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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
八月、葉月、August…
90/240

90.暇人のお泊まり


樂「来たよ」


柚「ふふっ」


槙「いやいやいや……」


視点 柚



「また暑い夜を過ごすのか……」

「意味深だね」

「落ち着け」


 ここは槙の部屋。時刻は午後11時46分。そろそろ寝る時間。……ではない。今日は少し遅い。いつもは11時半頃なので誤差といえば誤差だけど。


 時間と場所で分かるだろうが、今日も槙の家でお泊まり。槙は嫌がっていたが心の底からではないので大丈夫。……多分。

 槙と並んで布団に座っている。樂はトイレに行っている。


「ていうかどんだけ泊まりに来るんだよ。この季節は暑くて仕方ねぇぞ」

「冬なら良いのかい?」

「大歓迎だ」

「でもお互いの肌は冷たいよね」

「布団の中にいるだけであったまるから問題ない」

「それじゃ触れ合えないじゃないか」

「いつも引っ付いてくるだろこの猫め」


 猫……?どうして猫?どこに猫要素が?


「普段はわりとクールな雰囲気なのに、たまにものすごく懐いてくるだろ」

「そういう理由でボクを猫扱いかい?」

「扱いはしてないがな」

「じゃあ君はボクを猫みたいに膝の上に乗せたり肩や頭にのせたり、猫のように抱き抱えるって言うのかい!?」

「要望があればやるが」

「ふぇ……っ!?」


 ちょっ……。なんたる事だ。槙を弄って遊ぶつもりが、カウンター食らってるじゃないか。オマケに気の抜けた変な声出るし……。槙のくせに。今度不意を突いて膝の上に座ってやる。


「ま、流石に頭や肩に乗せるのは無理かな。普通の猫でも結構キツイのに」

「あれ、余裕そうに見えたけど」

「まだ小さめだからな。もう少し大きくなったら首がイカれる」

「成体で7キロくらいだっけ」

「確かな」


 7キロの物体を頭の上に乗せる。しかも動く。試したいなら5キロの米袋を乗せたら良い。多分気持ちが分かるだろう。


「ただいまー」

「おけーり」

「にしても今日も暑いねぇ」

「ああ。暑いから布団で俺を包み込むなよ」

「あ、ボク寝惚けてやるかも」

「おい」


 まぁやらないけどね。槙蒸しが出来上がっても誰も喜ばないし。槙が具合悪くなったら良くなるまで樂を弄って遊ぶしかやる事がなくなる。楽しさが半減だ。それは避けたい。


 戻ってきた樂が槙を挟んだ反対側に座る。……寝ないのかい?眠くなってきたんだけど……。


「にしても、今日も蒸し暑いな」

「そうだねぇ。いっそ砂漠みたいな温度変化すれば良いのに」

「困るだろ。寒すぎるわ」

「でも快適に眠れるよ?」

「いやねぇよ。というか温度差のせいで体調崩すだろ」


 まぁ、でも、二人が起きてるから起きてようかな。たまには夜更かしするのも悪くない。


「もうずっと冬で良いよ」

「作物の事も考えてやれ。せっかくの温暖な気候が台無しだ」

「なら野菜は全部温室育ちになるね」

「間違ってないけど人みたいに言うな」


 あっ、でも睡魔が……。これは起きてるのが精一杯かな……。……もう限界な気がする……自分でも船漕いでるのがわかる……。


「しかもビニールハウスで育ったやつって少なからず味落ちないか?」

「仕方無いよ」

「それで片すなよ……ん?柚どうした……って寝てるし」

「まあいつもならもう寝てる時間だしねぇ」

「ん……」

「あ、寝てて良いぞ?」


 良いのか……。じゃあ遠慮なく……。

 槙から寝て良いと言われたので、槙に寄りかかる。あ、これ落ち着く……。おやすみ……。


「…………」

「……素直に横になれば良いのにね」

「俺が動けないじゃないか……」


 あー……ごめんね……でももう動きたくないの……。


「動けない事よりも暑い事の方が重大だなこれ」

「この温度で引っ付いてたらねぇ」

「どうしようもないからこのまま放置するけどさ……」

「僕も、うつかろうかな」

「やめてくれ」


 …………。槙と樂、元気だなぁ……。ボクは眠くて仕方無いよ……。


「ふぅ〜……」

「おいうつかるな」

「槙〜……暑い〜〜……」

「……俺の方が暑いって知ってる?」


 ……あ、もうだめだ……本当におやすみ……。



この三人、仲良いですねぇぇぇ……

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