05①
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俺は、自分が”生きている”ことに対して特に何も感じたことはないが、沢山の人にもらったモノを大切な誰かのために使いたいと思ったことはある。俺は俺のことが、好きでも嫌いでもない。
俺のもつモノが役に立つとも思っていないが、それを認めてくれる奴らがいた。たとえそれが実際役に立たなくても、おもしろいとか楽しいとかただ興味を持って話を聞いてくれたことが、今思えば俺もうれしかったと感じている。そういうモノを知ったきっかけは、すべてが良いことだったわけじゃないけど、それでも”今の俺”ははっきりと言える。俺は幸せだ。
昔一度こんなことを言われたことがある。どうしてお前は生きるのかと。誰にも与えられず、与えることもできない。何もない、なのにどうして生きられるのか。
結局のところ生きてる理由とか意味とか考えたこともなかった。生きることに必死で、そんなことを考えてる暇がなかった。でも確かに、何で生きていたのだろうと後々思った。それが人間の、生物としての本能だと言えば簡単だけど、一番の理由はやっぱり俺が出会ってきたヒトたちのおかげだ。そう思えるようになったこと自体が、俺が変わったと感じるところでもある。
今俺の目の前には大切なモノがたくさんある。俺の見える、手の届く場所に沢山の光と闇がある。同じものは一つもない、だから見ていて飽きない。
もっともっといろんなことをしてみたい。俺が持っているものが、俺のもらったモノが誰かのきっかけになってくれたらうれしい。
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