80.夏休み
暇人の暇さ加減が加速します
今日から!
待ちに待った!
「夏休みだぁぁぁぁぁあ!!」
「樂、近所迷惑」
だって夏休みだよ!?学生達の夢だよ!?喜ばずにいられないよ!
「槙、この子どうにかして」
「どうにかったってなぁ……というか、子って……」
「ひゃあっはああぁぁぁぁぁぁ休みだぁぁぁぁぁあ!!」
「殴っても良いよ」
「やだよ手痛い」
「外から大きな石拾ってくれば?」
「柚、ナイスアイデア」
「待って待ってそれは流石にヤバイ」
「大丈夫。最悪死ぬだけだから」
「そうだぞ?運が良ければ脳震盪で済む」
「何も良くない!」
というか何も解決しないでしょ!救急車やらパトカーやら野次馬やらで大騒ぎだよ!
……気を取り直して。
「で、今日は何する?」
「「 ? 」」
「いや、その……何その不思議そうな顔」
「だって樂、今日用事あるよ?」
「昨日から言ってただろ?」
えー……初耳なんですけど……。
「俺は今日バイトだぞ」
「あれ?成績に3あるとバイトできないんだよね?槇、3無かった?」
「あるぞ」
「だよね。じゃあバイト許可証とか貰えないんじゃないの?」
「問題ない。バイトっつっても家業の手伝いみたいなものだからな」
「あぁ、実家の」
「そうそう」
槇のお父さんのお兄さんは社長である。……と言うと聞こえは良いが、ただの個人企業だ。槇のお父さんもそこで働いている。
個人企業と言っても評判は良いようで、かなり遠くの県からもお呼びがかかるらしい。
「給料は貰えるの?」
「おう。働きに応じて時給800〜1000」
「高っ!」
普通高校生の給料って時給700円代だよね!?何それ!
「という訳で、俺はパスだ」
「あ、うん。分かった。柚は?」
「ボク?ボクはね…………」
「……?」
「…………ふふっ」
怖いよ!?何かが怖いよ!?
何その不敵な微笑み!なんか企んでるの?
「まぁ、ボクも色々あるから今日は無理かな」
「……うん。分かった」
「じゃ、俺はこれで」
「いってらしゃーい」
「……ねぇ柚」
「なんだい?」
「なんか最近、僕がツッコミに回ってる気がするんだけど」
「気のせいだろう。君は永遠のツッコミさ」
「いや柚、何かおかしいよね!?絶対何かおかしいよねぇ!?」
「じゃあボクも行くよ。それじゃ」
「柚ううぅうぅぅぅ!!」
……あれ、そういえば僕は今日一人で何すれば良いんだろう?
樂「…………………」
樂「……する事ないなぁ」




