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傍観主でいさせてくださいっ!〜最強設定トリップ夢主は貞操を守りたい〜  作者: Sio*
貞操が掛かってなきゃ憧れてたシチュエーション(文化祭編)
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お世話になります、少しだけ


言葉はなかった。


エンターテイナーとして余りにも完璧だった。

ずっと笑顔で、楽しくて仕方がないって。

少しのミスも助け合い、笑い合える。

その後MCで弄り、笑いに変えるのも忘れない。

演奏レベルも格段に上がっていた。


周りは腕を振り上げ、タオルを回し、レスを叫ぶ。

クラシックじゃ出来ない、軽音楽だからこそ!バンドだからこそ!出来る全てをやった!!


なんの文句の付けようがない、私の大好きなPraveそのものだった。




打ちひしがれた私の背を、誰かが優しく撫でてくれた。









「結果を発表します」



集計係を買って出てくれた2年の学年代表、南畝先輩が静かに告げる。



「まずは先攻、管弦楽部。満足度は97.3%。非常に高い数値です」



部長は満点じゃないことに不満がありそうだったが、柊崎先輩はほっと短く息を吐き、秀くんと宗くんは軽くハイタッチを交わす。

確かに、原作の管弦楽部の数値より、軽音楽部の数値より高い。

小さい事だが、未来を変えられたという希望にもなる。

─────けれど。



「後攻、軽音楽部。──────97.5%。僅かながら、軽音楽部が上回りました」




蒼空が喜びの声を上げる。蒼海が泣き出し、遥斗がそれを涙ながらに慰め、諒太郎は蒼空と抱き合った。悟はそれを、愛おしそうに眺めていた。










「では。お世話になります、少しだけ」



「おー、悪いな。しかし、承認されて良かったなぁ」



「えぇ、本当に……」



白雪祭が終わって数日。

私はひとつの提案を生徒会に提出した。



「校則を使って条件反故なんてされたら意味ないですもん」



そう、文武両道を掲げる聖櫻には、廃部条件のように、部活動についても細かな校則が設けられていた。

そのひとつに『活動時間』がある。



「あー、『部活動に所属するものは最低週三日、述べ9時間の活動を義務付ける。』だっけか?」



Prave!に出てくる校則しか知らなかった私は、条件を取り付けたはいいものの、思ったよりすんなり承諾した彼らをおかしいと思って独自に調べたのだ。今思えば先生たちも、話をした時ちょーっと顔を顰めてたからね……。その時言えよと後ほど問い詰めたけど。

つまり、私の条件は校則に当てはまらないから強制的に部活動に参加させよう……あわよくば犯そう……と考えてたんじゃないかと思う。気付けて良かった。

兼部が許されてるにも関わらず、いないのはこういう背景もあるのではと思い、私はそれでは意味が無いと、この提案をした。



「使ってるやつ、早速いるみたいだぞ。特別部員制度」



『特別部員制度』────

ネーミングセンスがないのは許して欲しい。浮かばなかったんだ。

簡単に言うと、校則の活動時間を無視してもいい部員のことだ。

条件としては

・既にメインとなる部活に所属していること(私の場合、管弦楽部)

・現在の活動又は将来活かせる部活動であること

・双方の顧問に許可を貰うこと

である。


メインの部活がないのに活動時間短縮は幽霊部員や名前だけ、なんてのを増やす一端になるので、それを許さないのは聖櫻の方針だ。

顧問の許可は言わずもがな。

大事なのはふたつめ。多分使ってる人はこれを考えてる人が多いんじゃないかなと思う。

例えば。スポーツ推薦で聖櫻に来た。しかし将来を考えて管理栄養士になりたい。その為には料理の腕もある程度磨きたい。なので週一で調理部にお世話になりたい。とか。

技術向上のため、足を速くしたいから陸上部に入りたい。とか。

体幹鍛えるのにダンス部入るとか────使い方は様々だ。

私の場合は将来音楽の道に進みたいが、クラシックだけでなく様々なジャンルに触れることで新たな発見があるのではないかー、みたいな理由をこじつけた。許可取った。


提案した時、悟は全力で反対してたが、部長や南畝先輩が全力で論破してあの場にいたほとんどの人を味方につけたおかげでちょーっと揉めたが通ってすぐ施行となったのだ。万が一に備えて相談しといてよかった。仕事が早い。



「んで、いつこっち来るんだ?」



「私も大会控えてますからねぇ……とりあえず月曜ちょーっと伺います」



りょーかい。とひらひら手を上げた中後先生に頭を下げ、職員室を出た。はぁ、一段落。



軽音楽部に入ることになったが、極力関わらないことには変わりない。傍観主への道は諦めない。逃げきれてから帰る方法探そう、うん。

あーーーー、どうにか恋人を───



恋人───────






透真先輩、どうしよう……。












正直、私が思う恋人の条件にはぴたりと当てはまるのだ。

原作にはいないモブだし、軽音楽部との関わり少ないし、優しいしかっこいいし練習付き合ってくれるし人望あるし可愛がってくれてるし。攻略キャラにいたら絶対好きになるタイプだ。確信してる。間違いなくあとの楽しみに1番最後に攻略するわ。



その、透真先輩が、好きだと言ってくれた。

触れるだけのキスも、嫌じゃなかった。

むしろ、もっと、って、言いそうだった。



ならもう付き合えよと思う人もいると思う。私も外野だったらそう言ってる。

姫愛ちゃんにも、勧めたい人選なのは間違いない。


でも、とてつもなく怖い。


彼は私のどこを見て好きになってくれたのか。疑いたくないけど、顔なのか、身体なのか。

あの純粋に好意を抱いてくれてる目が、身体だけを求める下種の目に変わるのが、怖い。

恋人って立場を免罪符にして、私の身体を好き勝手にした、あの人のようになるのが。




無意識に太腿を擦る。

その指が震えていて、私は深くため息をついた。




次回から第3章開始予定です。

準備期間を頂きまして、4月から再開を予定しております。

その間は表現の関係上ムーンライトノベルさんで公開してます傍観主閑話集や短編を上げていく予定です。

興味のある18歳以上の方はよろしければそちらもご覧下さい。


追記:仕事が繁忙期に入ってしまい、想定以上にストックが出来ておりません。

現在再開の目処は立っておりませんが、落ち着くのが11月頃となっているためそこまでお待たせしてしまうかもしれません。

また決まりましたらご連絡致します。

それまでお待ち下されば幸いです。

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