74.自転車 破裂
パンクすると大変ですよ?
「……………………」
「…………」
「……………………」
「…………えっと、どうしたの槙」
放課後。槙の家に入ると槙が突っ伏して死んでいた。
最初は寝ているのかと思ったのだが、雰囲気からどうも違うとわかった。何かあって、ここに潰れているようだ。
「……………………」
「……あの、槙?」
「……………………自転車、パンクしてたんだ」
「ん?」
パンク?タイヤが?
そういえば僕って自転車のパンクとか経験した事ないな。どんな感じなんだろう。
「パンクしてて、不快だった」
突っ伏したまま、槙は続ける。
「タイヤの一部に、なんかチューブが重なってるみたいな所があって、タイヤ一周毎にガタンガタンなって気持ち悪かった」
「……」
「しかも後輪だけ」
「うわぁ……」
前輪だけだったらそこまで被害はなかっただろうが、後輪だけとなるとねぇ……。
「そのガタンガタンが定期的にくる。車輪だから」
「……」
「しかも速度に比例して」
「うわぁ……」
それ速度上げたくないねぇ。つまり尻に振動くるって事だよね?嫌だわぁ……。
「立ち漕ぎもしてみたけど何も変わらなかった」
「……」
「むしろ足からダイレクトに伝わってきて逆効果だった」
「うわぁ……」
それも嫌だなぁ……。ていうか、僕さっきから「うわぁ……」しか言ってない気がするんだけど。
「下り坂のせいで勝手に速度上がるし」
「……」
「更に家に着いてみればタイヤがホイールからもう外れかけてるっていうね」
「……ちょ、も、もうやめて!」
流石に可哀想だよ!なんで槙がそんなフルボッコにされなきゃならないのさ!
「そんな訳で疲れてて、潰れて休んでる」
「なるほど……大変だったんだね」
「まぁ嘘なんだけどな」
「嘘かよ!!」
心配して損したよ!なんで僕が槙の嘘なんかのために心痛めなきゃならないのさ!
「という訳で偶然家にいた父さんにチャリ預けた」
「なんで?」
「直してくれるってさ」
「もう何が嘘なのか分からないよ!!」
ていうかボケとツッコミの逆転現象はもういいよ!なんで僕がツッコんでるの!?
「いつチャリ返ってくるかな……」
「さぁ……?直すなら半日はかかるんじゃない?」
「明日は車で送迎かなぁ」
「ところでボケとツッコミ、元に戻そうか」
「やだ」
「拒否られた!?」
「だってボケてたいし」
「僕にツッコめと!?」
もう良いでしょボケ倒したんだから!今日の今まで!
点検はこまめに☆




