side アスケラ②
レポートでなかなか書けなくて悲しい
ドンっ!という音が聞こえると同時に凄まじい衝撃が俺たちを襲った。俺は近くにいたサルビアの前に出て凄まじい衝撃とともに飛んでくる石や家の破片などををいなした。
俺達はなにがあったっと気にする間もなく警戒態勢に移行した。
「サルビア村人達の避難を任せた!」
「分かったわ」
今まで戦ってきて磨かれた勘が告げるままそう言った。このまま戦いになれば生きてる村人のみんなはみんな死ぬだろうと。
俺は衝撃があった方に走った。衝撃があったのは村の中心地店、つまり聖石が置かれている場所だ。見えてきたのは大きな鉄球と灰色がかった人型の男だった。人間かとも一瞬思ったがこの状況と人型の人間ならざる雰囲気によりその可能性は排除した。
「あん?なんだ〜?これで全員動けなくなると思ったのに動けるやついるじゃん?うっざ」
「お前何者だ」
「ギャハハハハ!脆弱な人間の癖に俺様に質問とはうっぜーな。まあいいだろう。答えてやる。魔王軍、四天王が1柱、金王デルフィニウムとは俺のことだ」
「四天王…」
「おいおい!ビビってんのか!ギャハハハハ!怯えることを許してやるから怯えろよ!ギャハハハハ」
1000年前に暴れたとされる魔王郡の四天王が1人なぜ突然?そんな化け物が生まれるのが感知できなかった?それよりなぜこんな場所に?情報が足りなすぎる。フリージアが村人達を避難させている間の時間を稼がなくては。いや、フリージアだけでも逃げた方いいのではないか?クソ!考えを纏めろ!
こいつの話し方からすれば情報を集めて時間も稼げるはず。
「すみません。四天王様とは知らず無礼を働きました。」
「あ?なんだ?急に身の程をわきまえるようになったじゃねえか。人間とは思えねえ態度だな。気に入った!お前の名前なんて言うんだ?まあすぐ忘れると思うがな!」
「紹介遅れて申し訳ございません。わたくしの名はアスケラと申します。一切の瘴気も魔力も感じなかったため、四天王様だとは思えませんでした。どうして感じることができなかったか無知のわたくしめに教えていただけませんでしょうか」
「いいだろう、お前のようなゴミのために俺様が教えてやるよ!魔族はみんなそこらの害虫のように瘴気を垂れ流しにしてねぇんだよ!抑えることができるからよりコントロールができて強い!つまり感じれないやつほどつえってことだ!どうだ恐れ入ったか!ギャハハハハ」
魔族……これはやっかいだな。魔王とともに封印された魔族が封印から解き放たれたということは魔王の復活ももうまじかか。
「他の魔族の方はいらっしゃらないのでしょうか。」
「あん?そりゃ俺が1番最初に封印から開放されたからな!なんたって上位魔族だからな。ギャハハハハ」
「なぜこのような場所に貴方様のような方がいらっしゃったのでしょうか」
「はっ!封印から目覚めて体が万全じゃねえから運動しようと思ったからだ。どうせゴミは全部潰すんだから今殺っても後から殺っても変わんねえだろが。まあお前は気に入ったから最後に殺してやってもいいがな!ギャハハハハ」
つまりサルビアやダンをこいつは殺すと言うことか……最近は忘れていた感情が腹の底から湧き上がってくる。
「あん?なんだそりゃ」
「お前が私の家族を傷つけようとするならば私はお前を殺さなければならない!家族のために今からお前を殺す」
「あ?人間の癖に?俺を殺す?ギャハハハハ…うっざ、ぶっ殺す!!」
そして2人の戦いが始まった。