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やるしかないぜ!

最終回です!「ツッパリ悠平2・青春純情編」を読んでくれてありがとうございます!楽しんでくださいね!!

 「てめぇ、コラ、コラ、てめぇ、コラァ、ちょっちぃ、待てよう」中沢芽蘇詞流己は激烈に怒った顔をしていた。ブフッ。面白い顔だな。

 

 「待ってんだろうがよ。何だよ? 味噌汁好き?」俺は茜の顔を見ながら中沢芽蘇詞流己に言った。いやぁー、茜の顔が可愛いわ。マジで恋して良かったわ。俺、今、スゲェ茜のピンクの唇にチュウしてぇわー。あはははは。

 

 「悠平、私に聞いてもしょうがないんだけど」と茜はむくれた顔をしていた。 

 「悠平、どうでもいいけどよう、午後からは、ちゃんと学校に行けよ。お母さん、今から、銀行に行かなきゃならんのよ。本当は悠平をブッ飛ばしたいところだけどよう。茜ちゃん、悠平を頼むわ。よろしくね。悠平! 帰ったら焼き入れるからね」女子高生みたいな可愛い名前をしている俺の母親、川崎彩夏(かわさきさやか)はママチャリに股がった。 

 「テメーら、家のバカ息子をナメんじゃないよ。覚悟しとけよ、この野郎」と現役を彷彿とさせる口の悪い言葉を中沢芽蘇詞流己、その一派に対して怒鳴った後に「茜ちゃん、バイバイキーン」と手を振りながら消えていった。

 

 彩夏は子供の揉め事に感知せずに行ってしまった理由は、スケバン時代に数々の修羅場を経験してきたので『クソガキめ。洒落臭い奴等だよ』くらいの程度しか思っていないのだろう、余裕のヨッちゃんでママチャリのベルを鳴らしながらの蛇行運転であった。

 

 ふぅー。一先ず、ここは助かったぜ。あぶねぇ、あぶねぇ。家の彩夏はうるせーからな。姉貴もスゲェうるせーしよう。家に帰ったら二人の合唱を聞かされる羽目になるからなぁ。マジでめんどくせぇー。聞いているフリをしてやり過ごすしかないぜ。毎回、毎回、母と娘してよ、同じことしか言わんもん。マジでかったりーぃ。

 

 「おい、悠平とやらよ。弟子を見殺しにして師匠だけはスタコラサッサと逃げるのけぇ? あぁん? コラ」と中沢芽蘇詞流己はポケットからリンゴ味の飴ちゃんを取り出して、両手で持ち変えながら威嚇をしていた。

 

 「俺はコイツらを弟子にしていないし、師匠でもないんだよ、テメェ、コラ」 

 「条件を言えば弟子にするんじゃなかったのか?」 

 「条件は言ったけど弟子にするとは言っていない」 

 「期待を持たせて不憫だと思わないのかよ?」

 

 「全然、思わない」

 

 「思えよ。誰でも条件を言えば次があると勘違いするじゃねぇいのかよう?」 

 「勝手に勘違いをしているから変に期待をするんだよ。条件を果たせなかったら弟子もへったくれもねぇーだろうがよ。タコ野郎」 

 「コイツらは果たせなかったのか?」

 

 「コイツらが、条件を果たしたとしても、弟子にするとは伝えていない。弟子にするための前提条件ではなくてよ、中沢芽蘇詞流己を倒すために必要な条件を伝えたのよ」

 

 「あーぁ、そうか、なるほどなぁ。俺を倒すための条件を伝えただけだったのかい?」

 

 「まぁ、そんな感じ」

 

 「じゃあ、コイツらはなんなの?」

 

 「知らねー」

 

 「テメェ、俺をナメてんだろう?」

 

 「誰が? 俺がぁ? いやいやいやいや、俺は中沢味噌汁好きをナメないよ、味噌汁は飲むよ」

 

 「絶対ナメてるな」

 

 「おい芽蘇詞流己よう、うるせーんだよう、バカ」 

 「なんだと、コラァ」

 

 「なんだテメェーコラ?やんのか? タコ野郎が」俺は中沢芽蘇詞流己の鼻の穴に指を入れて爪を立てながらほじくった。

 

 「いちちちちちちちち。フンガァー、フンガァー」中沢芽蘇詞流己はバレエダンサーが舞う『クルミ割り人形』並みのつま先立ちを披露して耐えていた。

 

 「参ったと言えよ」

 

 「喰らえ!!」中沢芽蘇詞流己は俺の右足の脛を思いきっり蹴ってきた。

 

 「いっっっっっってー」俺はしゃがんで右足を擦っていたら中沢芽蘇詞流己が俺の頭に唾を垂らした。

 

 「汚ねぇー」俺は髪に付いた唾を払い落とすと立ち上がってから中沢芽蘇詞流己の顔に唾を吹き掛けた。 

 「汚ねっ。うわっ、クセーよ」中沢芽蘇詞流己は頬に付いた俺の唾を右手で拭うと臭いを嗅いだ。

 

 「テメー、この野郎」中沢芽蘇詞流己は俺に唾を吹き掛けた。

 

 「臭っ!!」俺は左の頬に付いた唾を左手で拭うと臭いを嗅いだ。

 

 「テメー、なめんなよ」俺は唾を吐き飛ばした。

 

 「ぐわっ。臭い」見事に中沢芽蘇詞流己の鼻の穴に掛かった。

 

 「テメェーこの野郎」中沢芽蘇詞流己が唾を2発も飛ばしやがった。

 

 「くさっ」俺は額と右の頬に掛かった唾を木綿のハンカチで拭き取った。


「テメェ、ふざんけんな」俺は中沢芽蘇詞流己の服に目掛け、3発唾を続けて飛ばした。

 

 「あ、限定品の佐津が」 

 「シャツだろう?」

 

 「臭っ」中沢芽蘇詞流己は服に付いた唾をティッシュで拭くと臭いを嗅いだ。 

 「テメェーコラァ」中沢芽蘇詞流己は買ったばかりの俺の靴に唾を吹き掛けてきた。

 

 「臭ぁっ」俺は木綿のハンケチで靴に付いた唾を拭き取って臭いを嗅いだ後、靴を綺麗に磨いた。

 

 「おい、買ったばかりなんだぞ。コラァ、テメェーコラ」俺は唾を吹くフリをして中沢芽蘇詞流己の頬をビンタして唾を吐いた。

 

 「いたぁーい、くっさぁーい」中沢芽蘇詞流己が真っ赤になった頬を懸命に擦り続けて鼻を摘まむ顔が面白かった。

 

 「テメェ、ナメんなや」中沢芽蘇詞流己の右の拳が飛んできたが、俺は拳を握り締めて止めると唾を吐いた。

 

 「な、な、なにぃ!? くっさぁーい」中沢芽蘇詞流己は鼻を擦りながら涙目になっていた。

 

 「テメー、コラァ」中沢芽蘇詞流己は俺の顔をビンタしてから唾を吐いた。

 

 「くっせーぇ」俺は臭くなった木綿のハンカチで拭いた後にハンカチを地面に叩き付けた。

 

 「ナメんなクソ野郎」俺は中沢芽蘇詞流己のおでこを殴ってから唾を吐いた。 

「あたたたた、くっせー」中沢芽蘇詞流己はおでこを擦り続けながら唾を拭いていた。

 

 「テメェー、コラァ。やんのか?」中沢芽蘇詞流己は俺の顔に唾を吐いた。

 

 「くっせーぇ」俺は鼻先に付いた唾を拭き取ってから、中沢芽蘇詞流己にタン混じりの唾を吐いた。

 

 「ぐわっー、これ、本当にくっさぁーい」中沢芽蘇詞流己は半泣き気味になって唾を拭き取っていた。

 

 「コラァテメェ〜、この野郎、なめんじゃねぇよ」中沢芽蘇詞流己は焦り気味に唾を吐いたが唾の量が減ってきて霧吹きみたくなっていた。

 

 「くっせー」これはこれで臭かった。頭にきた俺は中沢芽蘇詞流己の頬を再びビンタを食らわせてから唾を吐いた。俺は唾液が多くて健康優良児なんだわ。

 

 「くっさぁーーーーい」中沢芽蘇詞流己は鼻に入った俺の唾を掻き出した。

 

 「てめぇ、上等だ」中沢芽蘇詞流己は少しだけ、朦朧としていた。

 

 俺は、蛇拳、キングコブラ拳を使いこなす。今は、この2つの武術を敢えて使わずに、皆様、大変、お待たせ致しました。伝説の拳法を使う時が来てしまったのであります。

 

 そうです。それは、無時丘鮫五郎(むじおかさめごろう)師匠が作り上げた伝説の秘術、無時丘派・サンダー拳を使う時が来たのであります。

 

 「中沢芽蘇詞流己、ここでくたばれぇーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦い終えた俺は、茜と手を繋ぎながら自転車を押して自宅へと向かった。無時丘派・サンダー拳は秘伝なので詳しい説明は出来ないんだ。ただ1つ言えることは、『すんごい強い拳法』と言うことだけしか言えない立場を理解してほしい。 

 「悠平、唾臭い」茜は鼻を左手で摘まんだ。

 

 「茜、驚く話を教えようかな。シャワーを浴びたらね、臭くなくなるんだよ」俺は茜をからかった。

 

 「当たり前でしょう」茜は俺の頭を軽くゲンコツをした。

 

 「悠平、あの暴走族たちは、本格的な物では無さそうだったよね?」

 

 「ないね。ガキんチョがただ意気がってカッコつけているだけのものさ」

 

 「そうみたいね。悠平、味噌汁好き、だったけ?」 

 「芽蘇詞流己」

 

 「あのまま、公園の砂場で寝かせといて良いの?」 

 「ああ」

 

 「赤い人たちは?」

 

 「真っ赤な馬鹿2人は懲りたと思うよ」

 

 「学校は行かないの?」 

 「残り3時間か…」

 

 「行きなさい」

 

 「チッ。しょうがねー。行ってくらぁ」俺は茜の自宅から5メートル手前の場所で別れた。

 

 俺はベルを鳴らしながらゆっくりとチャリンコを走らせていた。

 

 角の所にある電柱の側にレインコートを着た無精髭の男が立っていて俺に手を振っていた。眉をしかめて男を見たが見知らぬ人だった。

 

 スレ違う瞬間に男は「かなり上達してきたね。本当は禁止している拳法だけど危険な状況に陥った場合はしかたがない。傍にいた彼女が怖がってもいたしさ」という声が聞こえてきた。 

 俺は振り返ると、男はレインコートのポケットに手を入れて歩いていく後ろ姿が見えた。

 

 「チッ、誰だよ…」俺は言葉を吐き捨ててチャリンコに股がりペダルに足を乗せて、ハッと思い出した。





ありがとうございました!またどこかで…。

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