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8年ぶりの夫

設定は細かく考えるのが好きなのですが、

考え過ぎて一周して結局ガバガバになっております。

どうか生暖かくでも結構ですので、温度をもってお読みいただけると嬉しいです。

「これはどういうことか」



とうとうこの時がやってきた。

必ず免れぬと覚悟していたその瞬間が。



8年ぶりに間近で拝する夫の顔は恐ろしいまでに美しく、絶対的な存在感を漂わせていた。


威圧的な冷たい眼差し。

全身から滲み出る懐疑と拒絶の気配。

覚悟はしていたがまさかこれほどとは…。



だけど!

伊達に今日という日を迎えるために準備をしてきたわけではないわ。


この8年、死に物狂いで学び、情報を集め、己を研鑽してきたのだもの。

ここで一歩も引くわけにはいかない。

怯んでなるものですか!


だってやっと、やっと恩返しが出来る。

全てを失ったあの日から、いつか恩に報いて役に立てるようにそれだけのために生きてきた。


19歳になり、後宮を出る事を公に許されてようやく側で尽くす事が出来る。


(負けないわ!決して本当の身分を明かす事は出来ないけれど、しっかりきっちり、そしてバッチリと恩返しさせていただきますから!)








    ~まずはじめに~  



ここは

あなたが暮らす世界の過去、

そう例えば中世のような近世のようなそんな時代とよく似た世界。

でも少しだけ違うのは魔力や精霊や竜、そんなものが当たり前に存在する世界だということ。


この物語の主人公が身を置くハイラント王国は大陸屈指の国土を有し、太古より魔力を受け継ぐ血筋を持つ国王が治める君主制国家である。

そのハイラント他、大なり小なり混在する国々の(ほとんど)が 

“エンシェントブラッド”と呼ばれる魔力を持つ王や女王、大公によってそれぞれ治められていた。


ではエンシェントブラッドとは。


この世界が始まった頃、いつだったか定かではないがヒト族や魔族、精霊や聖獣、そして竜などがまだ棲み分けもせずに入り混じり、もっと混沌としていた時代にその者達は誕生した。


魔族やその他の存在達よりも知能は高いが非力で寿命も短いヒト族が知能は低いが神に準ずる能力を持つ魔族と交配して新たな種を創り出した。


そのヒト族と魔族の交配種はヒトの姿形をしていながら魔族の力、すなわち魔力を持って生まれてくる。


あまりにも身を守る術すべを持たないヒト族の生き残りを賭けた苦肉の策といえよう。


そうしてヒト族はその新たな交配種を複数名生み出し、その者達にヒト族の守護と統制を任せた。


それが今も続くエンシェントブラッド達の()だ。


永い年月の中で淘汰された交配種もいたが、

彼らはその魔力を守るために脈々と血を受け継いでいった。


そうしていつしか数が膨れ上がったヒト族…人間を、魔力を持った者達がそれぞれ纏まとめ、国という一つの形を創っていった。

これがこの世界の国の成り立ちだ。


今の時代に生きる エンシェントブラッド達の代表格が各国の王族や上位貴族たちだが、市井の中、民草の中にもごく少数だかエンシェントブラッドは存在する。


そんな世界がこの物語の舞台なのである。

まずは物語の世界観から…。

次回から本編が始まります。

どうぞよろしくお付き合いくださいませ。

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