表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/202

14.  スポーン

 オークを倒したミレイさんは、僕とオークファイターの隙を窺うようにして慎重に近づいて来た。 僕は防戦一方であるものの確実にオークファイターの攻撃を凌ぎ続けている。 そこへミレイさんが加わり、2対1での戦闘になった。

 僕に夢中になっているオークファイターは、近づいてくるミレイさんには気づかない。 その隙を見計らってミレイさんがオークファイターへ剣を打ち込んだ。


 ガシン。


 剣は見事にオークファイターの胴体に命中した。

 しかしオークファイターの装甲はかなり固いらしく、あまりダメージを与えられていない。 それでも攻撃されたことに気づいたオークファイターは、ミレイさんへ牙を剥き剣で攻撃を仕掛けてしまった。


 キーン。


 ミレイさんは(ひる)まずにその攻撃を見事に受け流した。

 明らかに腕力が上のはずのオークファイターの攻撃を、技で(さば)いてみせたのだ。

 見事だ。 ミレイさんの本当の実力を垣間見た気がした。

 

 僕も負けてはいられない。 

 すぐにミレイさんに気を取られているオークファイターの死角へと回り込んだ。

 そして気づかれないようにチャンスを窺い、ここぞという場所へ剣の突きを繰り出した。


 ズン。


 剣はいとも簡単にオークファイターの脇下へ深く突き刺さり、その一撃でオークファイターは致命傷を負ったのだった。



 オークファイターを倒した僕は、戦況を確認するために周囲を見渡した。 教官2名はまだオークファイターと戦っていて予断を許さない状況のようだ。 2名の実習生の内1名はオークと互角で、あと1名は怪我を負いながらもオークの攻撃を防具の性能を活かして何とか持ち(こた)えている。 


 僕とミレイさんは怪我した1名に加勢し瞬く間にそのオークを片づけると、続けて残る実習生と戦っていたオークも軽く始末してしまった。 これで残りは教官達が相手しているオークファイター2匹のみになった。


 僕は教官Bに加勢することを選択し、そのオークファイターに攻撃を開始した。

 教官Bは優勢に戦ってはいたが、後衛職として支援に入っていた教官なので、攻撃を回避しながら隙を見て攻撃するという、どちらかといえば消極的なスタイルの戦いを繰り広げていた。


 そこへ更にミレイさんが加勢したことで3対1になり、例の如く死角へ回り込んだ僕の突き攻撃によりオークファイターは砕け散った。


 その後は消化試合となった。 教官Bが教官Aをアシストして、最後のオークファイターを危なげなく倒したことで戦闘は終了した。


 <レベルが上がりました>

 <レベルが上がりました>

 <レベルが上がりました>

 <レベルが上がりました>

 <レベルが上がりました>

 <レベルが上がりました>


 僕は自分のステータスを確認した。


 LV   8 


 HP 108

 MP 112

 STR 102

 VIT 152

 AGI 111

 DEX 100

 INT 100

 MND 100

 ユニークスキル 急所突き


 オークとオークファイターを倒したことによってレベルが大きく上がった。

 特にオークファイターに止めを刺したことが大きいようだ。 経験値はパーティにも入るが、止めを刺した者にはランダムに経験値ボーナスが入るのだ。


 戦闘が終わると教官Bは、すぐに怪我をしたF君に駆け寄って治療魔法で治療を施した。


「君たち、大変すまなかったな。あんなタイミングで魔物がスポーンするとは思わなかったよ」


 スポーンとは、魔物がダンジョン内で現れることである。 ダンジョン内では魔物が消え去った後、暫くしてスポーンすることは普通なのだが、今回のように即スポーン、しかも上位種がスポーンというのは大変珍しいケースだ。


 こんなイレギュラーなことが起こるので、初級ダンジョンとはいえ油断ならない。 いかなる時でも万全な備えが必要なのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ