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04-2

 表立って相談をしてしまうと、俺や家に"呪い"という理由で噂が立ってしまうことをあまりよく思わなかった両親は、俺が”その日”に生まれたことを一切表に出していなかった。


 俺の存在を知る屋敷の者たちにも、俺に関する情報の口外を一切禁じていた。

 また、俺は表では生まれたときから体が弱いということにされていて、直接表に出ることもなかったため、外で俺の正体とその姿を知っている者は誰もいなかった。


 俺も普段の状態であれば周りの者との違いはほとんどなかったので、それに気づくものは少なかった。


 そんな環境で両親は俺を普通に育ててくれた。

 忙しいながらも父は毎日会いに来てくれていたし、夜はどんなに遅くなろうとも母と俺のいる部屋に来て三人同じ部屋で寝ていた。母も、屋敷の裏庭や温室など行ける範囲内で屋敷のいろいろな場所に俺を連れて行ってくれた。


 たとえ屋敷の外に出ることができなかったとしても、家族と一緒にいられるだけで俺はうれしかった。


 そんな風に俺は家の外に出ることができなかったため、両親は知りたい者の未来を見ることができるという噂の者のところへ行き、俺のことついて相談をしていたらしい。


 俺の"呪い"について両親が相談をしに行った相手は、巷で有名な占い師のような者だった。


 占いは心の支え程度に聞くもので、完全にそれだけが正しいというわけではない。たが両親はなぜか、その占い師の言うことを完全に信じているような様子だった。

 その両親の変化は、俺の事情を知る者ならば誰もが感じていただろう。


 屋敷内の様子が変わりはじめたのは俺が生まれてから半年が過ぎた頃だった。

 最初は少し両親と接する時間が減る程度のものだった。

 さらに数か月が経つとそんな時間が増えていき、両親は少しずつ俺のいる部屋に来なくなった。一日会わないなんてことも普通になっていた。


 そのころは知らなかったが、俺は"呪い"の特徴とまた別に一般的な者と比べ生まれながら持つ力が高かったらしい。

 それは"呪い"と呼ばれるものと関係はなく、また別の理由があったのだが、"呪い"のそれと占い師に言われたことがあり両親は俺がこの家にとって、国にとってあまり良い存在ではないと心のどこかで考えていたのだろう。


 それが彼らが付け込まれてしまった理由なのかもしれない。


 そうして俺が1つになる頃、俺の一つ下の弟が生まれたことをきっかけに俺が両親と顔を会わせることは一切なくなった。

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