56.鳥使い
7月に入りました
「あ〜、風涼しい……」
放課後。自転車に乗って例の場所へ向かう。今日は日差しが少し弱く、自転車で走っていると涼しくて気持ち良い。
毎日こんな天気なら良いのにな……と思いつつ自転車を漕ぐ。たまにはサイクリングとかやってみようか。今日は例の場所に行くからやらないけど。
そういえば槙って、やっぱり例の場所の覇者に成りつつあるのかな?その内本当になりそうで怖い。
まぁ猫以外はエサで釣ってるみたいだし、実現するのはかなり後になるだろう。
そんなこんなで例の場所に到着。適当な場所に自転車を停めて奥へ進んで行った僕は。
「あたたたたたたっ、ちょ、お前らやめろって!エサ持ってないから!」
危うくコケそうになった。
何があったかというと、なんか槙が大量の鳥にたかられていた。今日の槙は半袖で、に鳥にとまられて痛そうにしている。鳥の方も腕にとまると滑るようで、結構必死に元の場所を保とうと足を踏み変える。
他には肩の上で歩き回ったり、何故か腕の上で喧嘩してたり、頭の上で落ち着いてる奴もいる。
……なんだか頭が痛くなってきた。気を取り直しつつ、槙に声をかける。
「君は本気でここの覇者になりたいのかな?」
「……ん?あ、樂助けてくれないか?コイツら離れてくれなくて」
「槙、離れるとは程遠いね」
こうしている間にも少しづつ集まってきている。減るどころか増えているのだ。
「とりあえずコイツら払ってくれ」
「全力で走れば離れると思うよ」
「足元にも沢山いて迂闊に動けん」
「そんな甘い事言ってるから鳥集まってくるんじゃないの?」
「………………」
あ、黙った。一応自覚はあったんだ。
「で、どうしてエサもないのにたかられてるの?」
「知らん。ここに座ってたら寄ってきた」
「いよいよ覇者と成りつつあるね」
「なんでだよ」
「エサが無いにも関わらず槙に寄ってきてるんだから。嫌われてる訳ではないのは確かだね」
「覇者ってそういうかよ……」
「そうだよ?それ以外に何があるの?」
「何さも当然のように言ってるんだ」
「それしか無いでしょ。それとも何?燎◯の覇者にでもなるの?ビーム繋ぐの?」
「いや◯原はフルは……いや、なんとなく兆しは見えてきてるけどさ」
「君はどこを目指してるのさ」
「何に対しての話なのかよく分からないがとりあえず現状維持したい」
現状維持したら確実に進展する。僕は自信を持ってそう言える。
「それで?鳥を手懐けたら次は何を狙うの?」
「そうだなぁ、そろそろ虫あたりも……って違うだろ」
「違うの!?」
「リアクションがおかしいからな?俺は覇者にはならないからな?」
「つまり燎◯フルはしない、と」
「それはできればしたいけどな?」
「つまり覇者になりたいと?」
「いい加減ツッコむけど覇者じゃなくて覇王だからな」
「……あっ」
それは良いけど、槙はいつまで鳥を従えているんだろう?
槙君が暴走しています……




