やれやれ、俺はどうしたらいいんだ?
「お前のことなんて大っ嫌いだから!!」
高校2年生の秋、俺は彼と絶交された。
それは目覚めの悪い朝だった。吐き気が体中を襲い、頭はくらくらする。あまりにも昨日、お酒を飲みすぎた。酒は呑んでも飲まれるな、とはよく言ったものだ。布団に座り体を落ち着かせると、俺は気づいた。
(あれ?ここ俺の部屋じゃないんだけど?)
そして全裸だということにも気づいた。少し寒い。床には無残に散らかった服。布団を見ると、もう一人裸の誰かがいることに気づく。そろりと俺は顔を見る。俺の酔いは一気に覚める。伊月 陽樹だ。高校2年生の時、絶交した同級生。やれやれ。どうしたものか。昨日はたしか、高校の同窓会をやった。みんな成人になったばかりで、そのまま居酒屋へ。その後は……。覚えてない。とにかく、今のこの状況は非常にまずい。俺は記憶がないし、俺が、家に押し入っている状況なら豚箱行きである。早く服を来て、家に帰ろう。動き出そうとしたとき、伊月は俺の腕をつかんで、
「行かないで。もう少しだけ。」
誘惑するようなかわいい声でささやくように俺に言い、また、眠りに入った。やれやれ。でもそんなこと聞いている場合ではない。それがたとえ、高校時代から好きだった相手でも。俺は手を優しく離して、服を着、彼のアパートを出た。
最初は、駅を探すのにひと苦労だった。見慣れない土地を歩くのは容易ではない。
なんとか家に帰った。俺は伊月と違い、実家に住んでいる。帰って来たら、お母さんは起きていて、「おかえりなさい。朝ご飯ちょっと待ってね。」と言ってくれた。「朝ご飯はいらないよ。」朝帰りのことは何も言わないんだ。帰って来たとき、汗で全身がぐしょぐしょだった。シャワーを浴びた。怖かったから、あそこはきれいに洗った。シャワーを浴び終わると、次はあいつに電話した。3コール以内に出る。それは昔からだ。
「もしもし?」
「昨日、同窓会のこと覚えてるか?」
「単刀直入だな。もしかして、おとなりに?」
杉山は、いつも通り気持ち悪く笑った。やっぱり知ってるな。
「怒るぞ。今は家だ。」
「怒るなって。今日の11時いつもの場所集合な。話せば長くなるし。」
「今話せよ。めんどくさいな。」
「ゆっくりいこうや。」
そして電話は切れた。無愛想なのではと思うかもしれないが、これが俺等の電話だ。これに慣れてしまった。