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72/202

71.  後回し

 プライベートダンジョンへ入った。 自転車に乗り”噛み付き石”を探しながら進む。 今の僕は”噛み付き石”なら一撃で倒せる。 ”噛み付き岩”でもほんの数撃が必要なだけだ。 ただし今の僕がほしいと思っているのはエムレザーや武器・防具かスキルオーブだ。 


 そして第5区画、イボイノシシゾーンへやって来た。 ここには奴がいる場合がある。 奴ならスキルオーブを落とすはずなのだ。 僕は慎重に、と言ってもやっていることは変わらないのだが、”噛み付き大岩”を探して進んでいった。


 いたっ!


 奴がいた。 さて早速戦闘開始だ。 ツッツキ君を構えて”噛み付き大岩”に対峙する。 そこで閃いた。 


 そうだ。 緑色の剣だ。

 カナさん達の事例を考えると、剣そのものでの攻撃では効果が薄くても、装備することによって装備ボーナスが付加される可能性がある。


 僕は今まで両手で持っていたツッツキ君を右手に持ち替えて、左手に緑色の剣を持った。

 そして、フェンシングのような形で構えてから”噛み付き大岩”の様子を窺った。



 お、おお。 やはり装備ボーナスは存在するようだ。 こんな強敵でも弱点が少しだけ見えるようになってきている。 もしかしてこれは短時間で討伐できてしまうのか?


 僕は改めて攻撃を仕掛けた。 そしてものの5分で”噛み付き大岩”を消滅させてしまったのであった。 ドロップ品にはスキルオーブ2つと緑色の剣が含まれていた。



 うぁ~ 今回のドロップは大当たりだったな大漁だ~。 これで緑色の剣は2本目だ~。 


 もしかして緑色の剣の二刀流ってできるだろうか。 僕は早速両手に緑色の剣を持ってみた。 

 だが何かしっくりこない気がした。 何となくだが同種の武器だと反発する? いや効果が重ならない? とにかく武器の組み合わせは重要だが単純ではなさそうだ。


 さてスキルオーブはどうしよう。 ここにはマリはいないし使っちゃうか? それとも貯めて置こうか?


 う~ん。 やはり僕が使ってしまおう。 マリが強くなったのは昨日からだから、流石にちょっと急激すぎて負担が大きすぎるかもしれない。 まあそれは僕も同じといえば同じなんだけど。


 僕はスキルオーブを続けて2つ使ってみた。


<スキル、<アイテムボックス3>を取得しました>

<スキル、<頑健4>を取得しました>


 ……。


 ぐっ、何なんだ。 なんでなんだ。

 何故余計なスキルを覚えるんだ、<器用>はどうした。 このダンジョンにはDEXを上げる<器用>のスキルはないのかぁ? 



 僕はステータスを確認した。



 LV 89


 HP   2000 + 60%

 MP   2000

 STR  2000 + 180%

 VIT  2000 + 400%

 AGI  2000 + 160%

 DEX  2000

 INT  2000

 MND  2000


 スキル:  体力3(ON)、筋力9(ON)、頑健20(ON)、俊敏8(ON)、回復魔法3(50/50)、アイテムボックス8 (5/10)

 ユニークスキル:  急所突き、ダンジョン生成、ダンジョン内探知




 アイテムボックスが8になってる。 これは1万立法メートルのサイズだ。 立方体にすると、一辺が20mを超えているぐらいだ。


 まあ、それはいい。

 問題はマリのアイテムボックスのサイズを超えてしまったことだ。 

 これじゃあ僕がポーター役になってしまうかもしれないじゃないか!

 これは黙っておかねばならない。 絶対にバレてはいけない。 少なくともマリのアイテムボックスの容量が僕のを超えるまでは。



 そして、一つため息をついた後、気を取り直そうとしたのだが、それだけではすまなかった。


「ええっ!!」


 ま、まさか。 頑健のレベルが20?  先ほどまで18だったレベルが4増えたのに20? 計算が合わないじゃないか。

 いやいやいや、これってまさかスキルの上限か?

 いや、スキルの上限は、ステータスの上限の言い間違いだったはずだ。 

 ぐっ、これは混乱してしまうぞ。 


 ……。


 ま、まあ、これは真のスキルの上限と言って良いかもしれない。 今度こそこれは一般に知られてない事実なんじゃないだろうか。 これは新発見だな。 うん新発見だ。


 僕はちょっとクラっとしてしまった。

 なぜかスキルについては最近ショックを受けがちだ。 今の目的は、スキルオーブ集めでなくて武器なんだけど、必然的に強い魔物からはスキルオーブが落ちるからスキルオーブも自然と集まってしまう。


 まあいい、次だ次。 

 ……いやまてよ? 一度外へ出てリセットしてからさっきの”噛み付き大岩”を探したらどうだ? 

 第5区画なんだから入口からの距離は精々20km程度だ。 


 そして僕はこの区画までの往復を始めたのだった。 それから8回往復して”噛み付き大岩”を発見できたのは5回。 討伐の成果は、スキルオーブが6個、緑色の剣は1本、緑色の腕輪? が一つだった。 まあ、上々と言ったところだ。 ちなみに途中で倒した”噛み付き石”と”噛み付き岩”はそれぞれ5体と3体だった。 ”噛み付き石”とかは自転車を降りるのが面倒だったので途中から倒すのを止めてしまったから少ない。


 スキルオーブは使わないで残してある。 もし使ってしまってアイテムボックスが出てしまったら、もしカンストしている<頑健>が出てしまったら、後悔しそうだと思ってしまったのだ。 これだけスキルオーブを集めることができるから使ってしまえという考えが正解のような気もするが、とにかく僕もさすがに精神的に疲れ気味だ。 僕は何せつい数日前にF-1ランクの冒険者になったばかりだ。 それなのにステータスはカンストするは、スキルすらカンストした?項目が現れ始めているのだ。 


 まあ、今はそれほど急ぐ必要もないだろう。 必要になったら使えばいい。 後回しにしよう。 そうしよう。


 そして僕はホテルに戻って休んだのだった。

 ちなみに僕のレベルは92になっていた。 ステータスは上限に達していて上がらないから何の影響もないところが悲しいところだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 他の人が1000のところ2000ってことは、他の人のスキル上限は10なのかな
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