side アスケラ③
これって章のやつってどうするんでしょうか。
しょうだけに。
「さっさと俺の視界から消えされ」
灰色の魔人、デルフィニウムは数十というあらゆる形の鉄を創り出し飛ばしてきた。それを避け時にはいなして魔人へと接近しそのまま斬りかかった。魔人は「ハッ」とバカにしたように笑いこれまでの数倍の数の鉄を一瞬にして創り出し飛ばしてきた。
「ちっ」
俺はたまらずバックステップをまたいなして避けてを繰り返した。それによりまた初めの位置に戻されてしまった。
「ハッ、雑魚が俺に近づくなど許されるはずがないだろう?」
また鉄の量が増加したのを感じた。自分が全力を出しているのにここまで相手にされないと感じたのはいままでなかった。1人では勝てないことを悟り、それからは走って避けてを繰り返し時間を稼ぐことに徹した。
「そろそろ虫で遊ぶのも飽きてきたな。これでしまいだ」
視界を埋め尽くす程の鉄が出されこちらに向かってきた。この9割はいけるがこれはまずいなそう感じた。絶望的な状況のなか俺は絶望ではなく希望を見出していた。目の前に迫ってきた時、暴風により鉄はあらゆる場所に飛ばされた。
「村人はみんな王都に転移させたわ。これはどういう感じなの?」
俺はサルビアが近くに来てくれているのを感覚で感じとっていた。こういう数で攻めてくる敵はサルビアが有利だからな。
「ちっ、またゴミがきやがったか。めんどくせぇ。うっぜぇーんだよ!さっさと切り裂かれやがれ!!」
また鉄が迫ってくるがさるが魔法で封殺してくれている。
「魔王と封印されていた魔人が復活して近くにあったこの村を襲ったらしい」
「めいわくな話しね、そんなことよりダン知らない!」
そう焦った風に聞いてきた。
「ダンならいつもの山で練習しているはずだから大丈夫だろ」
「そう……そうならいいんだけど」
「だから戻ってくる前にさっさとやつを殺そう」
「ええそうね」
俺はサルビアの援護を受けることにより魔人に接近することができるようになった。
「さっさと死ね!」
あらゆる角度から飛んでくる鉄に対処するために前から飛んでくる鉄をいなし横からくる鉄にぶつけ後ろから飛んでくる鉄も相殺した。俺はそのまま左から右へ思いっきり斬りかかった。魔人は斬られないように鉄を固めていたがそれごと斬り捨て魔人の右手を切った。魔人は体を反らし致命傷を防ぐことに専念したようだ。
「ぎゃあああ」
魔人から悲鳴が漏れる。すかさず魔人の命を絶つために再び斬りかかるが、多量の鉄を飛ばしてきたことにより1度退いた。
「クソっ!全盛期ならこんなゴミ共など!!即蹴散らせるのに!これでどうだ!」
魔人の頭上に建物ほどの大きさの鉄球を創り出しそれを飛ばしてきた。
「あなた!」
「大丈夫だ!1個なら!」
俺はその鉄球の横腹を大剣の側面で思いっり弾いた。
そうすると鉄球は角度を変えて飛んでいった。
これが俺の最大のミスだとはこの時は思いもよらなかった。
魔人の方をみると元の場所にはいなくなっていた。
「逃げたのか?」
「いや、まだ近くにいるわ。鉄球の方面ね。追いましょう」
俺たちは今が魔人の討伐チャンスだと踏んで魔人の方向へと走った。
鉄球の近くに魔人がいたがそれよりも考えたくない光景を見てしまった。ダンが流血しながら倒れていたのだ。
「ダン!どうしてここに!」
「へぇ?こいつお前らの知り合いか?いや……この反応的には家族だろ?お前らは家族とやらをたしか大切にしてたしなぁ。ギャハハハハ!これは楽しいなぁ」
魔人がとても愉快そうにしながらこっちに振り向きながら言う。サルビアの顔が真っ青になっている。
「頼む。その子には手を出さないでくれ」
俺は頭を下げてそう言った。俺は馬鹿だからこれくらいしか考えつかなかった。
「お願いします。その子だけには手を出さないでください」
サルビアも俺に続いてそう言った。
「ギャハハハハ!愉快、愉快。だけどそれが頼む時の言い方か?あん?」
「お願いします。デルフィニウム様、俺たち下等な種族に慈悲をお与えください」
俺は即座に頭を床につけた。頭から血が出てくるが痛みも何も感じない。今感じていることはダンが無事かどうかだ。プライドもダンの命のためならごみ溜めに捨てる。
「ギャハハハハ。……無理だ。こいつには死んでもらう。悲しめ!こいつはお前らのせいで死ぬんだよ!」
そう言って魔人はダンの命を絶つために充分な大きさの鉄を作り出し飛ばした。
「ダン!!」
サルビアは叫んだ。俺はその声も聞こえずにただあの鉄がダンに届く前にダンに辿りつくことだけを考えた。
遅い遅い間に合わない。
剣が邪魔だ!息がうるさい!命を賭けろ!リミッターを解除しろ!走れ走れ!この思考も捨てろ!
よかった。間に合った。
すみません。真面目なシーンなのに初手でダジャレで (٭°̧̧̧ω°̧̧̧٭)