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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
七月、文月、July…
57/240

57.使われない半袖

使わない物が配られるのは何故でしょうか?

 

 わいわいがやがや。授業中だというのに皆さん騒ぎ放題である。ほとんど全員が席を立って歩いている。それなのに先生は注意のひとつもしない。


 まぁただ単に作業着の半袖が配られて、それの試着中だからなのだが。


「これって作業する時に着るんだよね?これから暑くなるもんね」

「着るとしてもわりかし危険性の少ない作業だけだろうけどな」

「え〜?じゃああんまり意味ないじゃん」

「普通は作業着に半袖なんてないだろ。俺が見た事がないだけで実は存在してるのかもしれないけど」

「確かにあんまり聞かないけどさ」

「だいたい考えてもみろ。溶接やらなんやらの時に半袖でいられるか?フライス盤とか旋盤とか。少なくも俺は嫌だ」

「……切り屑とか飛んできそう」

「危ないだろ?」


 納得。


 作業着を羽織ってみる。……うん。軽い。作業着にしては。それに背中あたりも生地が薄くなっていて涼しい。作業着にしては。


「……ふむ。サイズは問題無いな」

「……一度試着したはず」

「確認だ確認。それと唐突に会話に参加するんじゃなく最初から参加しててくれ。なんかびっくりする」

「……実はそれが狙い」

「趣味悪いな」

「突然ワープしてくる槙に言われたくない……」

「やかましいわ。ワープとかしてないし。単にステルス機能搭載なだけだし」

「……じゃあちょっと消えてみて」

「ステルスって消える訳じゃないから……」


 槙と愀が何やら漫才をしている。珍しいから少し見ていよう。


「……いや樂、続きなんて無いからな?」

「残念でした……」

「読心!?」

「これはどのタイミングで着るんだろう……」

「まぁ、板金あたりなら半袖でも大丈夫そうだからその辺じゃないか?」

「そもそも工業の実習がなければこんなもの必要無いと思う。機械や情報の授業もいらない」

「工業高のアイデンティティを根本から否定してるな」

「だってそう思わない!?」

「思わん」


 やれやれ。相変わらず槙は頭が固いなぁ。もう少し広い視野を持って生活してほしいものだ。


「樂はもう少し現実を見たら良いと思う」

「バカな……。僕が現実を見ていないと?」

「全くではないが」

「肯定された!?」

「いやだってそのつもりで言ったんだから」

「趣味悪いね!」

「自覚してる」

「なんて性格の悪い奴だ!僕はこれまでこんなに酷い奴を見た事がないぞ!」

「酷い言われ様だ」

「事実だろう!」

「そうだな」

「肯定された!?」

「おーいそろそろ席つけー」


 ……先生のご命令が入ったので漫才は終了。続きはまた後でしよう。たぶんやる気なくなるけど。




槙「板金の時には着れるらしいな」


樂「まぁ妥当なところだろうね……」

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