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80.  レベリング終了

 そしてやって来た第14区画で、マリのスキルで”噛み付き小石”のステータスが明らかとなった。 レベルは100~120、VITとHPが1200前後と高い反面、AGIとSTRが1とか2だそうだ。 そして”反撃”と”HP回復小”というスキルを持っているとのことだった。 このスキルにより恐らく僕らがコイツを蹴ると痛みを感じるし、攻撃耐性が高いのだろうと思えた。


 僕は第15区画のレッドカウと再戦した。 再戦したと言ってもただ第15区画の入口から第16区画側へと走って行き、そこにいる全てのレッドカウをまとめてダンジョンの壁へ激突させただけだ。 倒れているレッドカウを36体処理し、スキルオーブ2つと青い盾を得てから第14区画へ戻った。



 僕としてはかなり早く第14区画へ戻ったつもりだったが、その時にはマリ達は”噛み付き小石”をほぼ全て倒し切っていた。 これには僕も驚いた。 


「ええと、マリ。 ”噛み付き小石”は結構いたはずなんだけど、随分倒すのが早くないか?」


「おお、レイナがな、(ひらめ)いたんだよ」


「マリちゃん。 閃いたなんて怖い事言わないでください。 私はただ分析して仮説を立てて試しただけです」


 閃きって怖いことなのか? 僕はレイナさんに突っ込みたくなったが、何となく僕のいつもの閃きに関連していそうな気がしたのでその点には触れないことにした。


「で、どうしたんですか?」


「ええとね、今までは倒すのに結構時間がかかる戦いもあったのだけど、今回は連携みたいな感じで簡単に倒せるようになったのよ。 ミレイが2回攻撃した後でカナが盾で叩いて例の火を帯びた緑の棒で攻撃する。 そして私が剣で薙ぐとほぼ倒せることがわかったの」


「な、なるほど連携ですか。 それはまた不思議な……」


 いや、考えて見れば昨日のカナさんの盾で殴ってからの攻撃は、弱点を変化させてからの攻撃だった。 これは一人連携と考えても良いかもしれない。 今はそれをミレイさんカナさん、そしてレイナさんの3人でもっと高度な連携に仕上げたのだろう。


「……それにマリは関与しないんですね。 マリは一人で別の”噛み付き小石”を攻撃していた?」


「お、俺は効率を考えて、”噛み付き小石”を探すのに専念したんだよ。 魔物のHPとかが見えるようになったから、範囲にいる見つけにくいソイツでも簡単に見つけられるようになったんだぞ」


「……つまりマリはシーカーの役目を兼業したわけか」


「ぐっ、 俺も攻撃に参加したかったんだが、効率的にはこれが最善だったからな。 我慢したんだぞ」


 まあ、マリがレベル160未満の”噛み付き小石”や、もしかしたら”噛み付き石”を看破できるようになったからステータスがある石がわかるようになったということだ。 僕が探知で見つけなくてもマリが代わりにソイツらを見つけることができるようになったのだ。

 もう僕の<ダンジョン内探知>を隠すほどの理由もないが、隠せるものは隠しておいた方が色々と厄介事に巻き込まれないで済むだろう。


 そして、僕がレッドカウから取って来たオーブをマリ達に使ってもらうことで、マリ達のステータスもほぼ上限に達したようだ。 つまり今更だが、初級ダンジョン――2986ダンジョンを攻略する準備が完了したのだ。 

 彼女達と初めてパーティを組んでから、まだ10日程しか経っていないし、彼女達のステータス上げを始めてから3日目ぐらいだ。 初級ダンジョンとはいえ攻略を進める時期としてはあり得ないぐらいに早いと言っていい。 


「ええと、これで念願の2986ダンジョンの攻略準備が整いましたね」


「念願、念願ねぇ。 どう考えても私たちのステータスは異常に高くなってしまっていない? 確かにダンジョン攻略のためにレベル上げが必要だとは思ったわ。 でもこんなことになるなんて……」


「でもいいじゃないですが、レベリングにかけた日数を思えば、むしろ早いぐらいじゃないですかね」


「ちょっと私達の今のステータスを確認しておいてはどうかしら? 私たちがどんなチームなのかを皆で共有しておきたいのです」


一応ステータス皆がステータスを報告した。


マリは、ステータス全部1000、スキルはアイテムボックス7、看破15。


ミレイさんは、 ステータスほぼ全て1000、スキルはアイテムボックス6、治療5。


レイナさんは、 ステータス全部1000、スキルはアイテムボックス5、風魔法7。


カナさんは、 ステータスほぼ全て1000、スキルはアイテムボックス6、火魔法5。


そして僕は、少し隠してステータスは全てカンストと言ってある。 ユニークスキルは、急所突きとダンジョン生成。 スキルは、体力3、筋力9、頑健20、俊敏8、回復魔法3、アイテムボックス5。

 ちなみに僕のステータス値2000と、ユニークスキル<ダンジョン内探知>、そしてアイテムボックス8を隠している。 それでも驚かれてしまった。


「まさかヨシ君が、そこまで凄いとは思っていなかったわ。 それに回復魔法って何? それってHP回復のことよね。 それもかなり希少スキルじゃない?  私の治療とヨシ君の回復魔法、そしてレイナの風魔法があれば守りは完璧ね。 それにヨシ君は頑健が20って正に化け物よね」


魔法系の威力は、ステータス値と魔法のレベル、そして使うMP量によって変化する。 僕らのステータスは非常に高いので必然的に魔法の威力も高い。


「それじゃ、食事を取って、移動してから明日、2986ダンジョン前に10時集合でいい?」


僕たちは異存が無かったのでそれで解散した。 

レイナさんとミレイさんはコンクリートむき出し部屋に山積みにされた素材や、エネルギー石を見てため息をついていた。 率先してそれらを処理する担当になってくれたようだ。 

カナさんは、”色々と物資を買い集めてくるね”といって部屋を出て行ってしまった。 恐らくプライベートダンジョンの中に持ち込むものや、アイテムボックスへ入れておくものを物色しに行ったのだと思う。 

そして僕とマリはやることがない。 

ホテルを引き払ってからAI自動車に乗って自宅への帰途についたのだった。 


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