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03-2

 私の暮らす国では、5歳になると魔力の総量や属性を調べる。

一般的に、魔法を使えるようになり始めるのが早くて6歳ごろ。


 魔力が安定し、精神的にも安定し始めるためある程度魔法を扱いやすくなる。

そのため、そのころまでに魔力を調べ、その結果に合わせた魔法の訓練を行っていく。


 私は魔法を早いうちから使っていたため、魔力総量が年齢に対し平均よりも多く、属性も様々なものを扱えるようになっていた。


 それを周囲に知られてしまうと面倒くさいことになることは分かりきっているため、私は両親と相談し王からの許可ももらい、公の場で行うものとは別でひそかに魔力の鑑定を行った。


 しかし、鑑定の儀はこの国に住まう者は受けなければならない義務がある。

この結果が将来どのような仕事につくのか、どのような魔法を扱えるようになるかということに強く影響することになる。


また、その強さが貴族と呼ばれる証ともいえるため、この国においてこの儀は重要なものだった。


 この儀は、同じ年の子たちが集まり同じ日に国のいくつかの境界で行われる。

境界は外界へ情報が洩れることを防ぎ、そこでは何をしても欺くことはできない。


 この儀で明かされる情報は正確性が高く、儀の結果はその場にいる者たちすべてに開示されるため、その場所でのつながりが重要になることもある。

そんな誰もが注目する鑑定の儀に出なかった場合、噂が立つことは分かりきっている。


 そのため、本当の鑑定結果は私の事情を知っている者にのみ伝え、鑑定の儀では魔力量の調整と一部隠蔽を行い、平均よりは多いが目立たないような結果が出るようにした。

それにより、貴族としては十分な魔力量だが目立つほどのものではないというふうに周りに知られることになった。


 正直私は立場というものに興味はなく、ただひたすら魔法の研究がでしたいと思っていた。

魔法の研究をするためにはいろいろな道具や環境が必要になる。


 そのためのお金は、前から手伝っていた魔法の研究が認められ国から研究費用をもらっていたためあまり気にする必要もなかった。

そのように最初からある程度環境が整っていたため、私は周囲の印象はそれほど気にしておらず、儀の結果もそれほど重要視していなかった。


 この国では魔法の技術が地位と直結している。

研究をするためには実力とその成果の両方を持つ必要がある。


 その前提条件を幼いころから持っている私は、本当に恵まれていたと思う。

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