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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
七月、文月、July…
62/240

62.前夜祭

混沌ですね

視点 愀



 ……そろそろ、前夜祭が始まるようだ。会場へ向かおう。


 ……このパート、必要?



―――――しばらく時が流れる―――――



視点 樂



「あははははははは!!」

「ダメだ、普通に似合ってるっ!笑えるっ!」

「うぅ、どうして僕がこんな辱しめを……」


 前夜祭開祭から少し経過。僕は女装をさせられていた。


 何故こんな事になっているかというと、木工前夜祭には色々なイベントがあり、その中に『男装・女装コンテスト』がある。他には軽音楽部のライブやカラオケ大会があった。


 それで、僕がその『男装・女装コンテスト』にどういう訳か割り当てられたのだ。何故か話の流れでこうなった。僕の意思は無視するんだね。


 コンテストの控え室……まぁ視聴覚室なのだが、ここで着替えやらメイクやらするらしい。服と化粧道具を渡されてここに一人放り込まれ、メイクとかどうしたら良いのか迷ってるうちにこの女子二人が勝手にメイクをしてきたのだ。化粧が下手なら怒れば解決するが、上手いのだからタチが悪い。なんでこんなに自然にまとまっちゃってるの?訳が分からないよ……。


 チラッと左へ目を向けると、カジュアルな格好をした槙が立っていた。ついでにメガネもかけている。助けてくれないかなと視線を送っていると女子の一人が槙に聞いた。


「ねえねえ、この子の格好、どう思う?」

「……に、似合ってるよ」


 ちょっと槙ぃ!?あからさまに笑いを堪えながら言うのやめてくれないかな!?しかも口元に手当てて視線泳がせながら震えてるとか!露骨過ぎるでしょ!!


「酷いよ槙!」

「うるさいな。俺まで巻き込んでおいて何言ってんだ」

「良いんだよ!槙は!」

「理不尽だなおい」


 槙をこのコンテストに巻き込む事に成功しているのが唯一の救いだ。赤信号を二人で渡って仲良く轢かれれば良い。


 ちなみに、こんな流れで巻き込んだ。


―――――

――――――

―――――――


回想


「決まったね」

「はいじゃあ大鷺出場決定ねー!」

「なんでこんな事に……」

「まぁ、ドンマイ」

「ところで男装枠余ってるな」

「女子いないし、男子から大鷺に選んでもらうか」

「誰と息合わせ易い?」

「え?息合わせ易いのは槙だけど……」

「はいじゃあ神和出場決定ー!」

「あれ!?俺巻き込まれた!?」

「……ドンマイ♪」


―――――――

――――――

―――――


 つまり、指名権を与えられたから選んだのだ。


 なんにせよ被害者……もとい、出場者に槙を巻き込む事ができたのだ。一安心。


「さて樂。準備しろ」

「え?どんな?」

「いや、どんな形で出場するのかはお前が決めたんだろ?幼馴染みの男女っていう設定だろ?」

「あぁ、それか。正直演技する必要は無いと思うけどね」


 現に幼馴染みな訳だし。両方男だけど。


「それもあるけどさ、何気ない仕草だよ。歩き方とか」

「そっちか」

「あとステージでどんな事話すかとか」

「考える時間短いね……やるか」


「……何?二人は幼馴染みだったみたいなアレなの?」

「……幼馴染みで男同士にも関わらず禁断の……」


 そこのお二人さん。人が真面目に考えてるのに腐った話するのやめてくれませんか?


――――――――――


「さて、あと少しで俺達の出番だが準備は良いか?」

「問題ないよ」


 出場するにあたっての確認事項。

 内股に。一人称を私に。話し方を少し柔らかく。声のトーンは変えなくても通用すると女子二人に言われた。


 こんなところかな。ちなみに演出とかは特になし。持ち前の“平凡さ”で勝負しようという事になった。


「来たぞ」

「えっ!?まだ心の準備が」

「問題ないって言ってただろ!」


 そして入場開始。全校の視線が集まって、スポットライトまで当てられて……しかも女装中。凄まじい辱しめだよ。詳しく描写したくないなぁ……。


 謎の歓声を浴びながらステージに到着。途端にMC四人に絡まれる。


「おおー、ずいぶん可愛いねー」

「何?幼馴染みみたいな?」

「その通りッス」

「おおー!」


 おおーって何?高校生のテンション怖いよ?


「じゃあ彼女の方から聞いてみようか」

「彼氏のどこが好き?」


 彼氏彼女な設定じゃないんですけどぉ!?

 一縷の望みを込めて槙に視線を送る。適当に合わせとけとアイコンタクトが返ってくる。……分かったよ。


「……性格や容姿まで含めた全部かな」

「「「おおー!!」」」


 だからおおーって何?


「なるほどー、デレデレですねー」

「じゃあ次、彼氏の方に聞いてみようか」

「誰かを好くのに、理由がいるのか?」


 槙なにそれジ◯ンのセリフのパロディ?ふざけ過ぎじゃない?


「……彼氏イケメンっすねー」

「これはかなり良い点出そうですねー」


 いや、微妙な気がする。あと社交辞令だと分かってるけど槙はイケメンじゃない。断言できる。


 終わったようなのでステージ奥へ退場。


「はいじゃあ次!3Eですねー!」


 まだ外には退場できない。この辱しめがあとどれくらい続くのか……。早く帰りたい……。



ちなみに結果は全校2位でした。

トップは3E。

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