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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
四月、卯月、April…
9/240

9.高校生、走る、走る!

意味もなく走る。


 えー。

 本日の体育。


 ラ ン ニ ン グ。


 いじめか!!

 だってランニングって!

 名前違うだけでマラソンとなんら変わらないじゃないか!

 しかも、


 四 限 目。


 いじめか!!

 四限目って!

 昼飯の直後じゃないか!なんだそれ!確実にお腹痛くなるじゃん!


 ………ゴホン。少し、熱くなりすぎた。しかし、それにしても酷くないか?確か走らされる距離は1.5km。そこまで酷い距離ではないが、昼飯のすぐ後っていうのを差し引くとそれはそれは酷いことになる。

 だいたい誰だよ。こんないじめくさいテープにした奴は。ふざけるなよバーカバーカ!!



 ……というのは槙の弁である。

 言いたいことは分からなくもない。むしろよく分かる。槙はもちろん、僕も体力は無い方だ。それでも一キロ半はまだ大丈夫だ。そんなにスタミナ50の鈍足発動のハンターみたいな体力していない。……いや、そもそもあの超人と比べる事が間違ってるのだろうか?


 しかし、槙の言った通り“食事の直後”というのが大きい。食後に長距離走ってお腹痛くならない奴なんてごく少数だと思う。実際は知らない。


「だいたいなんで意味もなく無駄に走らせるんだよ。そんなに走らなくても死なないっての」

「…理論が小学生レベル」

「やかましいわ」

「まぁそういう理不尽な事も含めて全部受け入れるしかないんじゃないかな〜」

「…なぁ速水、樂が虚ろで遠い目してるけどどうする?」

「放っておけば治る。…多分」

「今最後に小さい声で“多分”って付け足したよな?」


 うだうだ文句を垂れ流しても仕方ないので諦める。僕はもう諦める。そしてなるべく全力で走る。


「ねぇ、槙、愀…」

「なんだ」「何…」

「もし僕が倒れても、気にせず先を急いでね。僕は大丈夫だから、心配しないで」

「……」

「……」

「……どこからどう飛躍したらそういう結論に至るんだ?」

「…そんな…!お前だけを置いていける訳がないだろう…!」

「そこも乗らなくて良いから」

「でも、僕のことは……せめて、忘れないでいて…」

「あーはいはい、そろそろ始まるからコッチに戻って来ようか」

「…いつまでもトリップしてる様ならまた刺激あたえれば」

「そうだな…」


 そして、僕達の闘いは始まった…。


   つづく



樂「槙、一緒に走ろうね」


槙「それって絶対振りだろ」


押すなよみたいな

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