side アスケラ
うーん、今日も天気が良いな!もうサルビアは起きているみたいだな!いつも朝早くに起きてご飯を作ってくれる本当にいい嫁だ!
「はっはっは!おはよう!今日も最高に綺麗だな!」
「ふふっありがとう」
「はっはっは!今日のご飯も美味しそうだな!いつも美味しいご飯をありがとう!」
サルビアが笑顔で答えてくれる。ほんとうにいい笑顔だ。絶対にこれからもこの笑顔を守ってやりたいな!
少し時間がたち階段から足音が聞こえてきた。ダンが起きたみたいだな!ダンが廊下から台所が見えるところにきた。今日は何かいつもより元気がなさそうだな!愛しのダンに元気をやろう!
「はっはっは!今日も元気かダン!一緒に特訓するか!」
ダンは苦しそうな顔をしているのが分かる。
「ダンそろそろ冒険者なんかやめて畑とかしない?案外畑もたの」
とシルビアが戸惑いながら口にした。ダンは一瞬すごく悲しそうな顔をした。そしてすぐに顔を戻して叫んだ。
「うるさい!」
「あっちょっと待ってダン!朝ごはん用意してるの」
シルビアの声に振り返りもせずにダンは走っていった。いつも冒険者以外を進めた時は流していた、ダンが俺たちに向かって暴言を入いたのは今日がはじめてだった。
去年王都に行った後からダンは俺たちを避けている。それより前から避けていたのは分かっていたがよりそれが顕著になった。仲間たちとの差が分かってしまったからなのだろうな。
「私ずっと後悔してるの」
とシルビアが口にした。
「天職の儀の後フリージアの王都への引越しや、魔王復活への対策のために送られてきた使者たちへの対応のせいでダンにきちんと構ってあげられてなかったって、あの子が苦しんでるのは分かってたのに放っておいてしまった」
シルビアが目に溜まった涙を流しながらそう口にする。ダンのとても苦しそうで悲しそうな顔がそうとう堪えたのだろう。
俺はもちろんシルビアも自分の身が引き裂かれるような痛みを感じたんだろう。
「あの子がいつもボロボロになるまで頑張っているのは知っているけど、いつもあんなふうに戦ったりしてたらいつか取り返しのつかないことになるんじゃないかってすごく怖いの。だから暗に夢を諦めるように言ってるの。それがあの子の夢を否定し職業を受け入れろと言っているような最低な行為だとわかったとしても私はあの子が生きていてさえすればいいから。ほんとに子供のことも考えず自分勝手なことしかできないなんて親失格ね」
シルビアがダンのことで悩んでいたのは知っていた。俺ですらダンへの対応をどうすればいいか分からなくなっていたことがあったんだ。シルビアはとても悩んだんだろう。シルビアもダンも1人で抱え込む節がある。シルビアがここまで弱音を吐ことはいままであまり無かったし、ダンがあそこまで自分の弱い感情を出すことは無かった。たしかに俺もいつかダン俺たちに相談てくれるだろうと楽観視していた。俺も親失格だ。もっとしようがあっただろと後悔している。だからこそ俺は明るい未来をみなければならない!
「なあ、シルビア。昔結婚した時に話したこと覚えてるか?親の愛を知らない、子供への愛し方をしらない俺たちに子供ができたら手探りでも、子供にいっぱいの愛情をあげようって」
「うん、もちろん覚えてるわ」
「たしかに俺たちは親失格かもしれない、過ちを犯したかもしれない。だけど死ぬまで気づけなかったのより今気づけて俺は良かったと思う。だってその間違った分をこれから取り戻す程の愛をあげればいいんだから。まだまだ人生は長いんだ。ダンが帰ってきたらみんなで集まって話そう。少なくなった話す時間をすべて取り戻すくらい話そう。ダンが苦しんでるのなら一緒に苦しもう。ダンが悩んでいるなら一緒に悩もう。話そう今までのこと、そしてこれからのことを家族みんなで」
「そうね……あなたありがとう」
シルビア涙で濡れた笑顔でそう言った。
「こうしちゃ居られないわ!シルビアにも今日話があるからって連絡がしなきゃ。そうだわ!今日はシルビアとダンが好きな物ずくしにしましょう!」
「はっはっは!俺は肉そのまま焼いたのも食べたいな!」
「ふふっ、そうねじゃあそれも入れましょう。」
俺たちはこれからどんなに難しくても家族との新しい1歩を踏み出すと決意した。
そして来るはずのない明るい未来に胸をふくらませていた。