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04-6

 牢屋の中の暮らしが始まって数か月が経とうとしたころ、外の様子を確認してくれていた彼から報告を受けた。


 弟たちが俺のところに来ていることが両親にばれたらしい。


 あんなことを続けていればいくら彼らと接することが少ないとはいえいずればれることは予想していた。


 それだけなら別によかった。


 だが問題はばれたということではなく、それに対して両親が彼らに手を出したということ。


 両親は、今までどんなことがあったとしても叱責以上のことはしなかった。


 だがそこまでやったというのならば俺もただ黙ってこの場所にいるわけにはいかない。


 いつも自分の持つ、周りとは明らかに違っていて誰かを傷つけてしまうことができる大きな力が嫌いだった。


 でもその時ばかりは自分の持つその力に感謝した。


 俺は枷を能力で溶かし、牢を破って外に出る。


 俺を見張っている者は誰もいない。


 別に俺は罪人だったわけではなく、おとなしくしていたため完全にほったらかしにされていた。


 しばらく何もしていなかった服や体をきれいにし、髪も切って整える。


 数か月振りの外は地下に行く前と大して変わらず、空は日が落ち始めて薄暗くなっていた。


 外に出て息をつく間もなく、屋敷の方から聞こえる騒がしい音の元へ向かう。


 建物の方へ近づいていくほどその音は大きくなる。


 誰かを怒鳴る声、何かが壊れる音、誰かが泣いていて、それを庇う声、何が起きているのかは想像できる。


 こうならないように色々してきたつもりだった。


 そうすれば誰も傷つかず、平穏に過ごせるのではないかと。


 あれも諦めるだろうと思っていた。


 でも違った。


 それは一番最悪の結果として現れた。


 俺がもっと早くこの場所から消えていれば、誰とも関わらなければ、何にも期待していなければ、誰かを憎んでいれば、何かが変わっていたのだろうか。

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