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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
六月、水無月、June…
54/240

54.呼吸を読む

そんなに大層な事では無いんですけどね



「で、これをやれば良いのか」

「らしいね」


 今日は文化祭の全校製作をなんやかんやする日。全クラスで分担して作るモザイクアートらしい。模造紙に用意された色紙を決められた順番で貼っていくというものだ。全体が完成するまでどんな絵柄になるか分からない。


 そして、僕と槙は何故か模造紙を一枚、任された。


「任されたからにはやるしかないんだけどね」

「てかなんで俺達だけ二人組なんだ」


 他の人達は残り全体を半々に別けて、交代しながらやるようだ。


「……まぁ、ちゃっちゃと終わらせようよ。決定事項だし」

「やるか……面倒だけど」


 文句を垂れながら作業に取り掛かる。


「じゃあ樂。読み上げてくれ」

「うん。左上から、白黒白白黒白赤黄紫黒白――」

「はこははこはせきしこは――」

「呪詛!?……いや、違うか。納得。でも赤と青の区別はどうするの?」

「青が“い”で良いだろ」

「おっけー。せりははみりいしはここせき――」

「せりははみりいしはここせき――」


 作業を簡略化する為に略称で伝える。たぶん他の人達が見たら(聞いたら)訳が分からないと思う。僕は分かったけどね!


 そんなこんなで10分経過。クラスメイトが声をかけてきた。


「おーい大鷺と神和ーぁ、そろそろ交代しても――って早っ!何お前ら、もう半分埋まってるじゃん!」

「ん?あぁ、交代?別に無くても構わんよ?」

「この調子ならすぐ終わるだろうし」


 何やら驚いた様子のクラスメイトに対し、一旦手を止めて返事をする。


「お前ら早すぎるだろ!一体何したし!」

「何って……」

「作業だよな?」

「いやいやいや……ちょ、マジか……。お前らって中学同じだっけ?」

「そうだよ」


 正確に言うと保育園から一緒だけど、聞かれて無い事には答えない。無駄に騒がれても困るし。


「ならできるかもなw  それにしてもお前ら早すぎ」

「気のせいだろ」

「そうそう。気のせい気のせい」


 そもそも僕は読み上げてるだけだし。槙がこういう仕事が得意だからできるんだと思う。ポジション変わったら無理。


「お前らどうやってやってんの?」

「僕が読み上げつつノリ塗って」

「俺が聴いて貼り付けるだけ」

「そうかぁ……それならできるかもな」


 それはたぶん無理だと思う。これは相手が槙だからできる事なのだ。少なくとも槙と同じかそれに近いレベルの腕前の人でないと。


「おーい皆ぁ、さっさと終わらせようぜー!」

「……さっさとできたら良いけどな」

「コンビネーションがモノを言うよね……」

「確かにな」


 付き合いの長さとは怖いものだ。こういう時にいわゆる“阿吽の呼吸”がとれる。たぶん柚もできるだろう。


「さ、終わらすか」

「そうだね」


 という訳で、無駄に合う呼吸を利用してさっさと終わらせた。




樂「っと、終わりっ!」


槙「ふぅ。流石に疲れた」


樂「じゃあ帰りますか」


槙「うい。じゃ、お疲れ様っした~」


「ちょっ、お前ら絶対おかしい!」



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