81.猫を分けて以下略
槙君、うらやましいですねー……
「雨だねぇ」
「そうだね」
月曜日。今日は雨が降りました。僕は外に遊びに行きたかったのでとても残念だったです。
まぁまだ朝だけど。もしかしたらこれから雨止むかもね。
今僕の家の居間で柚と二人、くつろいでいる。槙?今日もバイトだって。散財気味だったみたいだし、良い稼ぎになるんだろう。時給高いし。
「雨だとどこにも行かれないねぇ」
「別に良いんじゃないかな。どうせボク達なんて例の場所くらいしか行かないし」
「それもそうだね。あの場所行かれないって結構大きいけど」
「ふふっ、猫もいるしね?」
「触らせて貰えないけどね」
もう少しなつく素振りくらい見せてくれても良いじゃないか。いくら僕でも傷つくよ?
「ところでさ」
「ん?」
「前も話した気がするけど、あの猫オスかな?メスかな?」
「さぁ……どっちだろうね?槙も知らないらしいし」
「なんか失礼な気がするとか言ってたよね……」
「槙はそもそも“可愛ければそれでいい”って言うもんね……」
なんせ好きな食べ物聞かれて迷わず『美味しいもの!』って答えるのが槙だからね……。気持ちは分かるけどさ。
「今度行った時に調べてみる?」
「できるかねぇ……」
「…………」
「まず逃げられるしさ……」
「…………諦めようか」
「それがいいよ……」
僕達にはどうしようも無いもの。
「まぁ、仮にメスだとしたらさ」
「うん」
「ついに槙にもモテ期が」
「柚何言ってんの?」
相手は動物ですよ?動物にモテてどうするの。
「だから槙に動物限定(人間は除く)のモテ期が」
「しかもそこ限定しちゃうんだ?人間っていう望みまで取り払っちゃうんだ?」
「槙が人にモテるのはまだ早い」
「あ、モテる予定はあるんだ」
「来世から」
「現世は無し!?」
酷い言われ様だよ槙!黙ってていいの!?
「まぁ人生どう転ぶか分からないから」
「フォローの入れ方が雑だよ柚……」
「でも動物限定のモテ期ってのはあながち間違いでもないと思う」
「そうかなぁ……」
「だって樂、槙が鳥に襲われてるの見たんだろう?」
「あー……それは見たけど」
「なら、集団に襲われるレベルのモテ期なんだろう」
「……今“襲われる”のニュアンスに違和感を覚えたのは気のせいかな」
気のせいだよね。うん、気のせいだ。
「モテ期はともかく、僕も猫になつかれたい……」
「代償として人にモテなくなるよ?」
「元からだよ……」
「ふふっ」
「笑わなくても良いじゃん……」
「樂は何にもモテないんだね」
「……柚だってそうだよね?」
「「…………」」
…………………………。
「……この話やめようか」
「……そうだね。お互い虚しくなるだけだ」
なんかもう……槙殴りたい。
あ、私ちょっと槙君殴りに行ってきます




