第4話 1日程度の金銭能力
ぬぬぬ。
声も出ない。
レベル...1(平均30)
魔力...1(平均100)
物理攻撃力...17(平均100)
まずいぞこれは。
いや、レベルが低いからか...
そう信じたい
「どうされました?」
怪訝そうな目で見てくる。
「い、いえ」
「そうですか。では早速依頼に入りますね」
「はい」
受付嬢は紙を取り出した。
「あなたはすべての依頼を受けることができます。薬草採集から龍の討伐。むろん後者はお勧めできませんが」
と言って紙を渡してくる。
この中から選ぶのか...
しかし、俺には選択肢は一つしかない。
「はい。薬草採集でお願いできますか?」
「了解しました。契約金は0Gです。採集量は規定を設けていません。採れるだけどうぞ。何か質問はありますか?」
「いいえ」
「では契約書にサインののち、クエストを開始してください」
「わかりました」
★ルベイナ近隣の森★
ここには魔物が出ることは極まれらしい。
なんでも魔力が少ないから魔物が寄る意味がないんだとか。
薬草の形状はわかっているためせっせと採る。
...作業に没頭するのは好きだ。
同じ動作を繰り返すのも好きだ。
シンプルに素早く、正確に、これを極めていく。
ただただ作業のことだけを考えて、ただただ手を動かす。
無駄がないように移動は直線的にする。
それをなん度も繰り返しただただ洗練された動きを目指し…
………
「暗くなってきたかな」
気づけば黄昏に近く空には橙色の太陽に似た恒星が見える。
「そろそろ戻るか」
薬草というのはわずかな魔力を種に生成される。
すぐに復活するようだ。
飢えをしのげる訳ではないらしいが…
関門でダバデとトロブに挨拶をし納品をしに行く。
「かなり多く採集しましたね。鑑定薬草の状態と薬草の量を確認しました。5000Gから10%引き抜いて4500Gを報酬として認定します」
と、今朝とは別の受付嬢が言う。
「はい。わかりました」
「そうそう、ルートさん。冒険者宿は一回3000Gで利用できます。朝食、夕食付きなのでかなり得だと思いますよ」
「はあ。ありがとうございます」
「いえいえ、宣伝みたいなものですから」
ふふふと笑う受付嬢。
言われたとおりに宿に向かう。
「はいよ」
と巨人のような男が出てくる。
いや、実際巨人族なんだろう。
「宿に泊まりたくて」
「そうかいそうかい。部屋は今だと…相部屋だがいいな」
「ええ、もちろんです」
全く問題ない。隣人が善き人であると願おう。
「多分聞いてはいるだろうが、説明させてもらう。一晩3000朝食、夕食付」
「はい」
「では、2階はへの階段を上がって、右側、一番奥の部屋だな」
「わかりました」
個々の世界では大体のものが先払いらしく、3000Gを払う。
言われた通りの部屋に行くと
「おう。お前が新しく俺の相部屋になるやつか、よろしくな!」
と声をかけられた。
あと少しだけ、世界説明的な話をやります。