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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
六月、水無月、June…
40/240

40.猫じゃらしって効果あるの?

あれ本当謎なんですが


視点 愀


 

 ……今日は学校がいつもより早く終わった。何故かは知らないが各時間が十分短縮だった。


 だからといって家に帰っても特にする事も無い。そんな理由から、少しばかりサイクリングをする事にした。


「………………」


 ……普段からあまり喋らない上に、今は自分一人。何かを言葉にする必要は無い。


 そういえば、いつからこんな性格になってしまったのだろう?なんとなく察しはつくだろうが、心の中では饒舌だ。それを声に出せば周りにも心意を読み取って貰えるだろうに……。


 ……今日は気温もそれなりに高く、直射日光もきつい。最高気温は25度を超えるそうだ。念のため持ってきた帽子が役に立った。


「………………」


 今日は知らない道の開拓でもしてみようか。どうせ暇なのだから。


――――――――――


 ……しばらく適当な脇道を進んでいると、まったく知らない景色になってきた。これ以上は迷子になりかねない。


 そう直感的に思った。もう帰ろう。

 踵を返した――否、返そうとした瞬間。視界の端に何か白いモノが映った。


 ……何故か異様にその白いモノが気になって自転車をとめる。スタンドを立てて白いモノが居た場所を見る。



 そこには、こちらを見て硬直した小さな猫がいた。



 これは思いがけない収穫だ。なんとかしてこの猫触れないだろうか。


「………………」

「……」


 なるべく姿勢を低くして猫を誘う。その辺に生えてた猫じゃらしを使って。


「猫……触らせて」

「……」


 猫は警戒している。どうにも信用を得られていないようだ。当たり前か。


 あまり刺激したら確実に逃げられる。ここは焦らずにゆっくりと……。


「猫。撫でさせて」

「……」


 こちらを睨む猫。少しくらい警戒を解いたっていいだろう。そして撫でさせてくれてもいいだろう。


 こうして猫じゃらしを使っているが、一向に猫はなびかない。まるで主人以外には懐かない、忠義の厚い動物のように。


 ……その通りなのか?


「………………」

「……」


 ……仮にその通りだとしたら大変だ。いくら誘ってもなびくはずがない。そもそも野良でも触る事は至難の技だ。


 そういえばあまり見ていなかったが、この猫は左耳の先だけ少し茶色い。他の毛並みは純白だというのに。なんという種類だろう。


 ……む?純白?

 野良猫が純白?どういう事だろう。野良であれば少なからず薄汚れているはず。なのにこの猫は間違いなく純白。驚きの白さである。


 だとするとこの猫は飼い猫か、誰かが管理している可能性が高い。そこから更に推測すると先程の仮定が事実になり、触れる可能性はゼロに近くなる。


 ……推測ばかりの理論で根拠も証拠もかなり少ないのだが。


「そうなのか?猫」

「……」


 ……無駄と知りつつ語りかける。もちろん返事が返ってくるはずもなく。


 それでも諦めない。誰かが言った。そこで試合終了だと。完璧に負けるまで、闘おうと思う。


「………………」

「……」


 猫じゃらしを振る。……見向きもしない。むしろ逃げる態勢に入っている。


 あ、逃げた。


「…………帰ろう」




愀(あれ、帰り道が分からない)


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