85.槙君のゲーム事情
いつも通り、大層な事は語られませんがね。
視点 槙
……暇だ。とりあえず暇だ。
昼前。特にする事の無い俺は、特に意味もなくベッドに座ってゲームをしている。どこからともなく課題やれとか聞こえた気がするが、多分柚の思念波だろう。
それにしても……熟練度上げ、面倒だ。延々と消費無しの全体攻撃しているだけ。完全に作業ゲーとなっている。寝オチするぞ……。でもここが一番効率良いんだよなぁ……はぁ。
「槙ー、起きてるー?」
「死んでる」
「あ、良かった起きてた」
「華麗にスルーしやがった」
ボケをボケで返すのは俺の専売特許だろうが。
「ボケをボケで返すのは槙だけのモノじゃないよ」
「お前実は読心できるだろ?」
「んっ?」
……まぁ、この際スルーしてやろう。
「で、何か用か?」
「九日十日?」
「さよなら三角」
「また来てしか……って、槙なんで押すの?ちょ、こけるこける!ていうかなんで閉め出してちょっとドア閉めな」
バタン。ガチャッ。
扉と鍵を閉めるという大役を果たした俺はベッドに戻ってゲームを再開。なぜスライドドアに鍵があるか?こんな事もあろうかと付けておいた。
しかし、こんなに暇なゲームは今までやった事ないな……ランダムエンカウントだから移動しないといけないし、戦闘はAI任せだからボタン連打で問題ないし、全体攻撃で1ターンで終わるし、敵が弱すぎて熟練度以外の稼ぎなんてほとんど無いし。そのくせアイテムは頻繁にドロップするもんだからボタン押す回数増えるし。薬草カンストするぞ……。
まぁ文句ばかり言っても仕方無いのだが。まだ楽な方だって事は分かっている。某オンラインゲームでレア素材集めるより楽だと思っている。俺はやった事はないが。
それでも、携帯ゲーム機の方でレア集めは苦労した。特にあの「動く的」と名高い、体力26666のアイツのレア素材は大変だった。最近はヘ◯ィを使ってソロ25分討伐が安定してきたので幾分か楽になった。貫通弾を撃ちきる前に倒せるものだから、最初は驚いた。
そういえば、ソイツの頭蓋骨を背負ったショ◯グモ……もとい、「動く的〜カニver〜」は15分で倒したな。体力は同じらしいのだが。やはりエリア移動をしないという点が大きいのだろうか。というか途中から怯みハメに入っていたような気が……。
話がそれた。つまり何が言いたいかと言うと、俺は暇なんだ。十字キー左右とAボタンを押しているだけの作業に疲れてきたのだ。
…まぁ、結論を出すなら“猫もふりたい”となるのだが。
ドンドンドンドン
樂「槙ー!ここを開けなさーい!」
槙「ふあぁ……ふ。ねむ……。あ、熟練度上がった」




