32.ジュウロクシン……いないだろ
2の4乗!
「どうして16進数ってあるの?」
放課後。ジャス◯のベンチ。
昨日から考えていた事を言った。
「コイツ面倒臭ぇ……」
「私昨日自分で調べろって言ったよね……?」
本日は愀も紅季もおらず、槙と柚がいる。
その二人が呆れたように呟く。
「だいたい二進数だけでも分からないのになんで16なんて意味不明な数字使うかなぁ」
「いや樂、17よりマシだと思うぞ……」
「ふふ、17進数……」
「あれ?柚、なんでツボった?」
「普通に10進数使えば良いじゃない!僕には理解できない!」
「ふふふ……17進数……」
「笑い過ぎじゃね?それと樂、自分で調べろと」
「めんどい!」
「ダメ人間め……」
槙が何か言っている。ダメ人間?そうだけど?
「ふふ、17……あのね樂、ちょっと聴いてくれるかな?」
「良いよ」
「良いのかよ」
「例えば……そう、今から私が二進数の数字言うから、復唱してくれる?ふふっ、17……」
「良いよ」
「良いのかよ」
「1110010100110100」
「……え?何?」
「1110010100110100」
「……ごめん分かんない」
「てかなんで柚はその桁数を間違えず二度言えるんだ」
「よかった、同じように言えた」
「まさか即興だったのか……?」
「で、これだけ桁数あると伝えるのも大変だよね?」
「確かに……」
「字にしても読みづらいな」
「これを16進数にすると……槙。よろしく。ふふふ17進数……」
「だからなんで計算俺に振るの?……予想してメモっといて良かったよ」
「予想してたんだ」
「ふふふ17……」
「ええ……E534だと思う」
「17……ん?じゃあ樂、E534。復唱」
「E534」
「簡単だろう?」
確かに簡単だ。なんかもう簡単だ。意味不明。
「つまり、二進数を簡略化して楽に伝えるために16進数ってのは考えられたんだよ」
「へ〜」
「あくまで私の考察だけどね」
「考察かよ」
考察でも一応筋は通ってる。柚はやっぱりすごい。
「でも16進数の変換って面倒臭くない?」
「ふふっ……17進数」
「しつこいわ!どんだけツボったんだよ!」
「ふふ……だって17だよ?偶数じゃないどころか素数だよ」
「それでそんなに笑うなよ……」
「じゃあ13進数とか言ったらどうなるの?」
「13……っ!素数……っ」
「お前素数大好きだな」
「別に素数が好きな訳じゃないよ。その、進数で素数というところに謎の魅力を感じているだけで」
「素数の進数に謎の魅力を感じているお前の方が謎だわ」
槙は微妙に毒舌入る時がある。そこまであからさまではないが。
「良いじゃないか。私にだって思うところがあるんだよ」
「どうでもいいよ……」
「酷いな。少しくらい聞いてくれてもいいだろう?」
「そういえば素数同士の公倍数ってやたらと大きいよね」
「13年ゼミとか17年ゼミは同時に発生する回数を減らすためにあの年数らしいな」
「私の言い分は無視なんだね」
「で、最初の話題なんだっけ」
「なんだっけ?」
考案者はどういう意図で作ったのでしょう……?




