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高校生達のかなりどうでもいい日常  作者: はんぺん
五月、皐月、May…
34/240

34.引き続き雨

連日雨とか


「……雨だねぇ」

「……あぁ、雨だな」


 教室。昼休み。


 槙と弁当を食べつつ話す。


「朝は降ってなかったのにね」

「確か今日の降水確率は30 70だったな」

「そうだったんだ……あれ、知ってたなら教えてくれれば良かったんじゃない?」

「聞かれなかったから」


 そう言って唐揚げを一つ口に放り込む。確かに僕も聞かなかったけどさ、降水確率高いなら忠告くらいしてくれても良いんじゃないかな。


「放課後までにやめば良いんだがな」

「そうだね……また昨日みたいな事になるね」

「そうだな。そしてお前が風邪に――もとい、風になるな」

「あれ?そのネタまだ引っ張るの?」


 あれは僕だって後悔?しているのだ。雨の中 自転車で走り回るという謎の奇行。自分のしたい事が分からない。風になりたいなら晴れの日にすればいいだろう。


「その通りだな」

「読心!?」

「雨といえばさ、今日の体育どうするんだろうな」

「スルーなんだね……」

「相手にしてたら無駄に時間くうからな」

「うん……どうするんだろうね。確か50メートル走の計測だっけ」

「できないよなこの雨じゃ」


 外に目をやる槙。僕もならう。

 白く霞んだ窓の向こうの風景。ベチベチと音を立てて屋根から滴る雨水。黒く濡れたグラウンド。


「無理だね」

「水溜まりにはなってないから雨さえやめばできそうだけど……どうだろう」

「どうなんだろう。まぁ、僕はどっちでも構わないけど」

「放課後までにやめば?」

「そう」


 自転車だし。槙が言ってくれないから雨合羽も持ってきてないし。


「それは自分で天気予報とかチェックすれば済む話だろ……」

「読心!?」

「で、このまま雨やまなかったらどうするつもりだ?」

「槙の合羽もらう」

「俺が死ねる」

「良いよ別に」

「良かねぇよ」

「でもなにもせず帰ったら禿げるよ?」

「禿げるってお前……そんな即効で禿げるか?」

「さぁ?禿げるんじゃない?」

「なんで疑問系なんだよ」

「分からないから」

「まんまだな」


 そりゃそうだ。分からないんだから。僕はいつでもテキトー。僕の辞書に“正確”の二文字は無い!


「いや無くちゃ困るだろ……」

「読心!?」

「樂って50メートルどれくらいだっけ?」

「え?僕?確か七秒切るか切らないか切らないかだったと思う」

「なんで切らないの選択肢が二つあるんだよ」

「切りそうで切れないから」

「あぁそう……」

「槙は?」

「俺?そうさなぁ……七秒台後半のはず」


 わりと遅いんだね。いや、知ってたけど。


「愀は速そうだよね」

「そうだな。何となくだけど」

「本当に速い人ってどれくらいなんだろう?」

「三秒くらいじゃないか?」

「それ世界目指せるよね」

「余裕だろ」


 100メートル換算、疲労を考慮しても七秒。僕のおよそ倍速以上。人間じゃねぇ。


「それ時速何キロかな」

「計算しろ」

「面倒臭い」

「おい」

「槙やってよ」

「やだよ面倒臭い」


 槙、人の事言えないよそれ。


「ところで、愀って何秒で走れるんだ?」

「だから何となく速そうだって――」

「――だいたい五秒後半…」

「うわぁ!?」

「叫ぶな」

「…調子よければもう少し速いかも」

「ほう」


 え?いや、だって愀、いや、えぇ?


「愀、いつからそこに!?」

「お前の『雨だねぇ』の少し前からだ」

「最初からじゃん!」

「…そうだけど」

「それ槙最初から気づいてたの!?」

「そうだ」

「なんで気づけるのさ!」

「逆になんて気づかないのか聞きたい」

「ソッチ方面の能力に適性がないんだよ」

「…じゃあ何に適性が」

「いやそんな適性とか知らんから」


 愀出現。本当にいつ現れるのか分からない。これは槙にも言える事なのだが。

 それなのにどうして皆気づけるのだろう。どうしても腑に落ちな――あれ?ただ単に僕が鈍いだけ?


「愀、やっぱり速いのな」

「その速さ少し分けてよ」

「無理…」




樂「あ、雨やんだ」


槙「本当だ」

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