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傍観主でいさせてくださいっ!〜最強設定トリップ夢主は貞操を守りたい〜  作者: Sio*
トリップ夢主は傍観主になることを決意する。
6/30

もういっそ、殺してくれ……っ!


頭ではちんぷんかんぷんなんだが、体は理解しているらしく、真新しいノートには授業内容を完璧に、そしてとてもわかりやすく纏まっていた。

我ながら怖いなこの体。姫愛ちゃんのだけどもさ。


今日の授業は午前中で終わり。午後から部活が始まる。

せっかくカフェテリアが無料で使えるんだからと行ってみたが、結構な混み具合である。無料じゃなくてもかなり安価だし、どこか買いに行くにも1番近いコンビニすら1時間1本のバスで30分だからね!終点だよ!!

あ、そう言えば近くにクラスSしか入れない温室があったな。確か食事やお茶を楽しめるようテーブル一式はあるって原作で言ってた気がするから行ってみよう!






「いただきます」



卵料理大好き人間は、ふわとろオムライスに惹かれて注文しました。濃いめのデミグラスソースとシンプルな味付けチキンライス、そしてふわとろの卵…♡付け合わせのにんじんドレッシングのサラダや暖かいスープもとても美味しい。

私ここ通ってたら太る自信ある。……やっぱり運動部にするべきか…!?いやでもヴァイオリンやりたいいいい!!


食後のアイスティーで一休みしたら、いい感じの時間かな。

確か管弦楽部は第一音楽室がメインって言ってたはず。向かってみようかな。


ふぅ、と一息つくと、影がかかった。



「────っ!?」



「こんにちは、真宮さん」



「こっ、こんにちは…!」



びっくりした!!!!目の前に北御門悟!!!!顔がいいなコノヤロウ!!!!

なんで名前──って思ったけど、唯一の女子だし代表やったしで生徒会長なら確実に知ってるわな、すまん。


しかし本当に笑わないなぁこの人。今少し会話したけどにこりともしなかった。確かに原作でも中々笑わない人だけどさー!笑った時、優しそうな感じやちょっと幼くなるギャップがとても話題になってたのを覚えている。悟推しの狂気っぷりが凄かった。



「真宮さん」



ぴくり、と跳ねた。

悟はいつの間にか狭いベンチの隣に座り、私の右手に手を重ねていた。

ち、近い…!



「な。んですか」



吐息が、かかる。



「ありがとう、部活紹介の時、周りを静めてくれて」



「いっ、いえ…!静かに聞くのが普通ですから…!」



「生徒会長なのに、頭が真っ白になって…何も言えなかった。だから、<font size="2" color="gray">本当に───</font>」



「ん────っ!?」



くちびるに、柔らかい感触が当たる。

食み、舐め取り、吸い付き、いやらしい水音が耳の奥から響いてくる。


なにこれ、どういうこと!?意味がわからない!!



「んっ、ぷぁ…、なにすっ」



息継ぎにくちびるを離すとそれを追いかけるように再度重なる。抗議のため開いた口に強引に舌が入ってきて。先程よりも激しい音が私を犯す。


なんで、どうして、悟が…!?

好きなタイプはわからない、興味が無いで貫き通し、告白されても「どこに付き合えばいい?」と素で言うような人に…っ!!

※全て公式ファンブックキャラ紹介より


こんな、熱の篭った目で────



「────っ、だめっ!!!」



「∑っ!?」



片手が太腿に触れた瞬間、悟を突き飛ばした。

全力で抵抗したからか、彼の体は軽く吹き飛んだ。



「──っ、しょ、初対面の女子にこんなことしないでくださいっ!!!!最低!!!!」



「っ、あ、真宮さん…っ」









最低最低最低最低!!!!!!!!

本当に意味がわからない!!いきなりなんなのあの人!?そんなことする人だったなんて!!!!

あ、あの、熱の篭った表情は、ちょっとエロかったけど…!


……でも、そんな素振り、原作他でも一切見せなかったよね…?むしろライバル校のガールズバンドが着ていた際どめ衣装に「破廉恥だ」と顔を顰めていたくらいだし…………。








──────待てよ。

直近でこんなシチュエーション、見た……いや、読んだ記憶がある。


お昼の時間、誰もいない温室。


部活紹介で助けられたと悟に声をかけられ、いきなりくちびるを奪われる。


それは啄むようなものから、段々と深いものに変わっていき、右手が太腿を滑る。


そして─────



「お前に一目惚れした。だから───」



<font size="3" color="pink">俺とシテくれ。</font>







そう、先日見つけてしまった私の黒歴史。



中学時代に書いた激裏夢小説で。









「もういっそ、殺してくれ……っ!」




もしかしたら私は、自分の夢小説にトリップしたかもしれません。




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