5−1 残った面子は
トーナメント表を見ても、残っている1年は二人だけだ。
大講堂のトーナメント表を見に行く1年は少なくなっている。
だから私も放課後に人が少ない時に見に行った。
サムライ・プリンセス(1年)◯対ブリジット・アイスランド(2年)X
確か先週噂になっていたアイスランドさんが相手だった。
「おい、見ろよ、スノーホワイト(笑)が負けてるぜ。」
「1年に負けたのか。天才もざまあねぇな。」
「あいつ、1年間で50人の告白を全て一言で断ってるんだぜ。
因果応報だな。」
「何の因果だよ。」
いや、1年間で50人の告白はむしろいじめだって。
普通、一人断ったら1ヶ月くらいダメージ抜けないよ。
いや、前世も現世も告白された事ないけどさ。
あと、無表情な人だからきっと口下手で
一言で断ってるんだよ。
…そうでもないか。殺る気ヒロインだからね。
結構きつい人かもしれない。
バレバレだけど襲われないと言われていたよね、
先週。自爆技で私を倒そうとしたし、実際に名家と手を組んでいたのか。
誰かに聞く訳にもいかないし…
もう忘れよう。
負けて嘲られるのも来週は我が身だ
いつか狂犬メイの戦績を睨んでいた大柄の女生徒が
また何か睨んでいる。
シルビア・ボーレット(2年)◯対スカーレット・ハーグ(2年)X
デビル錫杖のシルビアさんが気になるんだろうか。
ちょっと怖そうな人だからデビルがライバルなのかもしれない。
…つまり参加者?
怖くて目が合わせられない。
思わず逆側を見る。
ブレーズ・レディ(3年)◯対アマンダ・ハットン(3年)X
大火の女?八百屋お七か?
火遊びをするとおねしょをするし、
火炙りになるから止めましょうね。
そうこうしている内に大柄の女生徒は踵を返して去っていった。
何か、凄く男らしい…
彼女が見ていたボーレット侯爵令嬢の戦績の近くに
アン・パットナムの戦績があったんだよ。
また勝っている…
1年が名家と手を組んでいる可能性は低いのではないか。
すると凄く強い人なんだろうか…
もっとも今度は五回戦だ。
もう強い人しか残っていないだろう。
私以外は。
夕飯の時間にまた父親がトーナメントの話題を振る。
「2年の天才も負けたって話だな。
1年の天才と同じ相手に負けたって。
魔法師殺しの参加者がいるんだろうか?」
クレアお姉ちゃんが答える。
「そういう人がいるという噂は無いけど。
二人共水魔法師だから、共通の弱点があったのかもしれないわ。」
「弱点か。
クレアなら水魔法師の弱点は何だと思う?」
「それは、水だから、でしょ。」
「火に比べれば触れたり耐えたり出来るという事か?」
「そうとも言えるし、相手次第でしょうね。
火魔法師なら火力で対抗出来る事は確かだから。」
「残っている強敵と言ったら誰だと思う?」
「四強の一角は棒術だから魔法師相手だと辛いと思うけど、
のこりが隠れたままだからどうだか分からないわ。
そうして組織力を使って隠れていられるのも強さでしょうけど。」
「じゃあ、ボーレット家に対抗出来る魔法師以外の者なら誰だろう?」
「まあ、ゴールドさんが強いとは言えるけど、
もう表に出てしまったから、刺客に倒されそうね。」
「ゴールド伯爵家の令嬢か。
何が強いんだ?」
「物理全般らしいけど、
今まで人に見せていない技がありそうよね。」
「ああ、力をひけらかさないタイプか。」
「そう思うけど、よくは知らないわ。」
「四強の内の二人は同級生だろう?
魔法はどうなんだ?」
「デヴォンシャーさんは土魔法ね。
公開している属性は。
何か隠しているかもしれないけど。」
「性格はどうなんだ?」
「公爵令嬢らしく、おっとりしているわ。
爪を隠しているのか、本当におっとりしているのかは分からない。」
「ボーフォート侯爵家の令嬢はどうなんだ?」
「デヴォンシャーさんよりは普通に感情を見せる人よ。
風魔法だからあまり攻撃的ではないけど、
家の方で物理攻撃を用意しているかもしれないわね。」
「そうやって見ると、
魔法で優勝しそうな参加者は見当たらないんだな。」
「そうねぇ。
家の方で用意する道具が頼りじゃないかしらね。」
…つまり、お姉ちゃんが参加していないなら魔法だけで勝てる人はいない。
お姉ちゃんが参加しているなら話は変わるけど、
と言う訳だね。
貧乏くじを引くと上位貴族が家の名誉を賭けて用意した
武器が待っていると。
物理系の人の噂がもっと知りたいけど、
そんな事は口に出せない。怪しすぎる。
迷走台風となっております。
皆様もお気をつけて下さい。




