためクラスでは一人で過ごすことが多く、クラスの端でひっそりと本を読んでいるタイプだった。

 授業以外の時間は図書館や先生たちの所に行くことも多かった。


 また、この学園には、貴族の生徒が他の生徒に魔法などを教える制度がある。元々、貴族とそれ以外の者たちの間にある差を埋めるためにできたこの制度は、授業とは別でサークルのような枠組み。

 

 教える側は、それにより実績を得ることで研究室や他の仕事にも入りやすくなる。教えてもらう側も相手の家系に伝わる技術を学ぶことや、そこで関わる者とつながりを作ることもできる。


 この制度は、教える者は学園側で認められた者だけで、教える内容は危険だと判断されているものは教えることができないようになっている。安全性が比較的高いこの制度は、やれる時間が少なく一人あたりの教えられる人数も限られるが、利用している者の数も多く比較的早い段階で専門的な魔法の分野を学べる、互いに切磋琢磨できるため人気が高い。


 私は自由に魔法の研究をさせてもらう代わりにその制度で、自分の家系に興味がある者や一緒に研究をしたい者などにいろいろなことを教えていた。家族や国からのお願いというのもあったけれど、意見を共有し一緒に考えてくれる者がいるということはとても楽しく充実していた。

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