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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
八月、葉月、August…
91/240

91.いざ避暑地

課題は終わったのでしょうか……



 例の場所。……の、入り口。もうこの時点で分かると思うけど避暑に来た。


 ここは何故か涼しい。日陰でさえあれば。この季節に木陰で昼寝できるくらいには涼しい。建物の中に入るとさらに涼しい。天国とはここの事か。


 僕よりも先に(槙の)家を出発したはずの二人もここにいるはずだ。多分建物の中に。なんでバラバラに出発したんだとかいう無粋な質問は聞かない。


 それにしても、今日も暑いなぁ。もうそろそろ夏休みも終わるんだから、涼しくなったって良いじゃないか。日照時間の一番長い夏至はもう二ヶ月近くも前に通り過ぎてるんだよ?はよ夏終わって。


 ていうか蝉うるさい。種族の存続が掛かってるのは知ってるけど、少し黙って。

 あの、アレじゃない?蝉の声って、聞いてるだけで暑くなってこない?何あれ。やってる事、風鈴の真逆だよね。とんだ迷惑だよ。こっちの都合だけど。


 建物はっけーん。やーいざまーみろー!



 ……ごめん、忘れて。



 僕は建物の玄関のところで靴を脱いで二階へ向かう。ここは槙が管理人みたいになってるから、どこで寝っ転がっても大丈夫。安心の清潔さだ。……元の持ち主はどうしたんだろう?


 あー、涼しい!何ここ!冷房入ってる訳でもないのに!あ、外が暑すぎるだけか!



 ……変なテンションになってるな。落ち着こう。



 二階の一室に到着。ここは槙が入り浸る部屋。どうにもここが落ち着くらしい。さして広くはない。むしろ狭い。


 部屋に入ると、仰向けに寝そべってる槙と、その傍らにしゃがみこむ柚がいた。柚は僕の気配に気付いたらしく、こっちを向く。そして『静かにしろ』の合図。……槙が寝てるから?


 僕の疑問を察したのかは知らないが、柚は寝そべってる槙のお腹のあたりを指差した。何?何かあるの?


 柚に誘われるがままに見てみると、槙のお腹の上に猫が丸まっていた。


 なるほど。これは可愛い。柚は携帯で写真を撮っている。確かにこれは珍しいからね……。


 槙のお腹の上で安心なのか、ぐっすり眠っているようだ。今僕達、意外と近くにいるんだけどな……。


 ふと柚の携帯の画面を見ると、槙の寝顔も一緒に撮っていた。……柚、気持ちは分かるけどそれってどうなの……。


 

 ほんわかした気分のまま眺める事30分。柚は写真を撮る事に満足したらしく良い笑顔で観察している。


 ここで、槙が目を覚ます。


「………………」


 ………………。


「…………おはよう」

「おはよ」

「おはよー」


 ……ん?槙、その角度だと僕達見えないよね?どうして分かったの?


 そんな僕の心も知らない槙は、自分のお腹の上にいる猫を見てこう言う。


「……コイツ可愛いな」

「そうだね。羨ましいよ」

「槙ってもしかしてマタタビの匂いしてる?」

「ねぇよ。てかそのネタこの前もやった……」

「うわぁちゃんとしたツッコミ返ってきた」

「寝起きだからって舐めんな……」


 猫がまだ寝ているため槙も動けないようだ。もうしばらく観察を続けよう。




柚「ねぇ槙」


槙「なんだ」


柚「その猫、ボクにちょうだい♪」


槙「やらん」

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