プロローグ 12歳②
魔動馬車に揺られながら4日がたってそろそろ尻が悲鳴をあげてきた。よし鍛錬を言い訳に外でて立てろう。
「父さん、母さん鍛錬のために馬車降りて走ってもいい?」
「はっはっは!俺も鍛錬したくなってきたな!よし!一緒に走るか!」
「職業もまだ授かってもないのにこんなモンスターがいつ現れるか分からない場所なのにそんなことダメよ。それにあなた達お尻が痛くなってきただけでしょ」
「「ギクッ」」
「あはは!ダン怒られてやーんの」
「う、うるさい!」
村の外だしモンスターが出てくるから危ないのは分かってるけど尻が痛いんだよ。とういかなんでモンスターって村の中では出てこないで外では出て来るんだっけ?
「そういえばなんでモンスターって出てくるんだっけ」
「はっはっは!それはな……はっはっはっはっは!」
「もしかしてあなたも分からないわけじゃないわよね?」
「はっはっは!忘れた!」
母さんはため息をつきながらジアに話しかけた。
「ジアなら分かるわよね」
「魔王の魔力……」
「それだけじゃ分かってるか伝わらないから」
「私は分かってる……」
「それじゃあダメなんだって」
母さんはまたため息をついてる。
「母さんため息ばっかりついてたら幸せが逃げるんだよ」
「誰のせいよ……」
頭を抑えながら母さんは言った。
「はいはーい!私説明できます!」
「じゃあアイビーちゃんよろしくね」
嬉しそうにアイビーは答える。
「1000年前にこの世界に魔王が現れて魔王の特別な魔力によってモンスターが生まれたの」
「魔王って勇者に封印されたんだったらモンスターなんで今も生まれてるの?」
俺は昔聞いた話をなんとか思い出しながら疑問に思ったことを口に出した。
「封印されても魔王の魔力すべては封じ込めることができなかったらしいの。だから封じられているどこかから魔力が漏れだしてモンスターが今でも生まれ続けているのよ。そして魔王の魔力で生まれているから人を襲うのよ」
「へぇ、人を襲うのだったらなんで村は安全なんだ?」
「それは聖女様が作ってくださった聖石が魔王の魔力を拒絶してモンスターを来れなくしてるからよ」
「空気中に漂ってる魔力ではモンスターは生まれないのか?」
「えーと、それは…」
とアイビーが俺の質問に答えてくれていると母さんが突然大声で言ってきた。
「あなた達はここで動かないで!モンスターが近くに生まれたから退治してきます!あなたいきますよ」
「はっはっは!全部叩きってやるぜ!」
父さんと母さんは他の人が道を通る時危険がないように近くで敵が生まれた時倒しに行くと村で言っていた。それが力あるものの役目だからだと。父さんは黒く大剣を担いで、母さんは杖を持って魔動馬車を降りた。外をみると20体ほどの緑色の巨大なオークとかいうやつがいた。
「はぁ!」
父さんはたちまちオークに接敵し目にもとまらぬ速さでオークを6匹切り殺した。オークが父さん達に気づいて襲ってくる。
「アイスランス」
しかし母さんが作った氷の針で呆気なくオーク達は心臓を貫かれて全滅してしまった。
「おお!かっけー!すっげー」
俺たち子供は12歳の職業を授かるまでは住んでいる場所を出ることは推奨されていない。父さんと母さんとで強くなるための訓練を一緒にすることがあるが父さんと母さんの戦いをみることはあまりない。日常とも訓練の時とも違う2人はとてもかっこよくそして大きく見えた。
「私もあんなふうに戦えるようになりたい」
「うん、僕もあんなふうにみんなを守れるようになりたいね」
「かっこいい…」
「俺も父さんや母さんのように大切なみんなを守れるようになりたい」
俺は父さん、母さんのように強くなりたいという気持ちがより大きくなったのを感じた。




