82.暇人達は今日も駄弁る
ここ最近で一番まともな文字数
「いやぁ……暇だねぇ」
「俺は暇と言うより眠い」
昼過ぎ。暇人である僕達は居間でくつろいでいた。……何?昨日とやってる事変わってないだろうって?知らないよ。僕だってやる事があればそっちやるよ。課題以外は。
「どっか出かけるか?適当に」
「めんどくさい」
「だよなぁ」
「このクソ暑い中出かけたくない」
「例の場所なら涼しいだろうけどな」
「行き帰りの道が地獄かな」
ていうか自殺行為だよ。少し前よりは(体感では)涼しくなったけどね。
「これだけ暑ければ猫もバテるだろうな……」
「君ホントに猫好きだね」
「んー?まぁ、そうだな」
「親バカってやつ?」
「違――うとも言いきれないか。いつの間にか情が移ってるかもな」
「あはは」
あれ、猫と言えば……。
「槙、昨日柚が言ってたんだけどさ」
「ボクがどうかしたかい?」
「うわっ!?」
「せめて鍵開ける時くらい音立ててくれ」
「良いだろう?何か困る事がある訳でもないし」
「少なくとも樂がビビる」
「楽しいじゃないか」
「ちょ、柚!?」
「あー、それもそうだな」
「槙っ!?」
うう……二人して僕をいじめる……いや、いぢめる?どっち?確かこの二つ、なんとなく意味が違った気が……。
「で、柚が何言ってたって?」
「あ、それそれ。昨日柚が『槙のモテ期が始まった』って」
「はぁ?」
うん、まぁ当然の反応だよね。柚が椅子を引っ張ってきて座る。……元の場所に戻しておいてよ?
「なんでまたそんな話に」
「成り行き」
「いやその過程を説明しろと」
ごもっとも。
「昨日なんか猫の話になったんだよ」
「おう」
「あの猫はオスなのかメスなのかと」
「どっちなんだろうな?」
「今度見てみたら?」
「やめとくよ」
「それで、もしメスだとしたら槙にもモテ期がと」
「はぁ?」
「もう少しかみ砕きなよ……」
流石にそれじゃ分からないって。一番大事な部分すっ飛ばしてるから。……一番でもないか。
「えっと、説明面倒だね」
「いやいや……」
―――――説明中―――――
「――という訳で」
「なんで俺動物限定のモテ期始められてんの?」
「当然の反応だよね……」
「ていうかサラッと人にモテなくしてるよな?永遠の非リアじゃん」
「その辺はボク達も似たようなものだろうという事で」
「片付けるなや」
「動物にモテるだけ良いじゃん。僕達は両方ダメだよ」
「アイス食って良いか?」
「僕の話聞いてた?」
何流してるの?それ絶対わざとだよね?
「……まぁ良いけどさ。出してくるよ」
「「かたじけない」」
「柚も!?」
「そうだよ。何か悪い?」
「悪くないけど、槙と同じタイミングで言ってよ」
何があったかな……。……というか、何かあったかな?なければ氷持っていけば良いか。
冷凍庫オープン。なんかよく分からない棒アイス発見。三本引っ張り出す。ちょうど無くなったので箱を潰してダストシュート。居間へ。
「おまた」
「さんきゅ」
「あ、ツッコミは無しなんだね」
「最近ツッコむのめんどくさくてさー」
「あ、ボクもそれ」
「だからって僕にツッコミやらせるのは間違ってると思う。それと柚はろくにツッコんでないでしょ」
二人にアイスを渡して自分の分の袋を開ける。……ゴミ箱少し遠いな。
「良いだろ別に。長期休業なんだしツッコミ休ませろ」
「関係無いし長いよね。せめて一週間にして」
「いやいや、最低一ヶ月だろちょっと待て」
「ん?」
何事かと槙を見ると、何かの棒を持っていた。ちょうど今食べるところのアイスのそれによく似ている。そして槙の左手にはアイスの袋。中にはアイス。……棒無し。
……棒が取れたんだね。それもただ抜けただけじゃなくてアイス突き破って取れたんだね。ドンマイ。ちなみに柚は静かに爆笑している。
「どういう事だよ……」
「……諦めてそのまま棒をスプーン代わりに食べなよ」
「無茶いうな。あと柚笑い過ぎ」
「ふふっ……いや、だって、棒が……ふふふっ」
「ツボってるし……」
いやぁ……今日も平和だねぇ。
※実話




